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ソードアート・オンライン~剣と槍のファンタジア~

作者:白泉
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ソードアート・オンライン~剣の世界~
1章 すべての始まり
  1話 すべての始まり

 
前書き
 どうも、白泉です!いやー、実はもう少し早く投稿できるはずだったのですが・・・使い方がまだわからず、下書きを間違えて消してしまったんですよね…申し訳ないです…。
 

 何はともあれ、いよいよ第一話!この作品の主人公であるオリキャラたちが登場!いったいどんな子たちなのかはお楽しみに!

 前書きはこの辺にして、それではどうぞ! 

 
 現在、一人の少女は、巨大なイノシシと対峙していた。少女は鈍く光る片手剣を持っているのに加え、イノシシの大きさ。どう見ても現実ではない。


「ふっ!」
 少女は軽く息を吐きながら、剣を構える。とその時、驚くべきことに、その剣は白いライトエフェクトをまとった。少女はそのままイノシシと距離を縮め、素早い動きで剣を横に薙ぐ。その剣はイノシシの体を切り裂き、血ではなく、赤いライトエフェクトをまき散らせ、数秒体を硬直させるとその体をポリゴンと化して散らせた。


「ふう」
 少女はそっと息を吐いた。


 そう、ここは現実世界“リアル”ではない。“ソードアート・オンライン”という名の仮想世界の中である。しかしながら、モンスターや、ライトエフェクトなど、仮想的なものを除けば、この世界は驚くほどにリアルに近く、一瞬ここが仮想世界ということを忘れてしまうほどである。それに加え、少女の体も、リアルと同じように、自分が思った通りに忠実に動く。彼女がどのようにこの世界に存在しているかというと、ナーヴギアというヘッドギアを装着しているからだ。この機械は、本来脳から体を動かすために出た電気信号が脊髄に伝わる前にそれを遮断して、この世界のアバターを動かす電気信号に変えているのである。


 このゲームの舞台である浮遊城“アインクラッド”は、全百層の円錐型からなる城である。現在この城には初回限定パックを手に入れることができた一万人のみがこの世界にログインしている。世界でも初めてここまでのクオリティのゲームが配信されるということからすさまじい人気があり、このゲームを手に入れるのは、ログインしてきているほぼ全員が苦労しただろう。


 一人の青年が少女に近づき、その華奢な肩をたたいた。


「もう疲れたか?」

「まだまだだよ。もっとやってもいいくらい」

「だな。…だが、そろそろ来るんじゃないか?●●●●●ボタンがなくなってから結構たつもんな。誰が気付いてもおかしくない」


 しかし、少女と青年は例外である。まったくの苦労もせず、その機械を与えられた。なぜなら…彼らにとってこれは遊びなのではなく、”仕事”なのだから…。



その時、リンゴーン、リンゴーン…という鐘の音が、あたり一帯に響き渡った。その瞬間、少女の視界が青白く光り始め、ホワイトアウトする。目の前にいる青年の姿も見えなくなってしまった。しかし、βテストも経験している2人は知っている。これは、この世界で移動手段としている転移現象だ。だが、これは層を行ったり来たりするのに使うゲートを通ったときや、転移結晶と呼ばれるアイテムを使わない限り、勝手に転移などされない。つまり、自分たちが何の行為もしていないとするなら、それは運営側の強制転移ということになる。


 少女の視界が元に戻り、あたりを見渡すと、そこはゲーム開始時にも来た、“始まりの街”の中央広場で会った。今この瞬間にもあちこちで青白い光が光り、プレイヤーが現れ続けている。この数を見るに、このゲームにログインしているすべてのプレイヤーが集められているようだった。彼らのしゃべっている言葉に耳を傾けてみると、「これでログアウトできるのか?」とか、「用事があるんだから、早く返してくれ」という文が聞き取れる。少女も、すぐ後に少女の隣に転移してきた青年も黙ってその様子を見ているだけだ。


 と、突如「あ…う、上を見ろ!」という声が発せられ、その一声で広場は静寂に包まれた。彼らの視線の先には、[Warning][System Announcement]という血のようなフォントで書かれた文字があった。あちこちから、安堵のため息が漏れる。これで現実に戻れると。しかし、彼らの期待が大きく裏切られることを、彼らはまだ知らない。


 突如彼らの頭上に、鮮血のように赤いマントを羽織った巨大なローブ姿の人が現れた。実際に巨人というものが世界に存在したとしたら、まさにその大きさだ。ただし、フードをすっぽりとかぶっているのだが、本来そこから見える顔というものがなく、その中身は空っぽのように見える。ぼたぼたと袖から落ちる赤いものは、まるで血のりのようで、見るものをぞっとさせた。


「プレイヤーの諸君。私の世界にようこそ」


 声から察するに、そのマントの男の第一声はこれだった。男性にしてはそこまで低くないが、落ち着いた声。


「私の名前は茅場昌彦。今やこの世界をコントロールできるただ一人の人間だ」


 茅場昌彦。その名は、このソードアート・オンラインにログインしているプレイヤーなら全員が知っている名だろう。なぜなら、彼こそがこの世界を作り出した張本人なのだから。ゲームデザイナーで量子物理学者、ナーヴギアの基礎設計者でもあり、若き天才と名高い。現代において、知名度はかなり高い人物だ。しかし、彼は人前に出るのは極端に嫌う性格だ。雑誌のインタビューなどにもほとんど応じず、彼の部下などがよく代理として出されたほどである。


