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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1856話

 プルルルル、プルルルル、という音が聞こえてきて、俺の意識が目覚めていく。
 半ば寝惚けた頭で枕の側に置かれていた音の発生源……携帯を手に取る。
 その際に時計に目を向けると、まだ午前6時前……早朝と呼ぶのに相応しい時間だ。
 誰だ、こんな時間に……そう思いながら携帯に表示されている通話してきた相手を見ると、そこには桐条美鶴の文字が。
 ……桐条が、何でこんなに朝早くから連絡してくるんだ?
 まだ寝惚けた頭でしっかりとは判断出来ないが、ともあれ電話に出る。

「もしもし……桐条か、今何時だと……」
『すまない。だが、至急アルマーに知らせておく必要がある出来事があってな。それで、悪いがこの時間に連絡させて貰った。本来ならもう少し後にしたかったが、そうなると私の方にそんな余裕がなくなるのでな』

 冗談でもなんでもなく――桐条が冗談を言うのかはともかくとして――携帯から聞こえてくる桐条の言葉は、真剣なものだった。
 それを認識するのと同時に、俺の頭の中にあった眠気は綺麗さっぱりと消えていく。

「何があった?」
『端的に言えば、有里が入院した』
「……は?」

 てっきり、こう言ってはなんだがもっと深刻な内容を言ってくるのかと思っていたのだが、まさか有里が入院したと、そう言ってくるとは思わなかった。
 何がどうなってそうなった?
 一瞬そんな疑問を抱いたが、今の状況で有里が入院したとなると、その理由はまさか喧嘩に巻き込まれたとか、そんな理由ではないだろう。
 そもそもの話、有里は夜に活発に外を歩き回るようなアグレッシブな性格はしていない。
 勿論昨日の放課後にそんな喧嘩に巻き込まれたという可能性もあるのだが、それだと今電話が掛かってくるのは色々とおかしいだろう。
 そうなると、やはり有里が入院した理由は俺の予想通り……

「シャドウ、か?」
『ああ、正解だ。それも、ただのシャドウではない。とびきりの、特別な奴だ。そのシャドウと明彦が遭遇してな』
「……待て」

 まだ寝起きで完全に頭が働いていないという自覚はあったが、それでも今の桐条の言葉には色々と突っ込みたいところがあった。
 だが、それよりも前に、何よりも最優先で聞いておかなければならない事がある。
 それは、特別なシャドウという言葉。
 特別なシャドウという言葉で思い浮かぶのは、やはり数階ごとに存在している小ボスもいるが……何より強烈に印象に残っているのは、死神だ。
 あの死神を特別なシャドウと言わず、何と言えばいいのかといったくらいには特別な存在。
 だが、真田は昨日タルタロスに入っていなかった筈だし……何より、それだと有里がシャドウとの戦闘に巻き込まれた理由にはならない。
 となると、もしかして死神がタルタロスの外に出た?
 その推測は、出来れば想像したくない。
 あれだけの強さを持つシャドウだ。
 それこそ、冗談でも何でもなく、現在この世界であの死神に対処出来るのは俺だけだろう。
 勿論、実際にはこの世界にも知られていない強者という存在がいるという可能性は否定出来ないし、もしかしたら死神と互角に戦える力を持つ者がいきなり覚醒するという可能性も捨てきれない。
 ……そもそも、あの死神は色々な意味でイレギュラーな存在だ。
 もしかして、俺がこの世界にやってきた事により妙な影響が出てるんじゃないだろうな?
 だとすれば、あの死神は俺が何とかする必要があるだろう。
 そうやって密かに決意を固めつつ、もしかして……という思いもあって、桐条に尋ねる。

「その真田が遭遇したシャドウというのは、死神か?」
『死神? ああ、以前アルマーが言っていた奴か。いや、違う』

 俺の疑問に対し、一切の躊躇もなく桐条はそう否定してみせる。
 こうまであっさり否定するという事は、恐らく見た目からして死神とは全く別の存在だったのだろう。

『私もカメラの映像で見ただけだが、遭遇したのは……そうだな、言うなれば臆病のマーヤが極端に強化されたような、そんな奴だ』

 ……なるほど。
 確かに遭遇したシャドウが臆病のマーヤであれば、死神と見間違える事はないだろう。
 死神については可能な限り桐条パーティにも情報を提供してある。
 少なくても今の桐条達ではどうしようもないから、遭遇したらただ逃げろという事も。

「とにかく、死神じゃなかったようで何よりだ。……だが、遭遇したのは真田なんだろう? 何故そこに有里が関わってくる? 聞いた話だと、有里は影時間中には寝ていると聞いたけど」

 基本的には――少なくてもこっちにやってきてからは――有里は日付が変わる前に寝て、そのまま朝まで眠りっぱなしだって話だ。
 勿論まだ数日なので、本当に毎日そんな感じなのかは分からない。
 ……有里が何時に起きているのかは分からないが、それでも日付が変わる前に寝ていて、3時間から4時間程の影時間の間も寝ているとなると……毎日最低10時間は睡眠時間を取ってる事になるのか?
 人間ってそんなに眠れる……んだろうな。
 実際に、そうして眠っているのは事実なのだから。
 時々妙に眠くなったりする時とか、そういう時ならそれなりに眠れそうな気もするが……少なくても、俺には毎日は無理だな。
 そんな疑問を抱きつつ桐条の言葉を待っていると、やがて電話の向こうからは沈んだ声が聞こえてくる。

『明彦は最初にそのシャドウと戦っていたんだが、かなり手強かったらしい。それで手に負えないという事で、寮に撤退してきた』

 真田の手に負えないのであれば、それこそ桐条の手にも負えないだろう。
 真田と桐条の戦闘力は、総合的に見れば互角といったところだ。
 純粋な物理攻撃では真田が勝るが、魔法攻撃もありとなると桐条に軍配が上がる。
 ああ、なるほど。自分1人では勝ち目がないと判断したから、桐条と力を合わせて戦うという判断をしたのか。
 前衛の真田に、前衛、中衛、後衛の全ての距離で戦闘が可能な桐条。
 そんな2人が組めば、その強力なシャドウにも対応出来ると判断して。
 そこまで手に負えないようなら、俺のところまで連れてくれば……と思わないでもないが、すぐにその考えを却下する。
 そもそも、昨日俺達のパーティはタルタロスに挑んでいて、こっちにはいなかったのだから。
 それこそ、もし昨日影時間中に俺のアパートなり、ゆかりの女子寮なりに真田がシャドウを連れてきていても、そもそもいなかった可能性が高い。
 勿論影時間中ずっとタルタロスの中にいた訳ではないのだから、もしタルタロスから出たタイミングでやって来たのなら、また話は違っただろうが。
 ともあれ、そう考えれば自分達の拠点の寮に戻った真田の判断は決して間違ってはいないだろう。

「それで? 寮まで撤退したという事は、そこで桐条を含めて戦いになったのか?」
『……いや。寮で戦いになる以上、有里をそのまま寮に置いておく訳にはいかない。だからこそ、寝ていた有里を起こして屋上まで連れて行ったのだが……』

 屋上? 何故屋上?
 いや、真田が戻ってくる速度が予想以上に速かったとか、そういう事か?
 だからこそシャドウが来る前に有里を逃げ出させるような真似が出来ず、屋上に連れていったと考えれば、理解は出来ないでもない……か?
 まぁ、実際地下室とかそういう場所があったとして、下手にそこに隠れるような真似をさせてしまえば、一時的にはともかく、もし桐条と真田が負けて寮にシャドウが入ってきた場合、逃げ場がなくなってしまう。
 ……屋上でもそれは変わらないような気はするが、屋上の場合は最悪の場合飛び降りるといった手段が使える。
 もっとも、屋上から飛び降りて無事で済むかどうかは分からないが。
 そんな訳で、桐条達が取った手段は完全な正解という訳ではないかもしれないが、咄嗟の判断としては問題なかったと思う。
 ただ、結果として有里が入院したという事は、それで万事OKではなかったというのも事実な訳で……

『屋上に行った私達だったが、そこで待っていたのはシャドウだった。……どうやら、寮に直接突入してくるような真似はせず、壁を上って屋上に移動したらしい。シャドウが全てを考えて私達が逃げ込んだ屋上に先回りをしていたのか、はたまた何も考えず移動し、それが偶然こちらの先回りという形になったのか、どちらかは分からん』

 苦々しげな口調の桐条。
 そのシャドウを俺は直接自分の目で見ている訳ではないので何も断言は出来ないが、偶然屋上に移動して待ち受けていたというのは、些か都合が良すぎる気がする。

