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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1844話

 馬鹿じゃない、馬鹿じゃない、馬鹿じゃない……
 空き教室の中に、ゆかりの声が響き渡る。
 いやまぁ、釜玉うどんを弁当として持ってきたのは、ゆかりにとっては色々と衝撃的だったんだろうが、だからといって叫ぶ事はないと思うんだがな。

「一応味付けも出汁醤油以外に、吸物の粉末を使った奴とかあるんだぞ?」
「あのね……誰もそんな事は聞いてないでしょ」
「……ゆかりが食いたいなら、ゆかりの分もあるけど、どうする?」

 空間倉庫に入っている釜玉うどんは、かなりの数がある。
 それこそ、ゆかりに1杯や2杯食べさせたところで、問題がない程度には。

「……貰うわ」

 俺の手の中にある釜玉うどんを見て、結局ゆかりはそう告げてきた。
 教室の中に広がる釜玉うどんの匂いにやられたのか、サンドイッチを袋に戻すゆかりに、空間倉庫から取り出した釜玉うどんの入った紙の丼と箸を渡す。

「ちなみに、薬味はどうする? 長ネギ、ミョウガ、鰹節……といったところがあるけど。ちなみに俺のお勧めはミョウガだな。まぁ、この時季のミョウガはハウス栽培で旬の代物じゃないけどな」
「じゃあ、それで」

 どこか疲れたように呟くゆかりに、ミョウガを渡す。
 ちなみにこのミョウガは、縦に千切りにしたミョウガだ。
 薬味として使うにはちょっと大きいが、そこがまた俺は気に入っている。
 横に千切りにしてもいいのだが……まぁ、この辺は長ネギも白髪ネギにしたり、普通にみじん切りにしたりするのと同じようなものか。
 ともあれ、釜玉うどんにミョウガの千切りをトッピングし、ゆかりはうどんを口に入れる。
 ……釜玉うどんに限らず、ラーメン、蕎麦、うどんといった麺類は音を立ててすすって食べるのがいいと思うんだが、ゆかりにとってはそれが恥ずかしいのか、音を立てずに口の中に入れて食べていた。
 いやまぁ、食べ方は人それぞれだから問題はないんだろうけど。

「っ!? 美味しい……」

 美味いというのが余程予想外だったのか、ゆかりは目を大きく見開く。
 それこそ、俺が実は異世界からやってきたというのを知った時くらいの驚きようだ。
 いや、そこまで驚く事か?
 実際、荒垣から教えて貰った釜玉うどんの作り方は、そこまで難しい訳じゃない。
 うどんを茹でて溶いた生卵に混ぜるだけという、人によってはカップラーメンよりは手間が掛かってるがインスタントラーメンと同じくらいじゃないのか? と言ってくる奴がいてもおかしくないくらいには。
 ただ、添加物とかそういうのを考えると、やっぱりカップラーメンやインスタントラーメンよりは健康にはよさそうだが。
 一応水菜とエリンギ、鶏のササミを具として入れてあるので、栄養バランス的にもそんなに悪くない筈だし。
 確か鶏のササミとか卵は筋肉を作るのに丁度いいとか何とか、誰かに聞いた覚えがある。
 うどんも消化がよく、すぐにエネルギーになるらしいので、実は俺の作った釜玉うどんはスポーツ選手とかの身体を鍛えたい面子にとってはかなりいい料理なんじゃないか?
 もっとも、本当の意味で栄養バランス云々となれば、絶対に色々と栄養的に足りないのとかが出てくるだろうが。

「喜んで貰えたようで何よりだ。……で? わざわざ俺をこうして誰もいない教室に連れてきたのは、何か話があったからなんだろう? まさか、釜玉うどんを食いたかっただけなんて事はないよな?」
「当然でしょ。そもそも、私だってしっかり自分の昼食は用意してあったんだから」

 釜玉うどんを味わっていたゆかりだったが、俺の言葉で我に返ったのか、そう言葉を返してくる。
 にしても本当に今更の話だが、こうして俺をここまで連れてきた……つまり、俺と2人きりで昼をすごしているというのは、ゆかりと俺の関係を疑っている者にとってはこれ以上ないネタなんじゃないのか?
 ……まぁ、ゆかりが俺をここに連れてきたんだから、その辺りについては当然考えているんだろうが。

「じゃあ、何でわざわざ? あれだけ休み時間は俺を生贄にして逃げまくってたってのに」
「それは……しょうがないじゃない。私は私で色々と忙しかったんだから」
「……まぁ、いいけどな」
「とにかく! 何でアクセルが私のクラスに転入してくるの? 私はてっきり1年になるのかと思ってたのに」

 そう告げられたゆかりの言葉は、別に俺を騙しているとかそういうのでもなく、本気でそう思っているかのようだった。

「あれ? そうだったか? 前に言ったような気がするんだが」
「言ってないわよ。いえ、月光館学園に通う事になったってのは聞いたけど」

 そうらしい。
 もっとも、俺が月光館学園に通う以上、当然それは影時間とかに関係のあるものとなるのは当然の筈で、可能であれば桐条としても俺と共に行動しているゆかりのクラスに俺を放り込むのは当然だろう。
 これで荒垣がしっかりと学校に来ているのであれば、もしかしたら3年の荒垣と同じクラスになっていたかもしれないが……残念ながら、荒垣は学校に通っていない。
 自主退学したのか、それとも現在は休学しているだけなのか、その辺りは分からないが……ともあれ、学校に来ていない以上、俺を放り込む場所は当然のようにゆかりのクラスになるのは当然だった。
 その辺りの説明を簡単にすると、ゆかりは渋々とだが納得する。

「ま、別にいいけどね。けど、大丈夫なの? アクセルって日本の高校には通ってなかったんでしょ? 授業内容についていけてる?」
「あー……まぁ、何となく」

 これでも、一応俺が生まれた世界では士官学校を主席で卒業した身だ。
 ある程度の勉強の基礎は覚えているし、麻帆良でも様々な騒動はあったが、ある程度学校生活は送っている。
 その辺りを考えれば、一応高校2年の授業についていくのはそんなに難しい訳ではない。
 勿論分からないところもそれなりにあるが、その辺りはそこまで困ったりはしていない。
 そもそもの話、俺は普通の高校生活を送ってみたくて桐条の提案に従ったのだ。
 別にテストで1位になったりする必要はない。
 ……テストで赤点で、補習とかそういうのになるのは論外だが。

「ふーん……ま、分からない事があったら教えてあげてもいいわよ。もっとも、私だってそんなに成績がいい訳じゃないんだけど」
「だろうな」

 ゆかりの言葉は同意出来るものがあったので、普通に同意したのだが……何故か、俺が同意の言葉を口にすると、釜玉うどんを食べながら俺と会話をしていたゆかりの視線がジト目になる。

「ちょっと、そこで同意するってのは私に失礼だと思わない?」
「……自分で言った癖に、それに同意すると怒るのか」
「あのね。……はぁ、もういいわよ。アクセルにその辺を期待した私が馬鹿だったわ。それで、取りあえず勉強に問題はないのね?」

 そう言ってくるゆかりに、迂闊な事は言わないようにしながら頷きを返す。

「そう。……それで、こうして学校生活を送ってみた気分はどう?」
「そうだな。悪くはないと思う。もっとも、じっとしてるのは色々と面倒が多いけど」

 授業が行われている、約1時間。ずっと教師の話を聞いたりしているのは、非常に面倒だ。
 それこそ、順平とかが居眠りをしているのに納得出来てしまうくらいには。

「あー、でもまぁ、その辺はしょうがないでしょ。それこそ、学生生活を送る上ではどうしようもない事なんだから。今日は後もう2時限なんだし、頑張りなさい。あ、けど放課後はどうするの? 私は部活があるんだけど」
「ん? ああ、その辺は大丈夫だ。桐条からちょっと生徒会室に来て欲しいって言われてるしな」

 桐条に呼ばれているというのは、言わない方がいいのかもしれない。
 一瞬そうも思ったが、今のゆかりは桐条グループに対して思うところはあっても、桐条美鶴という個人に対してはそこまで思うところはなくなっている。
 勿論完全にという訳ではないが。

「ふーん。……桐条先輩にあまり迷惑を掛けないようにしなさいよ」

 そして実際、ゆかりが俺に向けてきたのはそんな言葉だった。

「ああ。恐らく何か用事があるんだろ。それが学校生活についての事なのか、それとも影時間についての事なのかは分からないけど」
「でしょうね。出来れば、そろそろ桐条グループに預けたのがどういう効果を持つのか、判明してくれればいいんだけど。……あ」

