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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第六章 Perfect Breaker
  世代の戦い


今までのあらすじ

残ったサーヴァントの内、アーチャーを撃破するティアナ。


一方、「EARTH」ビル内で大聖杯の核を破壊しようと潜入していた翼刀たちの前に現れたサーヴァント、ブレイカー。その正体は、あろうことか翼刀の実の父。

鉄流不動拳17代目継承者・鉄翔剣であった――――!!!



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ドォンッッッ!!

いきなりである。

ブレイカーの攻撃――八極拳で言う鉄山靠だ――で、翼刀の右側にいた裕理が吹き飛ばされた。


いきなりの衝撃。
しかし、それでも辛うじて意識を保っていた裕理は、ふきとびつつあった体を掴まれてしまう。

そして掴んだまま翼との背後に回り込み、そこからそちらを見ることなく後方―――上条の背中に向けて叩きつけた。


「うわっ!?」

「ゴゥっ!!」

上条の身体が逆くの字に折れ、二人は絡み合いながらガラスを砕き、ビルの外へと放り出されていってしまった。



しかし、その間にブレイカーは翼刀への攻撃をしていないわけではない。

ブレイカーの体勢は、翼刀と背中合わせの状態だ。
瞬間、翼刀とブレイカーの背面から一気に衝撃が噴き出していった。

バガンッッ!!という床の砕ける音がして、ブレイカーの身体が少し揺れる。

「お?」と感心するブレイカーだが、翼刀の方はそうもいかない。


打ち消しきれなかった凄まじい衝撃が背面から襲い掛かり、内臓の全てを前面へと押し込んでいく。
胃袋から逆流してくるものを必死に抑え込もうとするが、脚も床から浮いてしまっている状態では無意味に近い。

フッ、と一瞬浮いた翼刀は一気に吹っ飛び、デスクに突っ込んでバラバラに破壊させた挙句、ガラスを砕いて外へと放り出された。



局長室の外に向いた壁は、一面ガラス張りになっている。
翼刀は床に手をかけ、片手でぶら下がる。

ズシャリ、とガラスの破片を踏みつけながら、そこにブレイカーがやってきた。


「なかなかいい一撃だ。成長したな」

「あんたに言われると嫌味にしか聞こえないんだが?」

「なに。これは正直な感想だ。まだまだ、ではあるがな」

この化け物・・・と心で悪態をつく翼刀だが、翔剣はやれやれと言う顔でため息をつく。


「しかしだ。私はお前を倒さねばならないらしい。そちらに寝返ることもできないらしいしな。この場を守るための迎撃に徹するとしよう」

ダンッ、と足踏みを一回。
するとぶら下がっている翼刀の腹部へ、ビルを伝って衝撃が走り身体を押し上げる。


「くっ・・・!?」

そして、翔拳の前へと浮き上がった翼刀の頭に、まるで撫でるように手を置く。
成長した息子への、父の喜びに見える行為。


そして同時に

「墳ッッ!!!」

翼刀を、地上へと叩き落とす一撃である。


地上へと落ちていた裕理は、上条を脇によらせて落下してきた翼刀をキャッチする。


大丈夫か?と声をかける。翼刀は軽く笑いながら上を見上げ


「一旦戻ろう」

そう一言言って、「EARTH」(仮)へと帰って行った。



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「お前、草加なのか!?」

「・・・・ハァ・・・だからなんだっていうんだ?」

実にいきなりな話だが
仮面ライダーファイズとカイザの戦いは、すでにほぼ決着がついたと言ってもいい。


仮面ライダーカイザのスーツは、高出力のフォトンブラッドを安定配給させるためのXを描いたものとなっている。
故に、基本的に出力はファイズよりも上だ。

それは変身者である草加雅人の能力も相まって、ライダーの中ではかなりの実力者。


しかし、いくらカイザでも超高速の相手は分が悪く、全身をフォトンブラッドで覆ったライダーには出力も劣る。

その二つのフォームを使いこなすファイズ―――乾巧に、善戦はすれども敗北は必至だった。



現に今も、見栄を張って立ち上がっているカイザはぐらぐらと揺れて足元もおぼつかない。

だが、それでもまだカイザはあきらめない。
その行動原理にあるのは一つ――――


「俺は・・・・俺の気に喰わない奴を倒す・・・・それだけだ・・・・」

「草加ァ!!」

衝突する閃光と閃光。

カイザが負けるのは必至だとしても、それが「=ファイズの勝利」になるとは限らない―――――!!





そして、こちらはまた、別の親子対決。
すでにキバはガルルフォームへと強化変身し、音也の変身したダークキバと戦いを繰り広げていた。

ダークキバの紋章がキバを捕えようと無数に放たれ、それをガルルソードで斬り弾くキバ。


元が人間の音也がダークキバに変身するなど、本来できるはずもないことだ。

実際、彼はその消耗が原因で命を落としている。
だが彼はそれを無理矢理敢行し、自らの信念に従って戦った男だ。


そして、その消耗がなくなった彼は、その能力を十全に扱っていた。



「父さん、やめよう!!僕たちが戦う必要はない!!」

「そうはいっても、やめられないんだよねぇ~これがっ!!」

気の抜けた口調だが、本人も焦ってはいるのだろう。

無理もない。
いきなり召喚されて戦っていたのは、自分の息子なのだから。


「いやぁ、強くなったな。さすがは俺の息子だ!!」

「そんなこと言ってないで!!」

「いや、本気だぞ?そのまま俺を倒してしまえ」

「出来ない!!」

「なに?俺の息子のくせに、俺に口答えすると言うのか!?」

「それとこれとは別問題・・・・あぁもう!!父さんは死んでも治ってなかったの!?」

「なんだそれは!!俺のことバカだって言ってるのか!?」

「うん」

「・・・・・渡!!父さん手加減できなくなった!!!」

「えぇ~・・・・・」


音也のこういう一面のおかげで悲観することもない渡だが、やはり父を倒すとなると覚悟がいる。


「キバット!!どうにかできないの!?」

「無茶言うなよな渡!!ありゃ俺たちにできることの範疇を越えてるっての!!」

やはり、父をこのまま生かすことは出来ないのかと思案してしまう渡。
そこを突かれ、飛来してくるダークキバの紋章に捉われてしまう。



「あ、ぐっ!?」

「くっ・・・何をやっているんだ渡!!」

「やっぱり・・・僕に父さんを倒すことなんてできない!!」

「こ・・・・のバカ息子――――!!!」

凄まじい電撃が全身に襲い掛かり、バタバタと暴れまわる四肢。
装甲を弾き飛ばし、火花と炎すら上がり始めたところで、いったんその電撃が止む。


「――――――ガハッッ!!!」

一瞬意識がなくなっていたのか、数拍おいて息を吐き出すキバ。
美しい銀の装甲は黒焦げ、蒼い肉体は雷撃によって幾つかが爆ぜていた。

ダラリと崩れるキバ。

その中で、朦朧とする視界の向こうに、キバは父の姿を見た。

自分に伸びている右腕を、左腕で押さえながら、全身を震わせている音也の姿を。


「俺の息子を・・・・殺させるかよ・・・・・」


数奇な運命に生きた父子。

しかし、だからこそ息子は――――――



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「翔太郎・・・・・それにフィリップか・・・・一体何をしている?」

