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第二章

「マスコミのことがね」
「悪い人達を見付け出して世の中に知らせてくれるんでしょ」
「だからいい人達って言ったわね」
「そうだったじゃない」
 実際にというのだ。
「それがどうしてなのよ」
「だから、そう言う人達でもね」
 そのマスコミの世界にいる者達、即ちジャーナリストと呼ばれる立場の者達でえある。
「悪いことをするのよ」
「不祥事?」
「それをするのよ」
 彼等もというのだ。
「だからね」
「それでねのね」
「今度は痴漢よ」
「えっ、痴漢って」
「それで捕まったのよ」
「それ最悪じゃない」
 女の子としてだ、真央は心から思った。
「痴漢で捕まるなんて」
「そう、それもね」
「それも?」
「マスコミの人ってこういうので捕まることが多いのよ」
「そうなの」
「痴漢とか暴力沙汰とか。ネットではよく出るわ」
 彼等のそうした犯罪行為がというのだ。
「この前だってあったし」
「そうだったの」
「他人を批判するけれど」
 とかくあれこれとだ。
「けれどね」
「自分達はなのね」
「そうしたことが普通なのよ」
「何ていうか」
 真央は真希のその言葉を聞いて神妙な顔になり言った。
「子供の頃はね」
「お母さんも最近まではよ」
「マスコミの人達は正しいって思っていたのに」
「それがなのよ」
「違うの」
「そうよ」
 その実はというのだ。
「調べればどんどん出て来るわよ」
「マスコミの人達の悪事が」
「とにかくね」
「じゃあ」
 その話を聞いてだ、真央はまた言った。
「正義の味方と思っていても」
「そういうの特撮だってあるでしょ」
「アニメでもね」
 真央もそう言われて気付いた。
「いい人、正義の味方って思っていたら」
「そうした人や組織がいるから」
「現実もなのね」
「そう、そしてそれはね」
「日本ではマスコミの人達がなのね」
「そうした人達だったのよ」
 まさにそれだというのだ。
「いや、真央ちゃんに教えたけれど」
「実はなのね」
「そうした人達だったのよ」
「とんでもない話ね」
「そうね、それにね」
「それに?」
「さっきそうしたこと言ったけれど」
 真希は娘にこうも言った。
「正義の味方、いいことをしているとか言ってる人こそね」
「それで他の人を批判している人こそ」
「疑ってかかるべきよ」
「自称正義の味方は」
「そういうものなのよ」 
 こう娘に言うのだった。
「わかったわね」
「そうなのね、正義の味方は実は悪人」
 特撮やアニメである設定からだ、真央は母の話を考えていた。 
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