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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  1839話

「……はぁ? アクセルが月光館学園に? 何でそんな事になったのよ?」
「そう言われてもな。……成り行きとしか言いようがないけど」

 現在、俺はゆかりと共に2人きりで部屋の中にいた。
 勿論何か艶っぽい話がある訳じゃなく、今日決まった事を説明する為にゆかりの部屋にやって来たのだ。
 影時間なので、普段と違って大きな声を出しても問題はない。
 まぁ、明かりは俺が白炎で作った火の玉が幾つか天上近くに浮かんでいるだけだが。

「成り行きって……そもそも、アクセルは学校に通うにしても戸籍とかないじゃない。それはどうするのよ?」
「その辺は桐条グループがどうにかしてくれるらしい。さすがだよな」

 この世界でもかなりの規模を誇る桐条グループだけに、当然のように政治家との繋がりがあってもおかしくない。
 そして政治家と繋がりがあれば、1人分くらいの戸籍はどうにで出来るのだろう。
 もしくは、もっと直接的にハッキングとかそういう手段を使っているのか。
 普通であればそんな事は不可能だろうが、桐条グループのような者達であれば、凄腕のハッカーを雇っていても不思議ではない。
 ……まぁ、ラピスとかがいれば、その辺は集中しなくてもいいんだろうが。

「全く。……まぁ、いいわ。じゃあアクセルも来月から月光館学園に通うのね?」
「ああ。この辺も、桐条グループが月光館学園の経営に深く関わっているからこそ、出来る事だよな」
「そうね。……理事長があんな人だけど」

 微妙に嫌そうな表情を浮かべているのは、ゆかりも幾月の駄洒落の餌食になった事があるからだろう。
 生理的に受け付けない相手だが、あの駄洒落が更に嫌悪感に拍車を掛けている。

「なぁ、もしかして月光館学園の集会とかでも、幾月が出てくるのか?」

 ふと、あの寒い駄洒落を全校生徒の前で言ったらどうなるのか……そんな風に思ったが、幸いにもゆかりは首を横に振る。

「いえ、挨拶をするのは校長とかよ。……まぁ、その代わり話が長いんだけど」
「なるほど」

 この手の場所で挨拶をするお偉いさんの話が長いというのは、どうやら月光館学園でも変わらないらしい。
 普通であればそんなのは特に気にしないのだが、今度からは俺もその集会に参加する必要があるんだよな。

「桐条先輩は、そこまで話が長くないんだけどね」

 そう言いながら、微妙な表情なのは……やはり、ゆかりにとってまだ桐条グループに対して色々と思うところがある為だろう。
 幾月から父親について色々と聞かされてはいたみたいだが、それでも完全に桐条グループに対する疑惑の類は消えた訳ではないらしい。
 まぁ、以前の桐条との会話を聞く限り、ゆかりの父親について色々とあったのは分かるし、それもしょうがないけど。

「いざとなったら集会には参加しないという選択肢もあるか」
「あのね。そんな真似をすれば、先生に怒られるわよ?」
「かもな」

 だが、正直なところ俺はいたって普通の学生生活を体験してみたいと思っているだけだ。もし停学なり退学なりになっても特に痛いという事はない。
 ……まぁ、そういう集会を経験するのも学生生活だと言われれば、納得せざるを得ないのだが。
 だが、そういうのは士官学校の時にも経験したし、出来ればあまりやりたくない事なのは間違いない。

「……まぁ、アクセルのやる事に、いちいち驚いてもしょうがないか。火星に行ったとか、普通は誰も信じられないでしょうし」

 ゆかりにとって、俺と行動する事で一番驚いたのがそれだったのだろう。
 まぁ、普通の人間が火星に行くというのはそうそう体験出来る事じゃない……どころか、この世界ではまず体験出来る事じゃないんだから、その気持ちは分からないでもないのだが。
 ただ、影時間とかシャドウとかペルソナとか、そっち方面のファンタジー要素のある方が、どちらかと言えば驚くと思うんだが。

「火星の石でもお土産に持ってくればよかったか?」
「やめなさい。もしそんな石を持ってきても、それが知られたら騒ぎになるだけよ」
「そうか? 火星の石も普通の石とそう変わらないんだけどな。……あくまでも俺の知っている世界では、だけど」