「おやっさん・・・・・」

《ば、バカな・・・・・》


仮面ライダースカルVS仮面ライダーW

その戦いは、誰もが簡単につく者だと思っていた。


仮面ライダーWは、そのメモリチェンジによる戦闘手段の手広さが強みだ。
対して、仮面ライダースカルは身体機能を上昇させるだけに過ぎない。

その戦いのなかで、エクストリームまでになったWが地に伏せて倒れることになろうとは、誰もが思わなかっただろう――――


《スカルメモリの特性、弱点はすべてわかっている・・・・》

エクストリームの強みは、相手のメモリの能力や弱点などの情報を一瞬にして弾きだすことだ。
それによって対抗策を瞬時に編み出し、彼等は強敵にも勝ってきた。


相手が鳴海壮吉であることも踏まえたうえで、全力を尽くして戦った。
だが、それでも及ばない。


「なんでだ・・・・・」

「それが自分でわからんようじゃ、まだまだだな。翔太郎」

《スカル!!マキシマムドライブ!!》


「な・・・・・」

「今のお前じゃあ、任せておけない。俺が自分で、あの野郎をブチのめす・・・・」

スカルメモリを装填したスカルマグナムをWへと向け、静かに指をトリガーに掛ける。

そして


「翔太郎・・・・お前は探偵を・・・・やめ」

「ルゥォラァ!!!」

「ろッ!?」

ダゥンッ!!!


放たれるスカルマグナム。
それを胸から出現させたプリズムビッカーで防ぐW。

着弾した瞬間、マキシマムドライブの弾丸は爆発し、Wの姿を完全に覆い隠した。




(最後のあがきだったか・・・・・・)

スカルは、その光景を見てなかなかやるものだと翔太郎を改めて評価した。

あの時点でまだあきらめず、なおも戦おうとする意志。
何度でも立ち上がる力。

荘吉のスタイルにはない物だが、あの諦めの悪さは、恐らく今まで幾度も彼を立ち上がらせてきた原動力だ。


煙が晴れ、その跡には倒れる翔太郎。
その顔を見て、スカルは満足そうに言う。

「フッ・・・・どうやら、帽子が似合う男にはなったらしいな・・・・」

しかし、まだ力不足だ。
やはりこの身が砕けようとも、自分がマスターを殺すしかないようだ。

翔太郎に背を向け、一人向かうスカル。

達者でな、と手を振り、そして―――――




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上空500メートル。
その地点で、シグナムとゼストは向き合っていた。

シグナムの甲冑はすでに意味をなくすほどにはじけ飛んでおり、ゼストの服は焼け焦げている。


「そろそろ・・・終わらせていただきます。騎士ゼスト」

「ああ・・・幕引きには遅すぎたくらいだ・・・・アギト」

《な、なんだよ?》

「いい主を見つけたな」

《・・・・・ああ》



「行くぞ騎士シグナム!!!全力を以っていざ!!!」

「応じましょう、騎士ゼスト!!あなたを必ず解放する!!!」


「オォォォおおおお!!」

「はァァァアアアア!!」


レヴァンティンから薬莢がはじけ飛び、カートリッジが一気に五発も充填される。
掛け値なしの最後の一撃。狙うべき攻撃は、一つ。

対し、ゼストの全身を包んでいた黄金の魔力は槍の先端部を追い尽くした。
身体を覆うそれらすべてを犠牲にし、絶対一撃必殺の矛とならん――――!!!


「火竜一閃!!!」

「轟槍絶空――――!!!」


炎に包まれたレヴァンティンが、連結刃となって暴れまわる。
ゼストの正面から襲い掛かり、それが弾かれると今度は上下左右の四方から襲い掛かって行った。


だが、飛行に使う分を残し、ゼストの全ての魔力を注ぎ込んだ槍に簡単に弾き飛ばされていってしまう。

しかも、ゼストは四方の全てを弾くのではなく、最初に襲い掛かるであろう下からの攻撃を弾いただけだった。
その一撃によって、連結刃はすべて揺れ、まとめてあらぬ方向へと弾かれてしまう。


