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世界に痛みを(嘘) ー修正中ー

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B・W編
  歓迎の町ウイスキーピーク

 ウイスキーピークの住民から熱烈な歓迎を受けたルフィ達
 現在、メリー号はウイスキーピーク島を2つに分かつ沿岸の側に停泊されていた。

「「「ようこそ、歓迎の町ウイスキーピークへ!!」」」
偉大なる航路(グランドライン)へようこそ!!」
「ようこそ我々の町へ!」
「海の勇者、海賊に万歳!」
「宴の用意を!」

 老若男女問わずこの島の住民はルフィ達をまるで英雄のごとく歓迎する。
 サンジは可愛い女の子に夢中になり、ルフィとウソップは自分達の英雄の如き扱いに有頂天になっていた。



「よぐっ……!!ゴホンッ、マーマーマーマ~♪よくぞ、このウイスキーピークにお越しくださいました。私はこの町の町長のイガラッポイというものです。今夜はぜひ我々のおもてなしを受けてください」

 姿を現すは髪を左右に均等にロールケーキのように巻いている長身の男
 左手にはトランペットを有し、髪のことも合わさりとてもインパクトのある特徴をしている。
 彼はこの島の代表として此方に歓迎の意志を示している。

 見るからに怪しい。
 何処の世界に海賊をここまで大々的に歓迎し、ましてや宴をもてなす島があるのだろうか。
 流石にここまで見え透いた罠にかかるやつはこの一味にはいないだろう。

「「「喜んで~っ!!」」」
「「「……」」」

 訂正、いた。

 警戒心も無しに歓迎を受けるルフィ・サンジ・ウソップ(3バカ)
 彼らは生き生きと肩を組み町に繰り出していった。
 そのメンバーにサンジがいることは驚きものである。

「……なあ、ナミ」
「何、アキト?」
「サンジはこの一味のなかでも比較的常識人だと思ってたんだが。そこんとこどうなんだ?」
「……サンジくんは女に弱いのよ」
「あっ(察し)」

 サンジと出会った時も、ナミの隣に立っているだけで威嚇してきたことを覚えている。
 船上ではナミにイイように使われ、意気揚々と恋の奴隷と化していた。
 流石に女好きであるとは思っていたがここまでとは想定外だ。

サンジィィィ……

 現状この島を疑っているのは自分とナミ、そしてゾロの3人のみ
 自分達がしっかりしなれば

「ねェ、イガラッポイさん。この島の"記録(ログ)"はどれくらいでたまるの?」
「"記録(ログ)"?そんな堅苦しい話はさておき我々の宴を受けてください」

 ナミがこの島のログについて尋ねるも華麗にスルーされる。
 あからさま過ぎる。
 この時点で完全にこの島は黒だとアキトは確信する。

 やがて太陽が沈み、ウイスキーピークの歓迎の宴が月光の下のもと行われた。







▽▲▽▲







「そこで俺は凪の帯(カームベルト)の海王類どもに堂々と言ってやったんだ。『俺の仲間に手を出すな!』ってな」

 ウソップは捏造した物語を饒舌に語る。
 周囲の女性達は彼の熱弁に心を打たれている。
 酒の勢いもありウソップの語りは止まらない。

 いや、海王類をメリー号から一掃したのは俺だから、アキトは心のなかで呟く。
 空気を読んで口には出さなかったが

「まあ、あの海王類どもの大きさにはさすがにビビったね」

 確かに、ウソップの足は震えていた。
 海王類の存在に気圧され、終いには気絶していたが
 ウソップを馬鹿にしているわけではないのだが、事実だ。

 その後もウソップの語りは止まらない。
 ここまでくると彼の嘘付きとしての語りに尊敬の念を抱かずはいられない。
 将来、ウソップの嘘は皆を救うことになるのではないかとアキトは思った。

