| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:ケン009
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

8部 StrikerS
4章 破壊の女神
  地下水道での一戦

 膝枕をしてもらってた最中に全体通信が来てしまった。

「ただ事じゃないみたいだね」

「うん」

 すぐさま俺自身離れたくなかったがやわらかいなのはの膝から頭を離し、
横に座って話を聞いた。

「レリックにそれを持っていた小さい女の子・・・厄介なことになってるねぇ」

 キャロから来た通信を要約すると、休みで街をぶらついていたら路地裏で倒れている小さい女の子を保護。
 その女の子はどうやらレリックを持ち歩いていたようで、それで通信を寄越したようだ。

「女の子は意識不明です…………指示をお願いします」

 一緒にいるエリオの声も聞こえてきた。俺達は通信を聞きながらロビーでフェイトに既に合流帰ってきていたみたいだ。
はやてもそろそろ出てくるだろうな。

「スバル、ティアナ、ごめん、お休みはいったん中断」

「はい!」

「大丈夫です」

「了解」

 通信越しで2人になのははそう告げる。
全くもって神様は空気を読まない。
せっかく休日を堪能していたのに
レリックで幼女・・・話がつながらないなぁ・・・
何かの話が始まったのかなぁ

「救急の手配はこっちでする。二人は女の子とレリックを保護、応急手当をしてあげて」

「「はい!」」

 エリオとキャロにはフェイトがそう指示する。

「全員待機状態、席をはずしてる子は戻ってな。
安全確実に保護するで………レリックもその女の子も………!」

 はやてもそう通信で全員に告げる。
俺は通信モニター越しに見えるエリオが抱えてあげている件女の子を見る。
助けてあげるよ

 ヘリに乗り込み、編成されたメンバーはまずは少女とレリックの元へ向かう。
 メンバーは俺になのはにフェイト、現場指揮でリィン、救急医でシャマルさん。パイロットのヴァイスもだ。

「綾ちゃん」

「ん?どうした八神司令」

 真剣なまなざしではやてがTV通信を送ってきた。

「恐らくスリエッティのガジェット達と戦闘が見込まれるんやけど・・・無駄かもしれへんけれど、あまり手の内は」

「大丈夫、私の権限ははやてにあるでしょ。それに」

「なんや」

「頼りになる部隊長もいるし、なのはが鍛えたフォワード陣もいるから大丈夫」

 俺はなのはとフェイトの顔を見たら二人とも手をグーにして小さくガッツポーズで通信モニターの方に向いていた

「ん、そうやな、頼むなぁ」

「「了解」」」

 プツンと通信が切られた。
はやての女の感かねぇ何か厄介ごとじゃなけりゃいいんだけど
そのままヘリで既に集合していたFW5人と合流。まずはシャマルさんが気絶している少女の容態を診る。

「………………バイタルは安定してるし、危険な反応もないわ。大丈夫よ」

「はぁー」

「よかったー」

 ほっと胸を撫で下ろす面々。まずは一安心だが、まずはここからだ。

「ケースと女の子はこのままヘリで搬送するから、皆はこっちで現場調査をお願いね」

「休みの最中だったけど、私も含めて気持ちをチェンジしてさっさと終わらせましょう。今のみんなならきっと大丈夫だから、でも気を抜かずにね」

「「「「はい!!」」」」

 なのはがそう指示し、俺は激励をする。いまのFW陣なら大丈夫でしょ。最悪な状態になっても俺もいるし

「それじゃあなのはちゃん、この子をヘリまで抱いてってくれる?」

 医療器具を片付けてシャマルさんがなのはにそう頼む。なのはも頷いて女の子を抱き上げる。見たところ4、5歳くらいの女の子で背中にかかるくらい長い金髪が印象的だ。

「こんな小さい子がどうして………」

 フェイトが思わずそう口をこぼす。

「さぁ、とにかく私達でこの子を安全に六課まで連れていく必ずね」

「だね」

 俺は少し観察。
その女の子は体中ボロボロだった、どうやら長い距離を歩いていたようだ。腕には鎖でケースとつなげられている。一体誰がこんな小さな子にこんなことをしたんだ。
少しだけむかついていたこんな幼女がこんな仕打ちを受けて

「安心してね、私が絶対に守るから」

 なのはに抱かれているその女の子を撫でながら俺はそう呟く。
なぜこんな風に感じたのかは少しだけ不明なんだけどね
とにかく急がないと。急ぎ足でヘリに向かう。その途中また通信が入ってきた。

「っ!来ました!ガジェットです!」

 オペレーターのシャーリィからの通信だった。

「地下から数機ずつのグループで16…………20です!海上方面から12機単位が5グループ!……………っ!その逆方向からは12機体が3グループです!」


「こりゃまた多いなぁ……」

 はやてがそう言葉をこぼす。確かに多い、今までならもう少し小規模で来ていたはずだ、俺も参戦しないといけないだろうな。どうやら連中にとって重要な代物のようだし…………それはレリックなのか……それともあの女の子か……。

「スターズ2からロングアーチへ………こちらスターズ2!」

 ヴィータの声が聞こえてきた。あれ?そういやヴィータいなかったなぁ?

「海上演習中だったんだけどナカジマ三佐が許可をくれた。今現場に向かってる、それからもう一人………」


「108部隊、ギンガ・ナカジマです」

 あぁあのおませな子か

「別件捜査の途中だったのですが、そちら件と関係がありそうなんです。参加してもよろしいでしょうか?」

「うん、お願いや。ほんならヴィータはリィンと合流、海上の南西方向のガジェットをお願いや」

「はいです!南西方向了解です!」

「なのは隊長とフェイト隊長は北西部から」
「「了解!」」

「綾ちゃんはフォワードたちとお願いや」

「了解!」

「ヘリの方はヴァイス君とシャマルに任せてええか?」

「任せくだせぇ」

「しっかり守ります」

 本当ははやてもヘリの護衛にもっと人員を割きたいだろうけどな・・・敵の数が多すぎる。仕方ないだろう。シャマルは後方回復専門だからなぁ
こんな時ザフィーラがいてくれたら助かるが、まぁ良い・・・