 影時間やシャドウ、ペルソナといった存在がいる世界だ。
 もしかしたら、火星には何らかの秘密があるという可能性は否定しきれない。
 事実、ナデシコ世界の火星には古代火星文明の遺跡があった訳だし。
 もしかしたら、この世界に存在する影時間とかそういうのに関しても、火星に何か秘密がある……という可能性は否定しきれない。
 勿論可能性そのものは恐ろしく低いが。

「あのね……ただでさえ桐条先輩達は影時間の一件で忙しいのに、これ以上忙しくするような真似をしたら、パンクするわよ?」
「へぇ……ちょっと意外だな」
「……何がよ」

 俺の言葉に、ゆかりはジト目を向けてくる。
 本人も気が付いていないのか、それとも気が付いていて気が付かない振りをしているのか。
 ともあれ、俺の方を見ているゆかりに、笑みを浮かべて口を開く。

「いや、ゆかりが桐条の心配をしている事だよ。てっきり、桐条に対してはよくない感情を抱いているんだとばかり思ってたからな」
「……ばっ、馬鹿じゃない! てか、馬鹿じゃない!?」

 ゆかりが動揺した時の癖、同じ言葉を2度続けるというのが出た辺り、ゆかりは桐条グループに対しては思うところがあるのかもしれないが、桐条本人に対してはそこまで思うところはないのだろう。
 いや、考えてみれば当然か。
 そもそも、ゆかりが桐条グループに対して思うところがあるのは、間違いなく過去の一件が……事故というのが関係している筈だ。
 そして、事故が起きたのは10年前の事故だ。
 そして10年前となると、桐条はまだ7歳か8歳といった事になる。
 もし桐条グループがその事故に何らかの関係があるとして、そんな子供に何かがあるか? と言われれば、普通なら答えは否だろう。
 勿論俺みたいにある程度自由に年齢を変える事が出来るのであれば、話は別だが。
 だが、当然桐条にそんな能力はない。
 であれば、やはりゆかりは桐条グループに対して思うところはあっても、桐条そのもにはそこまで強い感情はないという事か。
 ……それでも完全に気を許すような事が出来ないところに、ゆかりの難しい心情が表されているのかもしれないが。
 もっとも、本当に桐条グループを憎むのであれば、今の桐条も憎んでもおかしくはない。
 それが出来ないところに、ゆかりの優しさがあるのだろう。

「ま、照れているゆかりは放っておいてだ」
「照れてない!」
「……放っておいてだ」

 頬を赤く染めながらそんな事を言っても意味はないと思うんだが……その辺を指摘するのもなんなので、取りあえずその辺は放っておく。

「ともあれ、そんな訳で4月からは俺も月光館学園に通う事になるから、よろしく頼む」
「はいはい、分かったわよ。ま、アクセルは何だかんだと他の生徒達からの受けもよかったし、そう考えれば問題はないでしょ」
「……それは褒められてると考えてもいいのか?」

 何となくゆかりの言葉が気になってそう尋ねるが、それに対してもゆかりは笑みを浮かべて頷く。
 もっとも、その笑みはどちらかと言えばこちらをからかうような色があったのだが。

「ま、私だけがからかわれるのもどうかと思うし、そういう意味だと、アクセルが来てくれるってのは、私にとっても悪い事じゃないわ。……桐条先輩もね」
「うん? 桐条も?」
「ふふっ、何でもないわよ。ただ、今日アクセルが桐条先輩と一緒にいたのが、他の人に見られてたってだけ」

 何でそれで嬉しそうにしているのかは分からないが……まぁ、ゆかりの機嫌が悪くないのであれば、それでよしとしよう。

「そう言えば、俺以外にも誰か月光館学園に訳ありでくる奴がいるって話だったな」
「へぇ、そうなの?」
「ああ。だから俺の方もそこまで手続きは面倒じゃないらしい。……もっとも、それは表向きの話だとは思うが」

 実際には転校する為に作る書類とかそういうのを考えると、俺の分が増えた時点で手間が増えるのは確実だ。
 ……もっとも、向こうにとって俺という存在を懐に呼び込むのはその手間以上の利益があるからこそだろうが。
 それで向こうが何を企んでいるのかは知らない。
 ただ、俺に危害を加えるような真似をしないのであれば、大人しく学生生活を楽しむ事も出来るようになるだろう。
 桐条の性格から考えて、ペルソナ使いや影時間の関係者といった面々と俺は一纏めにしておきたい筈。
 となると、恐らく俺とゆかりは同じクラスになるだろう。
 そうなれば、色々と面白い生活を送れるのは間違いない。