「プレイヤー諸君は、すでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気付いていると思う。しかしゲームの不具合では無い。繰り返す。これは不具合ではなくソードアート・オンライン本来の仕様である」


 周りからどよめきのような声が上がる。が、そんなことは聞こえているのか、ただ無視しているだけなのかはわからないが、アナウンスは続く。


「……また、外部の人間による、ナーヴギアの停止あるいは解除も有り得ない。もしそれが試みられた場合――ナーヴギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが、諸君の脳を破壊し、生命活動を停止させる」


 あたりから、息をのむ音が多数聞こえる。そう。今、茅場昌彦はナーヴギアを外した瞬間、プレイヤーは死ぬといったのだから。


「より具体的には、十分間の外部電源切断、二時間のネットワーク切断、ナーヴギア本体のロック解除または分解または破壊の試み。以上のいずれかの条件によって脳破壊シークエンスが実行される。この条件は、すでに外部世界では当局およびマスコミを通して告知されている。ちなみに現時点で、プレイヤーの家族友人等が警告を無視してナーヴギアの強制除装を試みた例が少なからずあり、その結果」


 茅場はいったんそこで言葉を切る。そして、右手を振り、ウィンドウを呼び出した。一瞬間が空いた後、


「残念ながら、すでに二百十三名のプレイヤーが、アインクラッド及び現実世界からも永久退場している」


 向こうのほうで、か細い悲鳴が上がった。実際に人が死んでいるという言葉を聞いて、現実味を持ったのだろうか。


「諸君が、向こう側に置いてきた肉体の心配をする必要は無い。現在、あらゆるテレビ、ラジオ、ネットメディアはこの状況を、多数の死者が出ていることも含め、繰り返し報道している。諸君のナーヴギアが強引に除装される危険はすでに低くなっていると言ってよかろう。今後、諸君の現実の体は、ナーヴギアを装着したまま二時間の回線切断猶予時間のうちに病院その他の施設へと搬送され、厳重な介護体制のもとに置かれるはずだ。諸君には、安心して……ゲーム攻略に励んでほしい」


「しかし、充分に留意してもらいたい。諸君にとって、ソードアート・オンラインは、すでにただのゲームではない。もう一つの現実と言うべき存在だ。今後、ゲームにおいて、あらゆる蘇生手段は機能しない。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に、諸君らの脳は、ナーヴギアによって破壊される」


 プレイヤーたちの右上に浮かんでいる緑色のHPバーが0になった瞬間、普通のRPGゲームで言うゲームオーバーになった瞬間、ゲームからだけでなく、現実でも永久退場、つまり死ぬということである。


「諸君がこのゲームから解放される条件は、たった一つ。先に述べたとおり、アインクラッド最上部、第100層まで辿り着き、そこに待つ最終ボスを倒してゲームをクリアすればいい。その瞬間、生き残ったプレイヤー全員が安全にログアウトされることを保証しよう」


 正規版のソードアート・オンラインが発売される前、βテスト言うものがあった。抽選で1000人しかゲームできないものだったが、彼らが一か月で登れたのは6層までだった。少女と青年もβテストに参加していたため、そのことはよく知っている。しかも、それはゲームオーバーオーケーで、だ。これが一度もコンティニューできない状態、しかも自身の命がかかっている状態というこの状況では、いったい100層まで極めるためにいったいどれほどの時間がかかるのだろう。


「それでは最後に、諸君にとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。諸君のアイテムストレージに、私からのプレゼントが用意してある。確認してくれたまえ」


「プレゼント…?」


 少女と青年は、このチュートリアルの大方の内容のほとんどは予想で来ていたが、特に何も驚くことはなかった。しかし、この茅場の言葉は意外なものであった。


 全プレイヤーが自分のメニュー画面を開き、アイテムストレージを見た。そこには二文字の漢字。“手鏡”。少女もとにかくそれをオブジェクト化してみる。すると、目の前に四角い手のひらサイズの鏡が現れた。


 少女はその鏡を手に取った。そこには、このゲームが始まるときに自ら作ったアバターの顔がある。正直位置から考えるのは面倒くさい部分もあり、自分の顔に似せているところも多い。


 と、その時、鏡の中の自分が白く光りだした。先ほどの転移の時の青白い光とは違う、真っ白な光だ。しかし、それも数秒のことだった。目を開ければ、また転移されているようなこともなく、先ほどと変わらない始まりの街。…いいや、違う。街自体は一切何も変わっていない。しかし、周りの人々が変わっていたのだ。色とりどりな髪や瞳、顔、体型、背までもすべてが違う。その中には、女性プレイヤーから男性プレイヤーに変わっていたプレーヤーさえいた。恐ろしくなるほどの美男美女の集団が、一瞬にして現実味を帯びた顔をしている。