『とにかく屋上に出た瞬間にシャドウに攻撃されて、私は召喚器を吹き飛ばされた。レイピアはあったのでそれで何とか戦っていたのだが……吹き飛ばされた私の召喚器を使い、有里はペルソナを……そう、ペルソナを召喚した』


 何だ? 何でそこで口籠もる必要がある?
 ペルソナを召喚したってのは、今の様子を見る限り間違いないんだろうが……それ以外にも何かあったのは間違いないのだろう。
 だが、こうして電話で言ってこないという事は、恐らく……いや、間違いなく俺達には言えない内容なのだろう。
 別にそれを責めようとは思わない。
 俺達と桐条達は協力関係にはあるが、それでもあくまで別の勢力なのだから。
 向こうが隠そうとするものを、無理に聞こうとは思わない。
 実際、こっちだって向こうに隠している事はあるんだし。
 特に俺が実はこの世界の人間ではないというのは、トップシークレットと言ってもいい。……まぁ、こっちと一緒に行動している荒垣にも、その辺は言ってないんだが。
 それに、いざとなれば俺は向こうの情報を知るというのは、難しい話ではない。
 影の転移魔法があれば、俺の侵入を防ぐのはまず無理だろうし。
 PCとかにパスワードを付けて保存していても、それこそ技術班が作ったハッキングツールがあれば、PCの中身を覗くのは難しいことではない。
 勿論そのような真似をし、更にはそれが向こうに知られればお互いの関係は悪化するので、出来ればそのような真似はしない方がいいのだが……それも場合による。

「で、その戦いで怪我をしたのか?」
『……いや。ペルソナを召喚したのがかなり負担だったのか、戦いが終わった後ですぐに意識を失って、そのままだ。今も意識は戻っていない』
「なるほど」

 ここで驚く点は、やはり有里がペルソナを召喚してすぐに、その場で戦闘を行ったという事だろう。
 ゆかりの例を見れば分かるように、ペルソナを召喚してその場で戦闘をするというのは、かなり難しい。
 まぁ、ゆかりの場合はペルソナを召喚した相手が死神だったんだから、その条件は更に難易度が高くなっていると言ってもいいが。
 ともあれ、そのような理由から、有里が無理にペルソナを使った影響……もしくは後遺症により、意識を失ったという話は分からないでもない。
 ただでさえ現れたシャドウは強力な奴だったと聞いているし、その片鱗とも呼ぶべきものを俺達は昨日タルタロスで見ている。
 存在するだけであれだけ周囲に影響を与えるのであれば、それこそ相当に厄介なシャドウなのは間違いないだろう。

『そんな訳で、今日……そして意識が戻るまでは有里は学校を欠席する事になる。この件は理事長から月光館学園の教師にも伝わっているが、アルマーにもこの件は教えておいた方がいいと思ってな』
「ああ、助かる。なら、ゆかりと荒垣には俺から知らせた方がいいか?」
『そうしてくれ』

 桐条はそう言うと、有里が入院している病院と部屋の番号を教える。
 いや、ありがたいんだが……一応別勢力になっているってのに、その辺を教えてもいいのか?
 俺達を信用しているというのもあるんだろうが……うん、まぁ、その辺は特に気にしない方がいいか。
 そう判断し、その後10分程桐条と世間話をする。
 どうやら影時間が終わってから有里の件で色々と動いていたらしく、かなり疲れているようだった。
 俺と話している暇があったら、少しでも寝た方がいいと思うんだが……桐条にとって、俺と話すのはいい気分転換になるらしい。
 まぁ、その気持ちは分からないでもない。
 桐条にとって真田はどちらかと言えば部下のようなものだろう。
 その点で考えれば、俺は少なくても1つの勢力を率いている形だ。
 つまり、俺と桐条は同列の相手ということになる。
 ……まぁ、桐条は桐条財閥の一人娘という事で、対外的な信用では戸籍もない俺とは比べものにならないが。
 ともあれ、俺は桐条の世間話という名の気分転換に暫く付き合い、通話を切る。
 そうして時計を見ると、もうすぐ午前7時になるくらいだ。
 何だかんだで、1時間近くも電話してたんだな。
 このまま2度寝してもいいんだが……いや、予想外の驚きで既に俺の中から眠気はすっかりと失せている。
 であれば、無理に2度寝をする必要もないだろうと、俺はそのまま起きる事にするのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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