「ギンガはそこから地下でFW5人と合流、後々別件のことも聞かせてな?」

「はい!」

 これで全員の指示は終わりだ。なら………。

「よし、各々指示は受けたね?こっからは防衛戦!じゃFW陣よろしくね」

「「「「はい!」」」」


 既にFW5人はセットアップして地下に潜入していった。なのはフェイトはヘリポートに残りヘリは既に出発していった。

「FWの皆、ちょっと頼れる感じになってきた?」

 フェイトが自身の相棒であるバルディッシュを取り出しながらそう口を開く。

「あはは、もっと頼れるようになってもらわなきゃ・・・」

 なのはも同様、レイジングハートを手に乗せながらそう返答する。

「「セットアップ」」

「変身」

 辺りがなのは達の魔力光に包まれる。それが消え失せるとバリアジャケットを身を包み、各々姿を変えた相棒を手に取っていた。



「ライトニング1、スターズ1、共に2グループ目撃破です!」

 六課司令室ではオペレーターがはやてにそれぞれの状況の報告をしていた。

「スターズ2、リィン曹長は1グループ目を撃破!順調です」

「うん、この調子で行けば問題はあらへんなぁ」

 少し安心するはやて。とりあえずはこのまま順調に進むことを祈るばかりだ。が、それはすぐに打ち砕かれることになる。

「っ!?これは………ガジェット反応増大!?」

「なんだ、これは!」

 モニターを見たオペレーターとグリフィスが驚愕の声をあげる。それもそのはずだ、さっきまで順調数を減らしていたガジェットが一瞬にして各々のグループの何倍にも数が膨れ上がっている反応を示したのだ。

「波形チェック!誤認じゃないの!?」

 シャーリィがキーボードを叩き確認するが機械の誤差ではない。

「こちらスターズ1、ライトニング1と共にこっちも目視で確認したよ。
敵の援軍て考えるのが妥当かな」

 なのはからのその通信で事実であることが決まる。


「…………グリフィス君」

 はやては自身が座っていた椅子から立ち上がり、そう呟く。

「…………はい、わかりました」

 グリフィスはそんなはやてを見てはやてがどうしたいのか伝わった。そしていま起動六課の部隊長、八神はやては部隊長としての上司の顔から一人の魔導師としての戦士の顔に変わっていた。

「シュート!」

 なのはが放った桜色の無数の魔力弾がガジェット達を破壊していく。
そのなかの3割ほどはただすり抜けただけだった。
幻影と実機の判別がつかない今の状況ではなのはも、
がむしゃらに攻撃するほかなかった。
しかし、敵の数もちゃくちゃくと増えていく状況の中これではじり貧。
なのはが展開したバリアにフェイトと背中合わせで入り、敵の攻撃に耐えながらこの先どう闘うか模索することにした。

「防衛ラインを割られない自信はあるけど………これじゃあキリがないね」

「ここまで派手な引き付けをするってことは……………」

「地下か、ヘリの方に敵の主力が向かってる……」

 なのはとフェイトはそう推測した。

「なのは、私が残ってここを抑えるから……ヴィータといっしょに地下とヘリに!」

「フェイトちゃん?」

「コンビでも普通に空戦してたんじゃ時間がかかりすぎる………限定解除すれば広域殲滅で落とせる!」

 その言葉とともにモニターに写っていたのははやてだ。しかし、いつもの部隊長服ではなくバリアジャケットである騎士甲冑に身を包んだ状態だ。
 
「ロングアーチからライトニング1へ、限定解除も、部隊長権限で却下します」

「はやてっそこまでの問題だね!」

「はやてちゃん?なんで騎士甲冑!?」

 なのは達は、その格好を目にするのは中々ない。
本人は立場ある地位でずっと書類作業ばかりしてるがはやてもいっぱしのエースと言われる魔法使いだ。

「嫌な予感がするんや、クロノ君から私の限定解除許可を貰うことにした。
空の掃除は私がやるよ」

 はやての限定解除許可権限をもっているのは六課の後見人であるクロノと騎士カリムだ。今日クロノはカリムに会いに行くと言っていたし今ごろ二人で戦況を見ているんだろう。

「ちゅーことで、なのはちゃんフェイトちゃんはヘリの護衛………ヴィータとリィンはFW陣と合流、ケースの確保を手伝ってな」

 いつの間にか通信が繋がってたヴィータとリィンにも指示が下され各々了解と返事をする。

「よし……………久しぶりの遠距離広域魔法………いってみよか!」

 雲の上まで上昇しそこで滞空している、はやてがそう口ずさむ。右手には杖を、左手には魔導書を携えて足元に白い魔方陣を浮かびあがらせる!

「来よ、白銀の風…………天よりそそぐ矢羽となれ!」

 高く掲げたその杖から放出されようとする超遠距離魔法。それは魔力弾というのは生易しい白い魔力の塊、砲撃とも取れるし魔力弾とも取れる、そしてそれは幻影ごとガジェットを包み、塵と化す!

「フレースヴェルグ!」

 そしてそれは打ち出され、敵によって産み出された幻影と機械の塊達は次々とそれに包まれていく。


 地下水路に突入し、五人で通路を走る。通路の真ん中を下水が流れ、綾達はその両端にある足場を全力疾走。
下水道は閉鎖空間。
当然だけどここでの呪文は結構使いづらい。
体術中心で行くべきかな
俺はFW達を見ながら走ってそう考えてた。
制御されてるとはいえ、なのは程度のものが来ても結構平気だと自負はしている。
使える魔法・・・・・・砲撃は少なくとも通路内ここでは当然アウト。いくらなんでも狭過ぎる。
俺はすぐさま前を走りだし力ある言葉を発した。

「魔法の(マジックミサイル)

 俺は一本の魔法の矢を作り出し、すぐそこの曲がり角を回ったところに飛ばした。
そして、それからすぐに僕もそこに足をつける。視線を向けると、曲がり角の先におにぎり型のガジェットがうじゃうじゃ。
そこから出てこようとした、先頭のガジェットを戦士奥義の斧重(ふがさね)で一刀両断。
ガジェットは真っ二つになるけど、気にせずに上に 跳ぶ。
跳んで、襲い来る熱光線を避ける。そのまま着地して、一体をガジェットに手を触れて感電させる。
魔法使い呪文ショッキング・グラスプ(雷撃)
手に電撃を纏い攻撃させる呪文だ。

そこからまた跳ぶ。通路の壁を蹴って、残り四体の背後に一気に回りこむ。
同じ要領で敵を撃破
通路に出てみんなと合流。

「綾何勝手に!」

ん~手っ取り早いからやったんだけど・・・・駄目だったのかな?