 そこまで言ったゆかりだったが、ふと何かに気が付いたかのように俺に視線を向けてくる。

「ちょっと、アクセル。あんたね。今朝の自己紹介の時の手品、空間倉庫を使ったでしょ」
「まあな。言っただろ? 種も仕掛けもございませんってな」
「……普通の手品は、そう言っても実際には種も仕掛けもあるのよ。アクセルの場合、本当に言葉通り種も仕掛けもないんだものね。何人か、本当にどうやったのか分からなくて、かなり真面目に頭を悩ませてたわよ? 可哀想に」

 そう言いながらも、ゆかりはその友人に何か教えるつもりはないのだろう。
 いやまぁ、普通の人が空間倉庫とかそういう話を聞いても、とてもじゃないが信じられないだろうけど。

「ま、手品ってのはその謎も含めて手品だからな。頑張って答えに辿り着いて貰うとしよう」
「……何も知らない人が答えに辿り着けたら、それってもの凄いと思うんだけど」
「だろうな。俺もそう思う」

 そんな風に会話をしながら、お互いに食事をする。
 ゆかりは1杯でよかったらしいが、俺は結局3杯の釜玉うどんを食べた。
 そしてデザート代わりに、いつものスーパーで以前買っておいた、300円くらいのエクレアをゆかりと一緒に食べ、食後のお茶としてウーロン茶を飲んで昼食を終える。
 エクレアなら紅茶じゃ? とも思ったが、今日は何となくウーロン茶の気分だったのだ。

「それで、アクセル。今夜はどうするの?」
「どうするって言われてもな。……タルタロスに行っても16階はまだ閉まってるだろうし、ゆかりのレベル上げも最近はマンネリ気味だし」
「……それは否定しないわね」

 イオを使って様々なシャドウと戦ってきたゆかりは、15階までに出てくるシャドウが相手であれば、もうそこまで苦戦する事はない。
 勿論シャドウの数が3匹、4匹といった風に多くなると、話は別だが。
 数が多くなれば対処は難しくなるが、逆に言えば数が数が少なければ十分対処は可能だという事になる。
 その辺りを考えると……うーん、やっぱりもう少しゆかりを鍛えた方がいいのか?
 それこそ、シャドウが10匹近くいても1人で対処出来るように。
 ただ、そうなるにはまだ随分と時間が掛かりそうな気がする。
 4月になったし、そろそろ何かが起きてもいいと思うんだよな。
 色々と例外がありすぎて確実にとはとても言えないが、春とかは何らかの物語があった場合、それが始まったりするのは珍しい話ではない。

「じゃあ、やっぱり今日は適当にすごすか。……何なら、また火星にでも行くか?」
「ちょっと興味はあるけど、止めておくわ。それより、そろそろ新しい弓が欲しいんだけど。ショートボウだと、死甲蟲を相手にした時、矢が通らないし」
「そう言ってもな。死甲蟲の外殻を貫くような弓なんて、それこそゆかりの筋力だと弦を引けないぞ? 他に可能性があるとすれば、クロスボウとかそういうのだろうけど」
「……クロスボウとかは、使った事がないから、出来れば遠慮したいわね」
「だろうな」

 弓とクロスボウは、似ているようで大きく違う。
 勿論銃に比べたら弓の方に近いだろうが、それでも弓を使い慣れているからといって、クロスボウを使えるか……いや、使いこなせるかと言えば、答えは否だろう。
 また、クロスボウは威力が高い代わりに矢をセットするのに、普通の弓よりもかなり手間取る。
 ……ああ、でも死甲蟲のような強力な防御力を持ったシャドウ向きの武器として考えれば、それなりにありか?

「となると、やっぱり今ゆかりが使える弓だと、そう大差ないと思うんだけどな。……いっそ銃とかにするか? 対物狙撃銃とかそういうのなら、死甲蟲とかにも効果的に攻撃出来ると思うけど」
「それは……うーん、止めておくわ」
「そうか」

 ゆかりの言葉が半ば予想通りだったので、それ以上しつこく薦めるような真似はしない。
 まぁ、ゆかりといったら俺の中では弓のイメージだ。
 何より、俺と別行動している時に影時間が終わってしまった場合、あからさまに銃刀法違反となってしまう。
 弓とかなら、まだ部活だとか自主練とかで誤魔化せる――それでも怪しまれるだろうが――けど、狙撃銃のような代物を持った女子高生というのは、色々な意味で強烈すぎて、誤魔化す事は出来ないだろう。
 そんな風に思いながら、俺は昼休みが終わるまでゆかりと共にゆっくりとした時間をすごすのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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