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『塗り潰した7日間』

作者:零那
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『永遠のサヨナラ』



確かに此処に在った貴男を私は愛しく想う。偽りだったとしても少し解り合えた様な気になった。其れすら幻というのか...

どうか忘れないで。どうか伝わっていて。取り繕って偽りの姿だったけれど、貴男の為にという想いに偽りは無い事を...。

恐れた事は、殺されることより、殺さなければならない状況に陥った場合だった事。貴男を殺人犯にしてしまう事。其の2つだった。

いつかソッチで逢える日が来たら真っ先に言わせて欲しい。
『苦しい決断を背負わせてしまってごめんなさい』

記憶が戻ってると素直に言ってたなら、どんな今が在ったのだろうか。想像は付かないけれど、きっと望む通りの結果には成らなかっただろう...。

たったの1週間足らず。その殆どは記憶が無かった事によって曖昧な事も多い。それでも誠の存在に助けられた。

なのに貴男のことは助けられなかった...。助けられてばかりの私は誰かを陥れてしまう存在なのだろうか...。

誠は、目覚めて総てを知り、静かに涙を流した。近くに居ながら解らなかった想いが解り、何故何も気付かなかったのか、何故何も言えなかったのか、悔しくて情けないと...。

そんな温かい誠の本質すら最初に見抜いていたのかも知れない...。

何を言っても貴男は応えてくれない。何を聞いても貴男は教えてくれない。

どうして拉致られなきゃいけなかったのか。どうして貴男は死ななきゃいけなかったのか。

どうして...どうして...?

永遠に解らないまま...

まだまだこれから解り合えそうな貴男だった。さよならは信じれなくて、信じたくなくて...。

せめて、永遠の眠りが安らかで在るようにと願うのみ...

さよなら、いつかまた逢える日迄...。

さよなら、いつかまた逢えた日は、今度こそ本当の姿で語り合えたらなぁ...。

さよなら...。


 
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