「なにいきなり戦闘行動っ!? 隊列守りなさいっ!!」

「そうですよっ! 何かあったらどうするんですかっ!!」

「問題なし。手っ取り早くしたかったの!」

 現場リーダーはティアナでも命令なんて聞いてられない。
どうも俺はパーティプレイには成れてない感じだし嫌な感覚がする。

「不意打ちしそうなのは私が落とすから、ティアは残りの方をお願い。私はリベロっていう事で」

「はぁ~。そういう事は行う前に言いなさい。危ないと判断したら」

「無理しない、ティアの命令は守るわ」

「許可します」

 そして、また踏み込む。前方には、ガジェットの群れ。
手に電撃を纏いながら体術で近づき落としていく。
これが俺が考えた省エネの戦い方
機械だから雷撃が有効でしょ
ほんの3分やそこらで、12体ほど居たガジェットは苦も無く掃除出来た。

「あ、あははは・・・・・・。私の出番全くなし?」

「綾さん、無茶苦茶です」

「あの人は遊撃隊の方が似合ってるからね。」

 水路を走りながら・・・・・・言いながらティアナ自身考えていた。
やっぱりこの人は別格だと

「それで、そろそろ聞かせてくれへんかギンガ………」

 前方のモニターに映るのは、ギンガの顔。
全体通信は未だ繋がれていてはやてのそんな言葉が耳に入る。
先ほどギンガが言っていた別件捜査のことを聞いているのはすぐに分かった。俺はガジェットどもを壊しながら会話に耳を傾けることにした。

「はい、私が呼ばれた事故現場であったのは…………ガジェットの残骸と壊れた生体ポットなんです」

「生体ポット?」

 その言葉に俺は過敏に反応する。嫌なキーワードが飛んできたなぁ

「はい、ちょうど5、6歳の子供が入るくらいの……」

 完全に今保護した子ぐらいの生態ポットねぇ


「そして、私は最近起きた事件で、これと非常によく似た物を見ています。・・・・・・恐らくですが」

「ギンガそこまでっ!!」

突然声が上がった。出てきたガジェット魔法で砲撃しながら、前進しながら声を上げる。
周囲は行き成りの大声に驚いてはいたものの
また甘いこと言うと思われるんだろうなぁ

「あ、綾さんどうなさったのですか?」

「どうしたもこうしたもじゃない。 この通信、ヘリにも言っているんでしょ」

 画面のギンガが、ハッとした顔になった。

「そやな。ヘリの方は、画面は閉じといてくれんか?」

 全体通信のためのチャンネルを使ってるから、当然、部隊員であるシャマルやヴァイスが聞いていないわけがない。
大方あの子がタイミング悪くて目を覚ましちゃって聞こえたら可哀想だと感じた綾はギンガを止めた。

 何時かは知らないといけないのに問題を先延ばしにしているとしか考えられないなぁっと綾自身そう思っていた。

「はい、分かりました」

そして数瞬後、会話は再開された。

「でなギンガ、偶然にもうち、全く同じもんを見てるんよ。人造魔導師計画の、素体培養器」

「はい。問題の子は恐らく人造魔導師の素体として、生み出されたのではないでしょうか?」

「あの、人造魔導師って・・・・・・」

 キャロが走りながら、疑問顔で聞いてきた。どうやら、マジで分からないらしい。
普通は教えない話だしね
学校行ったぐらいじゃ聞かない言葉でしょうね

「クローン技術とかを使って、人工的に生み出された子どもに、投薬や機械部品を埋め込んだりするの。
そうして、後天的に強い魔力を持たせる技術を、人造魔導師って言うんだ」

 スバルが話し出した。少しだけつらそうに話していたけれどまぁいいや

「ただね、今の技術だとどうやっても無理が生じるし、コストもかかる。
普通は頭のイカレた連中しか手を出さないような行為なんだけど」

 ティアがすぐさまフォローを入れるあたり熟年カップルかとおもうぐらい

「でも、そんな子がどうしてレリックを持ってたりしてたんでしょう」

「さぁね。まぁ、そこはいいでしょ。とりあえず、私達は私達の仕事をするわよ」

「了解っ!!」

 説明に良いね解説者ぶりなFW陣
俺達の行く手を阻み、立ちはだかるのはガジェット。どう考えてもお邪魔虫。なので、疲れない程度に叩き潰す。
当然のように俺だけで対処はしていない。一番手で突っ込んだけど、さっきよりも勢いを落としてる。
またティアナに言われるのは癪だから

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

エリオが飛び込み槍を振るう。スバルがナックルを使いガジェットを殴り飛ばす。
それだけじゃなく、ティアナも射撃でガジェットを撃ち抜く。
個人戦じゃなく完全にチーム戦が合うFW陣だと俺自身思う。
オープンにしている全体通信に耳を傾けながら、ガジェットを一掃する。
警戒を緩めず、隊長たちの方の敵の増援を見て足止めだなぁ
本命はこっちかあっちかどっちだろう。
だけど

「完全になめられてるわね」

「綾、言いたいことはわかるわ」

「どういうことなの?ティア、綾」

「ぶっちゃけ、海上のは捨て駒。次元世界でもトップクラスの隊長陣を止めるための生贄。
後は前線経験はない子供とポイの出の女3人どうにでもなると思ってるんじゃないの」

 FW陣は俺以外陸戦ということは自動的に空戦は隊長陣しかいなくなる。
当たり前の戦略だね
ぶっちゃけ俺が一人残って隊長陣でヘリとこちらに分けた方が良かったかも
判断ミスしたかも