「うおおっ!すごいぞ10人抜きだ!」
「こっちのねーちゃんは12人抜きだぞ!酒豪たちの勢いが止まらない!」

 向こうではジョッキを片手に酒を豪快に飲むナミとゾロの姿があった。
 周囲には飲み比べにて潰れた敗者が倒れている。
 ゾロもナミに劣らずの酒豪であるようだ。

「こっちでは船長が何人ものコックを相手に暴食してるぞォ!」
「こっちのにーちゃんは20人の娘を一斉にクドこうとしている!何なんだこの一味はァ!?」

 ルフィは料理を食って食いまくる。
 腹が大きく膨れ上がるまで食し、ゴム人間の特性を活かした暴食に走るルフィの姿があった。
 対するサンジは数十人の女性を口説いている。

「うおおっ!こっちのにーちゃんは10人の娘を相手にしているぞ!」

 アキトは周囲を10人の女性たちに囲まれていた。
 女性達の距離は近く、少し動けば肩が触れ合いそうなほどの距離である。

 むしろ彼女たちからアキトにグイグイ接近してくる。
 先程から幾度も肩だけでなく、太腿や上半身による接触が起きている。
 アキトは表情を崩すことなくジョッキを口に運んでいたが

 海賊を歓迎する怪しさ満点の町で気を許すなどどうかしている。
 ジョッキに酒を注がれながらもアキトは警戒を怠らなかった。

 だが、アキトが女性に囲まれている状況に我慢ならない人物もいた。

「……」

 ナミである。
 アキトをジト目で見据えている。

 全く動じていないとはいえアキトが自分以外の女性に囲まれている光景はナミにとって気分の良いものではなかった。
 ナミは無意識にジョッキを握る力を強める。

「アキト!そっちで飲んでいないでこっちで飲みなさい!」

 酒の影響で普段より大胆になっているのかもしれない。
 ナミの行動はアキトの周囲の女性達に嫉妬しているのは一目瞭然であった。
 本人は無意識による行動で気付いていなかったが 

「ん?ああ、分かった。」

 対するアキトはいつもの調子で答え、ナミに向こう側の席に引っ張られていく。

「一緒に飲むわよ、アキト!」
「酔っているな、ナミ」
「酔ってらいわよ!」
「いや頬も赤いし呂律も回ってないぞ?」

 ナミは酒の影響で呂律も回っておらず、頬がほんのりと染まっている。

「そんらことらいわよっ!」
「いや、明らかに酔ってる……!?」
「わたしの酒を飲みらはい!」
「いや俺自分のジョッキ持って……!?」

 その後、宴ではナミに酒を無理矢理飲まされるアキトの姿が目撃された。
 腕を肩に回され、ジョッキを口に押しあてられている。

 アキトにナミを止める術はなかった。
 この後、延々とアキトはナミに酒を飲まされることになった。

 こうして賑やかな宴は瞬く間に過ぎていく。



「あ~も~むり」

 遂にナミがダウンする。
 演技であることはアキトは気付いていたが

 ナミは此方にしなだれかかる形で頭を預けてくる。
 ナミを胸で抱きとめることで受け止め、アキトもソファーにダウンする。

 ルフィとゾロ、サンジ、ウソップの4人も見事にダウンしていた。







「ナミ。そろそろ起きてもいいと思うぞ」

 アキトはナミの左頬をペチペチと軽く叩く。
 ナミはアキトの上着を手で軽く引っ張り、頬を赤らめながらジト目で睨み付ける。

 酒の勢いに押されたとはいえ、この状況はとても恥ずかしいのだろう。
 アキトの腕の中に包まれていることに嬉しさを感じていたのも事実だが

 今のナミは羞恥心と嬉しさの板挟みの状況であり、アキトの顔を直視出来ない。
 対するアキトは動じず、普段と変わらぬ様子だ。

「ナミ、取りあえずここから移動するぞ」
「う~、分かってるわよ」

 アキトは未だに頬が赤いナミのを引き連れ、外に出る。
 因みにルフィ達は放置である。







▽▲▽▲







 時は遡る。

 宴が行われた建物の外ではゾロがこの島の全住民と対峙していた。
 彼らの正体は偉大なる航路(グランドライン)に入ってきた海賊達を稼ぎとする賞金稼ぎであった。

 屋上からