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歌集「春雪花」

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 草原に

  落ちたる椚の

   実を数ゑ

 故郷思へば

    君恋しける



 草の繁る公園の片隅…ふと見れば団栗が沢山落ちていた。
 久々に来たが、先日の台風で大半が落ちてしまったのだろう…。

 そんな団栗をなんとはなしに数えていると、田舎でのことが思い出される…。

 だが…田舎のことを思い出すと、どうしても彼のことをも思い出してしまい…苦笑するほかなかった…。


 やはり…彼が好きなのだ…。



 幾月も

  姿なかりし

   きみを想い

 歌を詠みしも

    心憂きけり



 もうずっと…彼の姿を見ていない…。
 彼の声も…影さえもなく…。

 それでも想い続け…耐え忍び…こうして想いを歌にしている…。

 馬鹿で阿呆だと思われるだろうが…それでも…。

 心が晴れることはない…彼がいないのだから仕方無いのだ…。


 もう…この愁いがなくなることはあるまいな…。



 
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