「だとしたら、許せないよね。いくらなんでも私達のことバカにし過ぎだよ」

「それが間違いだったって、教えてあげなくちゃいけませんね」

「そうだよ、がんばらなきゃ」

 弱点を突くのはのは当たり前なのになぜか俺は、
ここが現場だと信じられない感じがしてきた。
なんかの劇に参加させられてる気分
俺達のすぐ近くの通路の壁が、爆発した。
で、当然のようにそっちを見る。
援軍1到着って所かな


「ごめんみんな、お待たせ」

 爆煙の中から現れたのは、青くて長い髪をなびかせた一人の女性。
その人は、俺達を見ながら微笑むのである。

「ギンガさんっ!!」
「ギン姉っ!!」

ギンガ・ナカジマ・・・・・・スバルのお姉さんが到着。

「二人とも久しぶり。・・・・・・まぁ、挨拶は後かな。急いで一緒にケースを探しましょう?
ここまでのガジェットは、ほとんど叩いてきたと思うから」

「うんっ!!」

「はいっ!!」

 エリオとキャロの二人がギンガさんをジッと見る。
それに対して、ギンガさんはニッコリと安心させるように笑いかける。
二人は、敬礼で答えた。
ギンガを加えて6人PT(+一匹)となった俺達は、地下水路を進む。
俺は相変わらずガジェットを雷撃攻撃でショートさせながら進んでいた、
一端バック転をしながら後ろから来たガジェットを撃破しているときに
初めの進路方向からレイダーストラップおなじみの大玉がこちらに流れ込んできた。
あれもガジェットらしい

「スバル一撃で行ける」

「決める」

「ついてきて」

「うん」

 ガジェットの攻撃はギンガの三角形の魔法の盾
トライシールドで受けつつ敵に接近をしてストレートのパンチでガジェットの動きを止めて
スバルがジャンプをしてスバル版ディバインバスターで追い打ち
何時からディバインバスターって打撃技になったんだろう?
エリオは槍で攻撃スピードを生かした攻撃だがいつも思う
槍って邪魔じゃない?
キャロはフリードに命令で口から火炎を放射って結構広いから大丈夫みたい
そんなこんなでようやくレリックの推定位置近辺まで来た。
たどり着いたのは、今までのような通路ではなく、大きな広間。
RPG的にもなにかありそうだね
凄く嫌な予感がする
事態が動いた。キャロが両手にあの見覚えのあるケースを持って、
声を上げた。

「ありましたー!!」

 その瞬間だった。・・・・・・音が響く。
何かを叩くような音。そして、その音がする間隔が、どんどん短くなる。

「・・・・・・なによ、この音」

「さ、さぁ・・・・・・」

 音が途切れる。その瞬間、キャロに向かって飛び込む風があった。

 バンっ!……バンっ!
音は徐々にこちらに近づいてくる。
しかし、視界には特に怪しいものは見えない。
だが確実に何かが近づいてきているのは確かだった。
そして全員がそれに警戒をする前に、先に音の主は仕掛けた。

 ドォン!!

「っ!?キャロ!」

 突如ケースを持っていたキャロに黒い魔力弾のようなものが襲いかかる。
それを放った人物の姿は見えなかった。
その衝撃でキャロは吹き飛び、ケースを手放してしまう。
一応俺自身は見えてはいるが、周囲はみえて無いだろう

「てやぁぁ!!」
 
 FWもただ黙ってはいなかった。
いち早く異変を察知したエリオがその魔力弾の発射元をストラーダの槍を降り下ろす!

 ガキン!

 何もないはずの場所に降り下ろされた槍に確かな衝撃をエリオは感じた。
そう、姿は見えなくとも敵はそこにいる!
エリオは一旦距離をとりキャロのそばに移動する。

 プシュ

「ぐっ!」

 すると突然、エリオの頬から血が吹き出してきた。
軽く切れている、いつの間にかやられていたようだ。

「エリオくん!」

 キャロが心配そうに叫んだがエリオは怯まずにストラーダを構える。

「……………………」

 すると、エリオ達に立ちはだかるように黒い人型の何かが姿を表していた。少なくとも人間には見えない、誰かの使い魔だろうか?
魔力弾で仕掛けてきたのも恐らくこいつだ。
透明化の魔法でもあるのかとエリオは分析する。

「あっ!」

 その黒い使い魔に気をとられているうちに落としたケースを何者かに拾われてしまう。
それに気付いたキャロは慌てて取り戻そうとする。

「…………じゃま」

 そのケースを奪ったのはキャロとそれほど変わらない背丈の少女だった。
少女は手を前にかざし近づいてくるキャロを強力な魔力砲で吹き飛ばす。

「っ!キャアアアアア!!」

「キャロ!うわあぁぁ!」

 慌てて障壁を展開したがいとも簡単破壊され後ろにいたエリオを巻き込んで二人共々吹っ飛ばされる。

「っ」

 そしてそのまま黒い使い魔が追撃を掛けようと動き出す。

「うおおお!!」

 スバルは、黒い使い魔に向かって助走をつけた蹴りをお見舞いする。

「………っ」

 しかし、黒い使い魔の反応速度は早かった。
体を全体を横にし、蹴りをかわす。

「はあああああ!!」

 すかさずギンガが使い魔の後ろに回り込み拳をお見舞いする。

「っ!」

 すんでのガードだったのだがダメージが受けていな居ような感じでただ吹き飛ばしただけだった。
だがその隙をつき、ケースを持って立ち去ろうとする少女にティアナが銃を突き付け言葉をぶつけた。

「ごめんね、乱暴で………でもそれ、ホントに危ないもんなんだよ………こっちに渡してくれる?」

 少女はそこで顔をしかめた。このまま無理矢理押しとおるのは危険だ。
かといってレリックをみすみすとられるわけにもいかなかった。
実質お手上げ状態だ。

「ルールー!目ぇ閉じてろ!」

 瞬間、そんな叫びともに轟音と閃光が地下を包んだ。攻撃ではなく完全に目眩ましを想定した魔法。FWメンバーとギンガはたちまち目と耳を塞いでしまう。

「くっ」

 その隙に少女はティアナからさらに距離をとり安全圏を確保する。
黒い使い魔も少女のそばによりかばうように前に立つ。

「たくもー、あたしたちに黙っては勝手に出掛けちゃったりするからだぞ………ルールーもガリュウも」

 先程と同じ声のトーンでそう口を開く人物が一人。髪は赤く、背中に小さい翼のようなものを生やしていた。さらには、ツヴァイと同じような背丈だった。全長わずか30センチほどだろうか。