「グッ・・・う!?」

その一発弾くだけで、肩ごと持って行かれそうになるシグナム。

それを食いしばって、無理矢理引き戻す。
筋肉は悲鳴を上げ、骨は軋んできた。

もはや対面も何もなく、唾液すら垂れてしまってもシグナムはゼストへの攻撃をやめない。
全ては、一撃のために―――――


しかし、すでにゼストは彼女の懐へ。

そこから一気に横薙ぎされた槍を、シグナムは鞘で受けた。



だが、砕けるのは目に見えている。
ゼストは止まらない自身の身体を呪いながら、その槍を振り抜け―――――



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『おい渡』

「ガ、ガルル?」

音也が自身の身体を止めている間にも、紋章は力を弱めることなくキバを縛り続けていた。
紋章そのものからもダメージが来ているため、渡は中々抜け出すことが出来ていないのだ。


だが、その時間を利用してガルルは渡に語りかけた。


『音也は、なんのために戦ったと思う?』

「え・・・・」

『音也が自分の命を懸け、たとえ勝ったとしても死ぬ。あの鎧をまとい、それでもキングと戦った音也は、何のために死んだ?』

音也が死んでから、渡を導いてきたガルル。
それは、死んだ親友の最期の頼みが故に。


だが、その息子が「父親を救いたい」といって、その命を無為にするのならば―――――


『いいか渡。音也は自分が死ぬとしても、その魂を受けついでくれるお前がいたからこそ、死ぬことも恐れず戦ったのだぞ。その音也を、あの悪漢の手先として他の奴らに倒されるなど、俺は我慢ならん』

「・・・・・」

『音也の死は、確かに覆したい。しかし、今考えるべきことはそれよりも――――――』

「父さんの魂は、僕の未来のために」

『そうだ。ならば渡。やるべきことは、解っているだろう?』

「ああ・・・・タツロット!!!!」


バキィッッ!!!

紋章が砕け、腕に装着されるタツロット。
そして、キバの全身が黄金に包まれる。

煌めく黄金。
たなびく真紅。

その輝きは、王の証。
しかし、今この瞬間は

「父さんの魂の輝きを、決して穢させはしないために――――!!!」



ザンバットソードを握り、ザンバットバットを上下にスライドして研磨させる。
本来、研磨する程に威力の上がる子の剣だが、渡はこの一回でそれをやめる。


そして、真紅に染まった刀身を振るい、一気に音也へと向かって疾走する――――!!!


「父さん!!」

「はは・・・やっとわかったか、息子よ――――」

「ハァァアアあ!!」









その上空で、シグナムへと必殺の一撃を入れたゼスト。
鞘で受け止めようとも、硬度が足りるわけもない。


(・・・・・な――――に?)

しかし、レヴァンティンの鞘は砕けていなかった。
少し及ばないか?などということはありえない。

ゼストの一撃は、そんなことを論議することすら愚かしいほどの威力だ。


(これは・・・受け止めているのではない。防いでいるのではない!!)

横に薙いだ槍は、振り抜かずにそのまま突き出すように伸びていく。
その瞬間、ゼストはシグナムの手の動きを見た。


(これは・・・いなし、流すことで後ろへと誘導しているのか!!!)


シグナムから見て右から来たそれを、彼女は受け止めるように鞘を構え、触れた瞬間に全く同じ勢いで引いたのだ。

同時に飛行魔法を切り、踵を支点にぐらりとシグナムの身体が倒れていく。
槍を突き出すゼストとは、仰向けに向き合う状態だ。

そして、レヴァンティンの連結刃がそのやり取りの中一瞬で戻り、鞘は剣と繋がれ一つの形態へと姿を変える。


「これ・・・は・・・!!!」

「翔けよ、隼」

『行くぜ、旦那!!!』

「『シュツルムファルケン!!』」



瞬間、シグナムとアギトはゼストの笑みを見た。
撃ち出された矢は、炎を纏ってゼストの胸へと飛び込んでいく。

一方、近距離の攻撃に、シグナム自身も爆発に巻き込まれ落ちていってしまった。
ユニゾンしているアギトにもかなりの衝撃が襲い掛かったようで、気絶してしまっているらしい。



