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IFもしも、ラインハルトに双子の妹がいたら。

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原作編
  決め台詞(セリフ)

とにかく、話を進めなければもう、泣きたい。
内心で溜息を押し殺しながらほんの少し笑みを浮かべ

「オーベルシュタイン大佐、何か話があるのでは?
お話し頂けないでしょうか?」


まあ、だいたい見当はつくけど、一応、うん。一応聞いておかないとな。
彼は俺を義眼でチラリと見るとようやく本題に入った。

「じつは閣下、私は………。」

何というか、後は予想どおり。
やはり、彼は使える。
俺たちと同じだ。
細かな部分は違うが。
嗚呼、なんて面白い。
さて、どうやってラインハルトを説得しよう?
俺が策を講じている間にも話は進みついに


「銀河帝国、いや、ゴールデンバウム王朝は滅びるべきです。可能であれば私自身の手で滅ぼしてやりたい。ですが、私にはその力量がありません。私にできることは新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです。つまりあなたです、帝国元師、ローエングラム伯ラインハルト閣下」

………決め台詞(セリフ)みたいだな。さて、ラインハルトはどう出る?

「レオン!キルヒアイス!」

ラインハルトは椅子から立ち上がりながら俺たちを呼んだ。

「キルヒアイス、レオン、オーベルシュタイン大佐を逮捕しろ。帝国に対し不逞な反逆の言辞があった。帝国軍人として看過できぬ」

ジークは神速の技で右手にブラスターを抜き取って狙いを定めていた。
俺は故意に反応せず、ラインハルトの後ろに立っている。

「しょせん、あなたもこの程度の人が………」

と、失望と自嘲を滲ませて呟いた。

「けっこう、キルヒアイス中将とツァーベル准将をたったふたりの腹心と頼んであなたの狭い道をお征きなさい」


………。はあ、ここは、俺がまとめるしかないんだよな?
というか、狭い道ってふたりって
他にもいるからな!
オスカー殿とか、ティアナとか、ヒルダとか!後、クラウディアも!勝手に決めつけてんじゃねーよ!


「キルヒアイス中将………」

ああ、もう、話進めんな!

「光には影が従う………」

その、ポジションは俺のものだ!
勝手にないものにするな!
面倒くさすぎる。
残業代?が欲しい!
ああ、もうとにかく

「キルヒアイス中将。とりあえず、それ(ブラスター)しまって頂けますよね。ローエングラム閣下、貴方とキルヒアイス中将は座ってください。そして、落ち着いて頂けますか。
今、お茶を淹れなおしましょう。
オーベルシュタイン大佐も座ってください。」

「だが、レオン。」

ラインハルトが反論したそうにしているが知ったことでは無い。
お茶を淹れなおし、三人分用意し
クラウディア仕込みのニッコリ笑顔で笑う。


「少し、静かにして頂けますか。
そして、キルヒアイス中将と座ってお茶を飲んでいてくださいますよね。
ローエングラム閣下?
キルヒアイス中将もそれで宜しいですよね。」


『ハイ!』


うん。良い返事だ。
さあ、始めよう!

「オーベルシュタイン大佐。
あなたは、ローエングラム閣下を使って帝国を滅ぼしたい。
それで良いのですね?
それ以外の望みはありますか?」

彼は少し面喰らっていたがすぐに立ち直し

「ああ、それで構わない。」

「でしたら、その後の事はこちらに従って頂けますか?」

「無論。」


予想どおり。ここまで上手くいくとはな。
逆に不安になりそうだ。
少し、外野が煩いな。注意しておくか。

「ローエングラム閣下キルヒアイス中将。お茶を飲んでいてください。」

さて、手駒を手に入れるか。

「ありがとうございます。ローエングラム閣下。オーベルシュタイン大佐を貴族どもから買うべきです。」

うん。三人揃って眼を瞠った。
そんなに驚かなくても。
少し調べればわかることじゃ無いか。
オーベルシュタイン大佐とゼークト提督の不仲。彼の義眼。
そして性格。
後は、言質も取れた。
買う。決定だろ!
さっさと頷けラインハルト。

「わかった。卿を貴族どもから買おう!
レオンの判断なら間違っていないだろうしな。」

………少し、釘を刺しておくか。

「小官の判断を丸呑みにしないで
きちんと彼の性格、経歴、望みを確認しておいてくださいね。
くれぐれも振り回されないように。」

「わかっている。」

本当か?
まあ、その時は俺が止めるから良いか。



_______________



「なあ、キルヒアイス。」


「何でしょうか、ラインハルト様。」

「俺、一応、レオンの上司なんだか。」

「あの笑顔の時のクラウディアは怖いですから。」

俺もキルヒアイスもレオンも、
トラウマになっていたりする。
なのに、何故!レオンは使いこなしているんだ!

「答えになっていないぞ。キルヒアイス」

レオンのこと止めてくれないかな?

「オーベルシュタイン大佐の用件はレオンの管轄下なので関わる気はありません。」

「………。そうか。」

やっぱり、無理か……。

「ローエングラム閣下キルヒアイス中将。お茶を飲んでいてください。」

『ハイ。』


………。何であんなにクラウディア並みに怖いんだ?

 
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