「アギト・・・」

 ツヴァイと同じか
言うことはロードがそこかにいるってことかこいつではないなぁ
俺はというと様子を見ながら戦っている。
これも俺の任務の一つ
なるべく手を貸さない。
危なくなった時に手を貸すこと・・・

「おう、ホントに心配したんだからな~」

 アギトは少女の前で浮遊してそう言葉を紡ぐ。

「けどもう大丈夫だぞルールー、なにしろこのアギトさまが来たからな!」

 アギトが一人で盛り上がっているうちにギンガたちは体勢を立て直し、
少女達に対峙していた。が、それに構わずアギトは言葉を続ける。

「おらおら!お前らまとめて、かかってこいやぁ!」

 アギトの咆哮と共に魔力で作られた複数の火炎魔法が繰り出される。
FWとギンガ、少女達の地下の攻防はさらに激しさを増していた。そして、アギトの出現により、FWとギンガ達は苦戦を強いられていた。

「くっ!」

 5人は炎から逃れるべく地下の柱に一旦隠れる。
衝撃は大きく、当たっていたらひとたまりもなかっただろう。
俺はというと一応柱に隠れているが炎の耐性呪文(ファイアレジスト)により平然としていた。

「ティア、どうする?」

 隠れて様子を見ながらスバルが声を抑えてそう口を開く。

「任務はあくまでケースの確保よ、撤退しながら引き付ける」

 冷静にティアナがそう告げる。
確かに、ケースさえ確保できればいいのだ。敵を倒すのが目的ではない。

「こっちに向かってるヴィータ副隊長とリィン曹長にうまく合流できればあいつらを止められるかも………だよね?」

「そ、なんとか合流しないと」

≪よし、中々いいぞスバルにティアナ≫

 すると、突然6人全員に頭に直接声が響き渡ってきた。念話だ。

≪ヴィータ副隊長!≫

≪私も一緒です、二人ともうまく状況を読んだナイス判断ですよ≫

 あとからツヴァイの声も聞こえてくる。二人は既にもう地下にたどり着いていたのだ。場所はもう…………。

「っ!?ルールーまずい!真上からデケェ魔力反応が!」

 アギトがすぐさまが気付いたが遅かった。

「っ!」

 ドゴォン!!

 突如天井が突き破れ、轟音が鳴り響く。その土煙からゆらりと現れたのはヴィータとツヴァイ。ヴィータのアイゼンならば天井を破るくらいそれくらい容易である。
いつ見てもネタでしかないよね
幼女の姿でハンマー振り回して破壊だもの
ギャグでしかないけれど・・・。本人の前では言わないけれどね

「ふっとべぇぇぇ!!」

 そのままヴィータがハンマーを振りかざす。捉えたのはガリュウと呼ばれる幼女の使い魔だ。

「っ!?」

 ガリュウはそれをまともに受けて、地面や壁に打ち付けられながら言葉通り吹っ飛ばされる。
相変わらずえげつないなぁと思う
光にならないだけましなのかな?

「捕らえよ!凍てつく足枷!」

 続けてリィンが少女とアギトに向かって手をかざし魔力を込める。

「フリーレンフェッセルン!」

 その言葉と同時に少女の足下に白い魔法陣が出現する。

「ルールー!避けろ!」

「っ!」

 幼女とアギトを捕らえるための氷結のバインド。
幼女とアギトはそれを慌ててかわそうとしたがかわし切れなかった。
良い絡め手だと思う。
これでチェックか、俺が本格的に出る必要は無くなったな

「くっ…………」

「ルールー!」

 少女は抜け出そうとするがそう簡単には抜けれなかった

「そこまでだぜ…………おとなしく捕まってもらうぞ」

「副隊長やっぱり強い」

 ヴィータがハンマーを突き付けそう口を開く。物陰に隠れていた5人も表に出て、ヴィータの後ろに控えていた。

「くそっ……」

 アギトはそう悪態をついた。今の状況はアギト自身チェックメイトだということを感じていた。
少女は応戦体制のままだった。ただ無抵抗で捕まるのは論外だ、魔法は何とか使えないことはない。

「……………なら力ずくだ」

 ここら辺が管理局員の限度かも
非殺傷だから運が良ければ逃げ出せる可能性がある。
ヴィータの攻撃に耐えられるとは思わないが・・・

「アギト…………逃げて」

「バカ!ルールーを置いてけるかよ!」

「どっちも逃がすつもりはねぇぞ!」

 ヴィータが構えていたハンマーをを振りかざした。まずは少女だ、アギトがそれを防ごうと少女の前に魔力障壁を展開するが、

 パキン!
いとも簡単に崩される。

「くっ、ルールー!」

「っ!」

 ドォン!


 衝撃、ヴィータのハンマーによるものだ。
しかし、ヴィータのハンマーは少女には届かなかった。

「なに!?」

 手応えはあった。当たったが少女は先程と変わらずピンピンしていた。
何に当たった?何によって阻まれた?
俺は見ていた直撃する瞬間少女の周囲に三角錐のバリアが張られたことを
フィンファンネルか・・・

「っ!?」

「汐」

「・・・助けに来た・・・あとは挨拶に」

「汐、おまえか・・・」

 ヴィータ自身少しだけ聞いたことがあった。
それは夜間警護でたまたま綾と同じ当番だった時だ

「そう言えばよ綾」

「なに?」

「おめえ負けたことねえだろ」

「結構負けてるよ。恭也さん達やテリーとか」

「ちげーよ、すべてを使って負けたことだよ」

「ヴィータも知ってるじゃんなのはには負けてるよ」

「ありゃ惚れた弱みだろうが」

「ん~そっかな・・・」

 こいつ話す来ねえなとヴィータ自身思っていたのだが不意に教えてくれた。

「FW陣には話したからまぁいっか。約10年前になるんだけど」 

「おぉぅ」

「負けてはないけれどあの時のすべてを使って瀕死まで言った人物なら一人だけいたよ。結果は引き分けだよね。お互い生死がわかってなかったから」

「お前がか?」

「うん、これが証拠の映像」

「おいおいおめぇ良く生きてたよな」

「悪運は強いから」

「おめえがこうして生きてるってことは」

「ん~さっきも言ったけどね。生死は不明かな一応ゼロの弟子である翠子汐ってのがあいさつには来たけれど・・・」

「どうした」

「あれから何にもないなって」

「怖気づいたんじゃね~のか」

「馬鹿な復讐はやめて欲しいけれどね、もしエンカウントするのなら・・・」

 少しだけ助言をもらったな

「鉄槌の騎士ヴィータ、焦らないで」

「おめぇあたしの名前を」

「情報は生もの、そこの後ろの4人は知らないけれど、」

「なるほどねぇ」

「ヴィータ副隊長」

 スバル自身汐に攻撃を開始しようとした瞬間

「ストップ」

 俺自身スバルに停止の大声を発した。気づけこの馬鹿

「オールレンジ攻撃で潰されるぞ」

 そう言った瞬間スバルの動きが止まった。

「流石・・・あの人の・・・今日の任務はあなたと戦いに来たわけじゃない。この子たちを保護しに来ただけでも・・・来るなら落とします」

 そう言いながら汐はヴィータの前方にファンネルのビームを当てる。
すぐさまヴィータは後ろにステップし闇から距離を取った。

「借りを作ったな」

「気にしないで・・・ルーテイシア転移お願いできる」

「私が探しているレリックかも」

「まだチャンスはあります。ここで戦うとなると生き埋めになってしまいますから」

 じっとルーテイシアと言われた女の子は汐の方を見つめる

「わかった。」

 少女は頷くと、魔力を高めて魔法陣で包みこんだ。

「今度は私が行きます。それまでは元気でいてくださいね。綾さんと皆さん」


 地下全体が震えだした。

「っ!?な、なに?地震?」

 地下が地響きにより、ボロボロと瓦礫が崩れ始めた。周りは崩壊を始め、地響きはさらに大きくなる。

「大型召喚魔法の気配があります………多分それで………」

 キャロがそう口を開く、天地爆烈(メガデス)級攻撃かな

「スバル!」

「はい!……………ウィングロード!」

 その叫びと同時にスバルが拳を地面にあてがうと青色のウィングロードがヴィータが穴を開けた天井から地上へと繋がっていく。

「ギンガとスバルが先行して行け!アタシとリィンは後から飛んでいく!」

「「はい!」」

 指示通り二人はローラーブーツを生かしてすいすいと登っていった。続いてエリオが登っていく。

「キャロ、レリックの封印処理………お願いできる?」

「あ、はい……やれます」

 ウィングロードを使って地上を目指す前にティアナがそうキャロに声をかける。

「ちょっと考えがあるんだ、お願いね」

「はい!」

 そう言葉を交わして、二人も地上を目指してウィングロードを駆け出していった。全員が地上を目指したことを確認して、ヴィータとリィンも跳んで地上を目指すのだった。


「っ!?」

 突如、ジライオウの足元にピンクの魔法陣が浮かび上がる、そこからピンクの魔力光で構成された鎖………チェーンバインドがジライオウの動きを止めさせた。

「あれは!」

 そのバインドの魔力源を辿ると少し離れた所に魔法陣を展開したキャロがいたのだ。

「あいつら、もう出てきたのかよ!」

 アギトがそう苦しそうに叫ぶ、キャロの背後からは左右からウィングロードを展開しながらギンガとスバルが、中央からヴィータが飛んで迫ってきていた。

「そこ!」

 パアン!
そしてさらに横からティアナの射撃が迫る。

「くっ!」

 アギトと少女はすぐさま反応して交わす。ティアナに接近を許したことにより退路が限られてしまった。体制を立て直すべく二人は橋型の道路に着地する。
それはヴィータ達の思う壺だった。

「ここまでです!」

「っ!?」

「ちっ!」

 そこにリィンとエリオが待ち受けていた、リィンの魔力刃でアギトは囲まれ、少女はエリオにストラーダを突きつけられる。
動きを止めた二人の隙をリィンは見逃さず、バインドで拘束する。完全にアギトと少女は捕まる形になった。

「子供いじめてるみてぇであまりいい気分はしねぇが…………」

 そこにヴィータがいち早く降り立ち口を開く。

「市街地での危険魔法使用に公務執行妨害、その他諸々で逮捕する」

 こうして二人は拘束される。ヴィータ達が地上に出た時にはすでに汐の姿はなく、それをチャンスとばかりにあらかじめ立てておいた作戦が効をさしたのだった。
俺はと言えば汐が出てきた時の遊撃隊として準備のみで終わった。
あの召喚獣どう見てもGという生き物そっくり倒したかったなぁ
言うわけでこちらは安心だと判断をして、グリフィスに座標を聞き瞬間移動で気配を消して、へりのほうに飛んだ。

「逮捕はいいけど、大事なヘリを放っておいていいの?」

 一方ヴィータ達は捕まえた少女に情報を引き出そうとしていた。
頑なに口を閉ざしていた少女がいきなりそう口を開く。
これは様子を見ていた仲間の策略だった。
ヴィータ達の動揺を誘うため、仲間が少女に自分の言葉を復唱させているに過ぎなかった。効果覿面で、全員それを聞いて驚きを隠せなかった。そしてさらに仲間は少女にさらに言葉を紡がせた。

「あなたはまた…………守れないかもね」

「っ!?」

 これは少女の目の前にいたヴィータに向けた言葉だった。
それを言われたヴィータの頭の中に浮かんだのは、あの雪の日の出来事なのはが落ちたあの雪の場面
そして・・・光が発射された。

ドオオオン!!