「ふーん。ま、向こうが何を考えていようと、こっちには関係ないわね。タルタロスの一件では情報共有とか協力する事になったけど、だからといって向こうと合流したり、向こうが合流したりといった感じじゃないんだし」
「まぁ、そうだな。それは間違いない」

 実際、俺達が桐条達と協力関係を結んだのは、あくまでもタルタロスで得た代物の解析とかに関してだけだ。
 勿論こちらからも情報を提供する事はあるだろうが。
 ともあれ、ゆかりの言う通り向こうと本格的に合流するというのは、今のところ考えてはいない。
 ……まぁ、それはあくまでも今のところであって、将来的にどうなるのかは分からないが。
 ただ、個人的には幾月が向こうを仕切っている時点で余程の事がない限り、その可能性はないと思う。

「ま、その件は置いておくとして……ねぇ、アクセル。タルタロスの方はどうするの?」

 唐突に変わった話題に少し驚きつつ、そっちの問題もあったんだよなと溜息を吐く。

「どうするって言われてもな。正直今のところはどうしようもないというのが正直なところだ」

 鉄格子……のように見えた何らかの力場で封印されている、16階。
 恐らく俺の力を使えば、無理矢理あそこを抜ける事も可能だろう。
 だが、そのような事をした場合、原作にどのような不具合が生じるかが全くの不明だ。
 いい影響を与えるのであれば問題はないのだが、悪い影響を与えるという可能性を考えると……無理矢理というのは、少し遠慮したい。
 この辺、原作知識がない故の難点だよな。

「うーん、でも……じゃあ、当分タルタロスを攻略しないままでいるの?」
「そうだな。恐らく何らかのトリガーになるものがあるんだと思う。それがないからこそ、16階から先には進めないんだろうな」
「トリガー、ね。それで、そのトリガーってのは具体的にはどんなの?」
「いや、俺に言われてもそのトリガーが分かる筈ないだろ」
「……魔法とかで、どうにかならない?」
「ならないな。もしかしたらそういうのを知る魔法、未来視の魔法とかもあるかもしれないが、残念ながら俺は使えないな」

 原作知識があれば、未来視の魔法云々といった事も誤魔化せたかもしれないが……この世界の原作知識がない以上、それも出来ない。

「となると、そのトリガーが判明してどうにかするまで、タルタロスの攻略は足踏みしなきゃいけないの?」
「そうなるな。もっとも、だからってやるべき事がない訳じゃないけどな」
「……具体的には?」

 俺の言葉はゆかりにとっても意外だったのだろう。
 不思議そうな表情をこちらに向け、聞いてくる。
 そんなゆかりに対し、俺は満面の笑みを浮かべつつ、やるべき事を告げる。

「ゆかりの戦闘技術の向上と、ペルソナの強化だな」
「……あ-、うん。なるほど」

 一瞬驚いた表情を浮かべたゆかりだったが、すぐに俺の言いたい事を理解したのだろう。頷きを返す。
 実際、ゆかりの戦闘技術はそれなりに上がっているとはいえ、あくまでもそれなりだ。
 現在使っているショートボウも、矢を射る時には一旦止まってからでなければ、矢が狙いから逸れることは珍しくない。
 そう考えると、やはりゆかり自身の戦闘技術の向上というのは必須だ。
 少なくても、矢を射る時にわざわざ足を止めなくてもいいように……それこそ動き回りながらでも矢を射る事が出来、更にはその矢が敵に命中するような技量は欲しい。
 勿論それは最低限であって、可能であれば動き回りながら相手の急所に……シャドウの場合は仮面とかがあるから、その目や口のようにピンポイントに矢を命中させるような事が出来るようになって欲しいが。
 また、弓を構えている状態から、素早く召喚器を使う訓練や、イオをもっと強化してより強力な魔法とかが使えるようになったり……といったように、ゆかりの強化という一点では、まだ大きな伸び幅がある。
 ゆかり本人はそれを理解しているのかどうかは分からないが、それでも俺の言葉にやる気を見せるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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