だが、その分の威力はあった。

凄まじい貫通力と射出速度をもって放たれた紅蓮の槍は、心臓に到達するよりも早くその焔で内臓の全てを焼き尽くした。
ゼストの体を貫通し、空高くまで突き上った矢は、空を揺蕩う雲に大穴を開け、その向こうの星空を解放した。

ゼストの身体は燃えながら消滅し、粒子となって消え去った。






同時に地上では、キバのザンバットソードがダークキバに向かって袈裟切りに振り下ろされていた。
音也の拘束を解き、勝手に動く右腕が、その剣を防ごうと雷撃を放つが、音也は笑う。

「俺の息子だぞ?止められるかよ――――」


道理である。

ザンバットソードは、まるでそれは音也ではないと判断したかのように粉砕し、肩から入り込んだ刃は左腰にかけてダークキバの身体を斬り裂いた。


そして、ザンバットバットに手をかけ、上げていく。
いつもはこの動作を敵に背を向けて行う渡も、今回は真っ直ぐに向き合っていた。


そして、ゆっくりとザンバットバットを降ろしていき―――――


「さよなら、父さん」

「ああ。俺に似て、いい男になったな。渡」

ガチンッ!!!


ドォンッッッ!!!



ファイナルザンバット斬によって流し込まれたエネルギーが爆発し、ライダーも消滅した。



その後、落下してくるシグナムを発見したキバは、飛翔態へと変身して彼女を回収する。
地面に彼女を寝かせて覗き込むと、うっかり飛翔態のままだったためシグナムに全力で殴られた。




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「ライダーと・・・・ついにランサーがやられた」

「へー。どのライダー?」

「紅音也。キバの父親」

「へー。僕の見立てだと、カイザがすぐにやられると思ったけど」

「そっちは案外粘ってるな・・・・さて、と」

「次出すんで?」

「核の守りはブレイカーに任せればいいからな。残り六騎はドンドン出していく」


そう言って、大聖杯の魔力の中にズプリと手を突っ込み、しかし何でも無いように詠唱を唱えるセルトマン。


「これでいい。さて、次はだれにするかな?」


サーヴァントに底はなく。
セルトマンの戦力は、まだまだ出現する。


「とりあえず・・・・じゃあ、キャスターで」




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セイバー・セフィロスを相手にしている、フェイトとアリシア。
スバル、エリオ二人のサポートを受け、確実に彼を追い詰めていた。


当然ながら、スピードにおいてはセフィロスを凌駕するフェイトと、それには及ばないもののやはりかなりの速度を誇るアリシア。
そして、魔力の電気変換によって肉体を強化するエリオと、IS持ちのスバルまでいるのだ。


セフィロスは自然と追いつめられていき、上空にフェイトとアリシア、地上にエリオとスバルという包囲網に囲まれていた。


「クックック・・・・」

しかし、それでもまだ笑うセフィロス。


そう。
今まで蒔風たちの前に立ちはだかったときには、すでに失われた最悪のマテリアが、今の彼にはある。

黒マテリア。
究極の黒魔法・メテオを発動させるマテリアだ。

それは宇宙の小惑星を地球に引き寄せ、あらゆるものを破壊し星を死滅させる魔法。


フェイトたちはそれを知らない。
だがそれでも、セフィロスがそれを発動させようと詠唱を始めると、全身に悪寒が走るだけの存在感はある。



それを止めようと、一気にセフィロスへと向かって行く四人。
だがセフィロスは刃を振るって彼女たちを近づかせず

「専守防衛に入られたら、手が出せない――――!!」

「どうする!?フェイト!!」

「サンダーフォールで攻撃する!!行くよ!!」

「もう遅い・・・・」

「間に合わせるッッ!!」

上空からセフィロスへと雷を落そうとバルディッシュを振るうフェイト。

しかし、セフィロスの言うとおりもう遅い。
サンダーフォールのチャージよりも、メテオの発動の方が早い。


そして、その詠唱が終わる時・・・・



ズガァッッ!!!