 無慈悲にも砲撃が直撃した爆発音が辺りに響き渡った………。


「砲撃・・・ヘリに直撃?・・・そんなはずない!ちゃんと調べて!」

 指令室ではシャーリィの声が響き渡る。

「ジャミングがひどい・・・状況掴めません!」

 オペレーターもジャミングの影響で誰もヘリの状況を掴むことは出来なかった。そしてその会話は全体通信を通して、ヴィータやFW陣にも聞こえていた。

「そんな・・・」

「ヴァイス陸曹とシャマル先生が」

 片手に槍、もう片方にはケースを抱えていたエリオがそう呟き、青ざめた顔をしてティアナがそう口を開く。

「テメェ!」
 
 そして、怒りの声でヴィータは少女に掴みかかる。

「副隊長!落ち着いて・・・」

「うるせぇ!」

 スバルがヴィータをなだめようとするが、ヴィータはそれを一言で振り払う。

「おい!仲間がいんのか!?どこにいる?言え!」

 ヴィータにそう迫られても少女は表情1つ変えなかった。そして、ヴィータが怒りで騒いだ影響で、全員背後に隙が出来た。

「っ!エリオ君、足元に何か!」

 敵の接近にいち早く気づいたのはギンガだった。

「えっ・・・うわっ!?」

「へへ~、頂き!」

 エリオの反応は遅れ、その隙をつき地面から姿を表したのはボディスーツを着た女の子だ。隙をつかれたエリオは持っていたケースを奪われ、少女は再び地面に潜る。

「くそ!」

 そのまま逃走する気だと判断したヴィータは少女から離れて追いかけようとする。
地面に潜った敵が見えるわけなくどこにいるか判断つかなかった。
そして、自分を探すために全員が捕まえた少女から離れるのが少女の狙いだった。

「あっ!こいつ!」

 次に少女が現れたのは捕まった少女の足元からだった。そのまま少女ごと再び地面に潜る。

「アギトが…………」

 少女に抱えられながら少女はそう口にする。

「あー、アギトさんならさっきの一瞬で離脱したようですよ。流石、いい判断です」

 そして、セイン達は完全にそこから離脱した。

「反応………ロストです………」

 リィンが全員に敵に逃げられたことを伝える。ケースも奪われ、捕らえていた敵もみすみす逃してしまった。悔しさでヴィータは拳を地面に打ち付ける。

「くそっ!………ロングアーチ、ヘリは無事か?あいつら………堕ちてねぇよな!?」

 今、最悪の結果になってしまったヴィータにはヘリが無事かどうか?無事であってほしいと………そう願い、すがることしか出来なかった。





「こちらスターズ1、ギリギリセーフで綾ちゃんがヘリの防衛に成功!」

 そして後から聞こえてきたのは、管理局のエースオブエース、高町なのはの声だった。


「ありがとう報告・・・めんどくさかった、ふぅ間に合った!!」

「それはお互い様だよ。砲撃から守ってもらって」

「なのはなら大丈夫だと思ったけどね、好きな女にあんな極悪なものをぶつけようなんてね」

「え・・・えっと綾ちゃんまだ全体通信がかかってるってば」

「ん、フェイトは?」

「もちろん」

「流石」

 だったら俺も援護にまわるか。
こんなあほなことをしたやつらを返すわけにはいかないし

「あら~」

「砲撃を…………マジかよ」

 ビルの上で計画が失敗したことに驚く二人。

「「っ!?」」

 などと考えていると二人がいるビルの屋上に黄色い魔力光の魔力弾の雨が降り注いだ。二人はすぐさま別のビルの屋上に移動して回避する。

「見つけた」

 その直後に、二人の背後から声がした。
すぐさま振り返ると自身のデバイスであるバルディッシュを構えたフェイト・T・ハラオウンが。

「こっちにも!?」

「速い!」

 すぐに二人はフェイトから逃走を図る。メガネの女性は飛行していたが射撃を担当していた女性は強化された身体能力でビルからビルへと跳んで逃げる。フェイトも飛行ですぐに追いかける。

「止まりなさい!市街地での危険魔法使用及び殺人未遂で、逮捕します!」

 そのような呼び掛けでもちろんメガネの女性達が止まるわけがなく。

「今日は遠慮しときますー!………IS発動………シルバーカーテン」

 そう唱えると、彼女らは魔力に包まれて消える。転移ではなく、見えなくなったという方が正しい。

「っ!はやて!」

「位置確認!詠唱完了………発動まであと4秒!」

 フェイトの呼び掛けが合図となり空高くいるはやては魔法を発動させる。

「私にはその手のもの聞かないから、はやての行動の後、なのはとフェイトの方に誘導させるね」

 「了解!」
 
 俺の言葉通り、フェイトは二人を追いかけるのをやめてその場から離脱した。
フェイトが離脱したこと一端離脱したのになぜというメガネの女性だったがそしてあることに気づく、視線のさきに高い魔力濃度を感じさせる黒い球体の存在に。

「広域……空間攻撃!?」

「うそぉ!?」

 流石えげつないなぁ

「デアボリックエミッション!」

 魔法を発動させる。はやてとは別の空間に作った黒い球体は徐々に拡大していく。彼女たちを達を飲み込まんとして。

「やばい!」

 飲み込まれたらひとたまりもない!その球体から逃げるため必死にスナイパーの女性を抱えてメガネの女性は飛行する。少し体の一部が巻き込まれダメージを受けるが軽傷ですんだようだ。
なんとか逃げ切れたと思いホッとする間もなく。

「お疲れ様」

「っ!?」

 範囲から逃げるには白き魔王と金色の雷神と俺から逃げるには反対の方に来ればいい。
 俺は分身(ミラーイメージ)を作りそこにいて実際の俺はここで待機
幻術の専門特許はお前だけじゃないのよ
俺は軽く魔力を高めていると
二人は再び俺から離れるべく逃走を図る。
魔法の矢を数発飛ばして牽制していく

「くっ!」

「後よろしくなのは!フェイト!」
 
 逃げる場所を予測していた場所に待機していたなのはとフェイト達の番だ。俺とはやてで追い込み、止めはこの二人だ。
クアットロとディエチを二人で挟む形で各々デバイスを構える。

「しまった!」

 クアットロが誘い込まれたことに気づいた頃にはもう遅い。既に二人は準備完了だ。高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの二人のエース級魔法………全力ではなくとも破壊力は絶大、魔力チャージは…………完了している!

「トライデント………」
「エクセリオン…………」

「スマッシャー!!」
「バスター!!」

 軽く見積もってもハーローイーンクラスの砲撃防げないでしょ

ドオオオオオオオン!!

「っ!避けられた!」

「直前で救援が!………シャーリィ!」

 なのはとフェイトが自身の砲撃を避けられた事実をすぐ認識してすぐに指令室に反応を追うよう求めた。

『反応…………ロストしました』

「逃げられた………」

 フェイトが悔しそうにそう呟く。これで完全に取り逃がしてしまったと後悔する。

「あー、その事なんやけど………」

「はやてちゃん?」

 上空にいたはやてがなのはたちと合流して、頭をポリポリと掻きながら口を開く。

「すぐに綾ちゃんが追ったみたいやで?
一段解除したからなぁ」

 そう、困ったようになのは達に伝えた。

俺が追いかけて飛翔していたら左舷30あたりから射撃が飛んできたので俺はストップをした。

「やはり足止めをするの?」

「貴方の顔を見て離れるわけにはいきませんから」

「そぉ、そろそろリタイアしてもらいましょうか」

「相変わらず馬鹿にしてますね。それが間違いだと教えて差し上げますよ」

「一つ聞いても良い?」

「死にゆく者の頼みですから聴ける範囲なら」

「今起きている事件も何かの原作?」

「ええ3期だと伺っていますが」

「それに介入しているお前の師に反していない?」

「ゼロさんもプレシアさんについていたとお聞きしています」

 汐が撃ったビームライフルを俺はアンセムを数本にまとめてぶつけた。

「貴方は落ちた方がいい」

「それを決めるのはお前じゃない」

 俺は詠唱を始める。

「火炎召来(アー・ターブ・サン) 不滅なる燃焼よ 我が 導きに従え」

完成とともに力ある言葉を発する。

『霊破火炎陣(ダ・フォーラ)』

 火トカゲを数体だし汐に襲い掛からせる。
汐も負けじとファンネルを出しオールレンジ攻撃をしていた。
俺がいつまでも疑似MSに負けてるわけがなかろうが
装備は先代を超えるが実力は奴より下だよ
俺は感覚の標準を合わし次にあいつが動く場所に指にためた魔力を放つ

雷撃(ライトニングボルト)

 指先から雷撃の閃光ができサラマンダーの攻撃から回避した汐が導かれるように当たりに行った。

「な・・・なぜ・・・」

「お前は回避するときにパターンがあるんだよ、それを読んで攻撃すればこの通り」

「わ・・・私は・・・まだ・・・」

 落ちていく汐を哀れに思うがこれでスムーズに事件に蹴りが着くと思った瞬間だった。

 ふわふわと汐が落ちて行きながら汐は一粒のカプセルを飲み込んだ。
その時汐の体からMSの物と思われる装備が落ちていき
服は破れて裸体になった。
落下していった汐はその場で体制を整えて俺の方を見た。
俺はその瞬間少しだけ驚いてしまったなぜなら、額に三つ目の目が出ていたから

「貴様か開放してくれたのは?」

「だれ?」

「元の素材の事ではないなわれの事か」

「だね」

「我が封印されていたものをかみ砕いてくれたおかげでここに復活したものだ」

「私の邪魔をする気?」

「せっかく封印を解いてくれたからこいつの願いを聞いてやらねばならんと思
うのだがどう思う」

「私に害がなければすればいいんじゃない」

「南條 綾とはお主か?」

「隠していてもあれだからそうだよ」

「お主を抹殺する」

「理由は・・・さっき言ったか」

「そう言うことだ」

「一応聞くけれど名前教えてくれない?」

「人に名前を・・・我がそなたに聞いたな。死にゆくものの話も聞いてやらればの?」

 嫌な予感はこれだと今わかった。
ちょうどここは先ほどの廃墟都市群だけあって暴れても構わない状況

「1分だけ待ってくれる?」

「それだけでいいのか?」

「まあね。名前と目的は?」

「我は大蛇 目的は我が祖国を復活させること」

 あ~意味合いは違うかもしれないが確か古代ギリシャ語の無だったかな

≪はやてアンノウンと遭遇した≫

≪今から≫

≪必要なし、来られたら困るかな。お願いが一つ≫

≪なんやいきなり≫
≪ここら数キロ封鎖結界をお願いして、それと俺の限定解除流石にまずい・・・退却は不可≫

≪行き成りは無理やでも解除は了解や≫

≪私がしているからその外側を早くお願いね≫

≪そこまでの相手かなんかか≫

≪多分ね。さすがに今のまんまじゃまずい≫

「そろそろそなたの言う1分は経ったと思うんだが」

「最後にあなたは人?」

「おかしなことを言うやつだ、神とたたえられた存在とだけ言っておこう。そしてベルガ地方を滅ぼすものなり」

「ベルガに恨みでも」

「これが本当に最後なり、我が用でいない隙に掠め取った部族に思い知らるのじゃ」

「地の底に還れ 忌まわしき異形の陰よ 」

 面倒これで自分の世界に帰りなさい
力ある言葉を発する

退魔(アスプ)

 おれは大蛇に向かって呪文を発した
この呪文は魔を自分の世界に帰らせる呪文デーモンクラスなら大丈夫でしょ

「我も甘く見られたものだ、効果は世界に帰らせる呪文か、下らん」

≪ティア≫

≪どうやら相当なレベルみたいですね。今の綾の実力なら地方の悪魔ぐらいなら帰還できるはずですが…≫

≪中級クラスかな≫

≪どのようにランク付けしたのかは置いておいて人がかかわるレベルの相手ではありますよね≫

≪みんなを遠ざけたのは≫

≪正解だと思いますよ≫

 お返しとばかりに大蛇は俺に向かって手を振り払ったその衝撃がこちらにも来たので俺はシールドで防御

「聖王の鎧・・・違うかバカでかい魔力で止めただけ、そなたは我と戦うにふさわしい。よって相手をしよう」 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