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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません

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第百二十四話 決死のケーフェンヒラー中佐



連続更新できました。

ケーフェンヒラー中佐は原作のプレスブルク中尉の事です。第七十四話でケーフェンヒラー爺さんの養子になってます。


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第百二十四話 決死のケーフェンヒラー中佐

帝国暦483年8月5日 午前11時

■オーディン  戦艦トレプトウ

戦艦トレプトウに到着した、テレーゼは直ぐさま艦橋へ向かいながら、発艦を命じた。
「直ちに発艦せよ」
テレーゼの言葉に艦橋要員がテキパキと動きトレプトウが湖から離水する。

標準戦艦トレプトウは図らずも、テレーゼ皇女御座艦という栄華を与えられる事に成った。

テレーゼは、艦橋に着くと直ぐさま各地に連絡をし始めた。

最初にケスラーへ連絡を行った。
『殿下、ご無事で何よりでございました。しかしこの度の失態・・』
「よい、ケスラーは良くやってくれている、それよりも状況の説明を」

ケスラーに罪はないとケスラーの謝罪を止めて仕事をさせる事で頑張るようにしてくれる。
テレーゼの行動にケスラーは感謝しながら、報告を行う。

『現在、ノイエ・サンスーシでは、宮中警備隊が各館を死守していますが、宮殿に関しては近衛が入り口を占拠していますが、未だに中へは侵入して居ないようです。更に市内各地でテロと思われる爆発が発生しています』

ケスラーの言葉に母上は無事だとホッとするテレーゼであるが、顔に出さずに冷静さを見せて居る。
「判りました。出来うる限り臣民に被害の出ぬように、ケスラー引き続きお願いします」
『御意』

市内各地のテロ行為は、綱紀粛正で首筋が空寒くなった社会秩序維持局が、ハルテンブルクの内務次官就任に伴い権威を奪われたフレーゲル内務尚書と組んで、攪乱の為に起こした事が判るのは、フレーゲル達が逮捕された後であった。


続いて、ライムバッハーより連絡を受ける為、オフレッサーと共に応対する。
『殿下、ランズベルク少尉より、宮殿内部へ侵入可能となりました。此より侵入を開始致します』
テレーゼは原作知識で地下迷宮かと判ったが敢えて知らぬ振りをする。

「ランズベルク伯爵が何故?」
『はっ、フリードリヒ3世陛下の御代、ランズベルク伯爵の先祖が陛下の命で地下迷宮を作成したとの事でございます。それを使い宮殿内庭のジギズムント一世像台座へと出る事が出来るそうでございます』

オフレッサー達も皆が皆驚く。
「判りました、ライムバッハー、気を付けるのですよ。近衛は未だ宮殿内に入っては居ませんが、他の刺客が居るやも知れません」
『御意』

続いて、ミッターマイヤーとビッテンフェルトに連絡を行う。
『殿下、ご無事で何よりです』
『殿下ー!お怪我もなく』

ミッターマイヤーとビッテンフェルトそれぞれが感激しているが、ビッテンフェルトは五月蠅い声だった。

「心配かけました。オフレッサー達のお陰で、私は無事ですが、ノイエ・サンスーシは近衛が占拠していいます。此でだけで終わるとは思えません。引き続きオーディン上空の防衛をお願いします」
『御意』



帝国暦483年8月5日 午前10時〜11時

■オーディン ノイエ・サンスーシ 

皇帝の危機に何故侍従武官が現れなかったのか、その頃武官室ではケッセリング中将以下の侍従武官6名の内5名が撃たれて倒れていた。即死者も居るが、ケッセリング中将は腹部を撃たれ倒れている。何故こうなったか?

侍従武官の1人、ライヒライトナー准将が皇太子側に付き仲間を次々に撃ったのである。しかしシェーンシュテット少将が自らの体を楯にしながら銃撃を防ぎ、一番下っ端で負傷しながら戦闘可能であったケーフェンヒラー中佐の一撃でライヒライトナー准将を倒す事に成功したのである。

負傷したケーフェンヒラー中佐は直ぐさま外部と連絡を取ろうとしたが、電話も繋がらない状態で有り、扉が固く閉ざされていて、外に出る事も出来ない状態で有った。忸怩たる思いを抱きながら、ケッセリング中将達の応急手当を行い、ブラスターで鍵を焼き切り始めた。

足を引きずりながら外へ出ると、睡眠ガスでも流されたのか、彼方此方に女官達が倒れていた。義父から聞いていた謁見の間の裏部屋へ到着し、ケーフェンヒラー中佐が見たのは、モニターに映る、皇帝陛下と陛下を守るように、仁王立ちするクラーゼン元帥とリヒテンラーデ侯爵、そして銃を突きつけている皇太子と帝国貴族と帝国軍准将の姿であった。

ケーフェンヒラー中佐は、自分を絶望から救ってくださった皇帝陛下、しかし今負傷した自分では陛下のお役にたてないと忸怩たる思いであったが、この事を直ぐさま義父に知らせなければと、秘匿回線が生きていたこの部屋から、憲兵隊へ連絡を行うのであった。

秘匿回線で有る以上直ぐさま、グリンメルスハウゼン上級大将の部屋に連絡が繋がった。回線に出た、グリンメルスハウゼン上級大将の顔は普段のボケーッとしたボケ老人のような風体ではなく、目が光る修羅場をくぐり抜けてきた男の顔であった。

その表情に一瞬驚くケーフェンヒラー中佐だったが、直ぐさまノイエ・サンスーシで起こっている事を連絡した。

「陛下はご無事です。しかし皇太子殿下と貴族と帝国軍准将が銃を持ち陛下を威嚇しています」
『皇太子殿下もじゃと、今日殿下に会っているのは、クロプシュトック侯爵親子だ』
皇太子殿下がクーデターに参加しているとの言葉に、流石のグリンメルスハウゼン上級大将も驚きを隠せない。それでもクロプシュトック侯爵親子の写真をケーフェンヒラー中佐に見せて確認をする。

「貴族は間違えなくその写真の老人ですが、准将が違います」
『となると、刺客だ』
考え込むグリンメルスハウゼン上級大将、その間に義父のケーフェンヒラー大将とケスラー少将が総監室へ駆けつけてきた。

『ヴェルナー、よく頑張った。引き続き情報をおくれ』
ケーフェンヒラー大将も息子の生存に喜びたいが我慢して、任務を続けるように命じる。
「はっ」
義父に色々仕込まれた自分として、義父の気持ちがわかるケーフェンヒラー中佐は負傷を押して見事な敬礼をする。

その後ケスラーより謁見の間の映像を転送できると聞き直ぐさま映像を憲兵隊へと送るのであった。ケーフェンヒラー中佐の活躍で、今回のクーデターが皇太子とクロプシュトックとリューネブルクにより行われた事が判明したのである。

憲兵隊総監部ではグリンメルスハウゼン上級大将、ケーフェンヒラー大将、ケスラー少将が唸っていた。
「まさか皇太子殿下が」
「テレーゼ様暗殺未遂も殿下だったとは」
「テレーゼ様にお伝えしますか?」

「するしか有るまい」
「しかし」
「殿下はお強い方だ、それに教えないわけには行くまい」

結果的に午前11時10分テレーゼに緊急電としてグリンメルスハウゼン上級大将が事の次第を伝える事になった。


帝国暦483年8月5日 午前11時10分

■オーディン  戦艦トレプトウ

低空を進むレトプトウにグリンメルスハウゼン上級大将からの緊急電が入ったとき、今までと違いケスラーでない事にテレーゼは違和感を覚えた。

「グリンメルスハウゼン、如何した?」
『殿下、皇帝陛下のご無事が確認出来ましたが』
その言葉にテレーゼは喜色を見せるが、歯切れの悪い言葉に先があると感じた。

「それで」
『はっ、現在謁見の間において、皇太子殿下、クロプシュトック侯爵、リューネブルク准将が皇帝陛下とリヒテンラーデ侯爵に銃を突きつけている状態です』
「なに、兄上がですか」

テレーゼにしてみれば、兄が何故という感覚であったし、クロプシュトックなら判るが、何故リューネブルクが参加しているのか判らなかった、何故ならクロプシュトックはクレメンス派であり、リューネブルクはリヒャルト派で、仇敵同士ではないかと。

『誠に恐れ多き事なれど、皇太子殿下の御謀反は揺るぎなき事実と相成りました』
此処で、泣き叫んでもしょうがない、帝国を守るためならば、自らの野心のために帝国に仇為す輩は、兄とて容赦しないとテレーゼは心を鬼にして悪魔モード全開と成った。所謂『此が私の全力全壊』である。

「グリンメルスハウゼン、ライムバッハーにもこの事を伝えよ、更にクロプシュトックであれば、艦隊にも更に注意を行え。それと、ラプンツェルを発進させ当艦にランデブーさせよ」
有無を言わさずに連絡せよと命じる姿に皆が皆、テレーゼに宿る偉大なる人物の片鱗を感じさせた。

『御意』

【グリンメルスハウゼン総監との連絡が終わり皆に向き直したテレーゼ皇女殿下の瞳は燃えていた】とは、この時戦艦に同乗していた、後に女性初の装甲擲弾兵総監に就任する、ズザンナ・フォン・ブルームハルト上級大将回想録に残っている話である。

「目標変更、ノイエ・サンスーシ」
その言葉に、オフレッサーもドロイゼンも驚くきの表情をした。

「殿下、一旦オーディン軍事宇宙港に停泊し、其処から地上車でお向かいになった方が」
「いえ、今は一刻を争います、ノイエ・サンスーシの湖に直接降下させます」
「しかし、それでは危険が伴います」

「近衛は対空火器を持っていません、それに事件は一刻を争います」
皆が皆、その言葉に反論できない。
「ラプンツェルとドッキングして当艦が上空援護、ラプンツェルが着水します」

「しかし」
「ラプンツェルならば、並みの戦艦が束になっても敵いませんから」
「確かにそうですが」

「それに、ラプンツェルには、強襲揚陸艇が積んであるわ」
その言葉に、オフレッサーが気がついた。
「つまり小官達が、謁見の間へ強襲揚陸艇で突っ込むと言う訳ですな」

「殿下、無茶です。宮殿が強襲揚陸艇の突入に堪えられません」
ヴィッツレーベン大佐が言うが、テレーゼが制する。
「大丈夫よ、あの部屋はテロを警戒して外壁と内壁間にハイパーカーボンとチタンセラミック複合装甲が為されているのよ、あれならば戦艦の装甲と同じだから、強襲揚陸艇で穴を開けられるし、部屋が崩れる事は無いわ」

その言葉に、艦橋では納得はしてないが、納得せざるをえない状態になった。


その頃、軍事宇宙港では、艦長ドゥンケル大佐がラプンツェルの緊急発進をしてのけていた。
「上空、クリヤー、ハッチ開け!」
テレーゼの為に生まれた彼女がその鋭く光る蒼き体を、悠久の大空へと飛び立たせたのである。

「方位確認、2308」
「微速前進」
主たるテレーゼの元へとラプンツェルが突き進む。

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ラプンツェル発艦シーンはファーストガ○ダムのガン○ムが発艦するシーンのBGMが流れている感覚です。
 
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