「紫色の」雷によって、セフィロスは撃ち貫かれてしまった。
天空から襲い掛かるその一撃に、回復していてもすでに限界を迎えていたセフィロスはその霊格を保つことが出来ずに消滅してしまう。

突如として落ちて生きたそれを、フェイトとアリシアはさすがの反応速度で紙一重、回避していた。



セフィロスが倒されたことに、二人がやったのだと喜ぶスバル。
しかし、エリオは腑に落ちなかった。

その雷の色が、なぜ紫だったのだろうか―――――



その答えを、姉妹は知っていた。
いずれは来るとは思っていた女性の召喚。


その女性は、彼女たちよりももっと上に

魔法陣の上に立ち、彼女たちを見下ろしていた。



「真下になんかいるから、当たってしまったわ」

フェイトたちを狙ったものだと言っているらしいが、それは明らかに本心ではない。
しかし口実としては十分だったようで、令呪の命令に背いたものとはみなされなかったらしい。


「・・・・ずいぶんと大きくなったわね、二人とも」

彼女は召喚される際に知っている。
アリシアもまた、この世界で生きているということを。


ならば、母としてできることは一つ。


「アリシア、そしてフェイト。あの男は危険よ」

「だから、あなたがやると言うんですか?」

「娘たちを危険な目に合わせるわけにはいかないのよ」


娘たち、と
自分を含めてそう言ってくれたことに、涙を思わずこぼすフェイト。


しかし、その感動はひとまず置いておき・・・・・


「さあ、始めましょうか・・・・」


「行くよ!フェイト!!」

「うん・・・アリシア!!」


「「母さんを、倒す!!」」


キャスター:プレシア・テスタロッサ、召喚。


親子の戦いは、まだ終わらない。




to be continued
 
 

 
後書き

いったん撤退する翼刀。
大抵の相手ならともかく、親父が相手じゃ万全で行きたいのでしょうかね?

まあ、「EARTH」内部での罠などの相手もあったんでしょうし。

翼刀
「一撃打ち合って分かったと思うけど、親父は俺よりも確かに強い」

きっと四章の時にやられたのは、息子に油断したからなんだな。

翼刀
「じゃなきゃ、あの鉄流始まって以来の化け物が、俺なんかに殺されるもんか」



ここからは、サーヴァントもホイホイ出してホイホイ倒されていきます。
特に仮面ライダー勢は。


音也
「なんで俺だけ・・・ほかの二人は生きてるのに!!」

だってあの中だと、潔く逝ってくれるの音也さんしか思いつかなかった・・・・
草加はあんなキャラだし、おやっさん簡単にやられてくれないし!!


というかおやっさん、自分でセルトマンやる気満々だよ。
翔太郎たちに任せられるならそれでいいけど、自分を越えられないんならダメだ、ってことでしょうね。

渋いわ。



混乱し始めてきたので、作者自身の整理を含めて現サーヴァントは


ライダー:草加雅人(仮面ライダーカイザ)

ライダー:鳴海壮吉(仮面ライダースカル)

ブレイカー:鉄翔剣

キャスター:プレシア・テスタロッサ

のみですね。


シグナム
「ずいぶんと減ったものだな」

アギト
「でもまだ召喚できんだろ?ずっこくない?」


まぁまぁ・・・・・
もっとずるくいくからさ

一同
「作者の外道め」

えぇ!?
とはいっても多分出しきれるものではないので、幾つかは斬り捨てるキャラもいると思うので、あしからず。


そして登場、プレシアさん。
身体の不調さえなければ、なのはシリーズトップクラスの大魔導師。

そんな彼女の戦いとは・・・・!?


フェイト
「次回・・・・えぇ!?」

アリシア
「お、お母さん、それはさすがに・・・・」

ではまた次回 
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