「え…」


 少女も自分の手の中にある鏡をのぞき込む。長いまつ毛に縁どられた灰茶色の大きな瞳が、自分を見返していた。


「…リア?」


 その声を発した人物のほうを向く。リアルでは毎日顔を合わせる関係であるが、この世界にあってはおかしい顔。そして、その声。


「…ツカサ君?」


 肩につかない程度に切りそろえられた髪に、漆黒の瞳が印象的な、そして完璧なまでに整った顔の美青年。


「…ほんとに現実のまんまだね。何もかも」


 自分の手のひらを興味深そうに眺めながら少女、いや、リアがつぶやいた。


「リアも、な。…それにしても、よくこんなことできたな」


 ツカサも感心したように鏡を見ている。


「ナーヴギアで顔の形は正確に把握できるし、セットアップの時にキャリブレーションで体を触ったときにデータをとったんだと思う」

「なるほどな。…これが茅場の言っていた現実ってことか」

「そうだね。自分のリアルの体で死ぬ可能性のあるリアルの戦いをすること。…確かに現実世界に驚くほど近い」


 プレイヤーたちがある程度リアルの自分の体と同じアバターになったということを確認した後、茅場はアナウンスを続けた。


「諸君は今、なぜ、と思っているのだろう。なぜ私は……SAO及びナーヴギア開発者の茅場晶彦はこんなことをしたのか?これは大規模なテロなのか?あるいは身代金目的の誘拐事件なのか?と。私の目的は、そのどちらでもない。それどころか、今の私は、既に一切の目的も、理由も持たない。なぜなら……この状況こそが、私にとっての最終的な目標だからだ。この世界を創り出し、観賞するためにのみ私はナーヴギアを、SAOを造った。そして今、全ては達成せしめられた。……以上でソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君の健闘を祈る」


 その言葉を最後に、空に浮いていた巨人は残響とともに消え去り、チュートリアル中赤く染まっていた空も、青色に戻る。


 あたりは静寂に包まれた。しかし、それは一瞬にして破られる。


「嘘…だろ、こんなの…嘘だろぉ!?」

「ふざけんなよ、どうなってんだよ!?」

「出してよ!出して、出してえぇぇ!」

 空気が震える。周りのプレイヤーたちが一斉に叫び声をあげた。それもそうだろう、世界初の子の楽園にログインできたと思っていたのはたったの数時間、一瞬にしてこのゲームはデスゲームと化してしまったのだから。


「お仕事開始だね。これはなかなか大変そうだね」

「任せて悪いな、リア」

「この後たっぷり働いてくれるなら許すよ」

 そういってニヤリといたずらっぽく笑うリア。明らかにこの2人だけが浮いている。しかし、そんなことは誰も気にしない。誰もが自分たちの置かれた現状を理解するのに精いっぱいなのだから。

 こうして、世紀を揺るがす大事件は始まりを迎えた。

 そして同時に、命を懸けたデスゲームが幕を開ける。

 
 

 
後書き
 はい、いかがでしたか?いやぁ、フラグ立ちすぎて、すべて回収できるかどうか…いや、ちゃんと回収しろよ!て自分で突っ込んでますw

 いよいよオリキャラ登場!この作品のヒロインはリア、ヒーローはツカサ君です!名前やっと出せてなんか感激してます、ほんとにw容姿のほうも出したかったのですが、あまりライトノベル風の描写にしたくなかったので、あまり出しませんでした。これからちゃんと出していこうと思うので、そこはご安心を!ちなみに、この駄文からなんとなーく読み取ってくださった方がいらっしゃった?かもしれませんが、この作品での主人公はリアのほうです。リアはツカサ君といることがほとんどですので、出番は同じくらいですけどねw
 さて、ここで長文になるのをお許しください。
 今回、この小説ではヒロインが主人公、なおかつヒーローよりも若干強いという設定になっております。(そこまで差はありませんがw)ライトノベル読者の7割が男性ということもあり、男性の保護欲がそそられる、160センチ以下ぐらいで、かよわくて、わがままで、甘えん坊なキャラが好かれる(アスナさんは若干例外ですがw)ということは僕も理解しています。つまり、今回僕がリアを主人公にしたわけは、そんな読者層の中で僕の作り出したリアがどこまで皆さんに受けるか、ということに挑戦したいと思ったからです。(もちろん、受けなかったとしても、僕の文章力、表現力のなさ、テンポの悪さ、かなり一話一話が長文になってしまうこと、そもそも作風が合わないなど、リアのせいではない部分で受けない場合もあるということも重々承知しております。)
 そのような理由から、気に入らない!という方は、星一つの評価をばんばんしてくださってかまいません。僕もそのようなことがあるかもしれないということを踏まえてこの小説を投稿しているので、僕のメンタルを心配なさらなくても大丈夫ですw。なんでもよいのでだめだし、もちろん面白い!と思ってくれる方も、率直な思いをを感想でも、評価でもお願いします!
 

 さあ、はじめということで、いろいろ謎がたくさんです。では、またお会いしましょう!

 
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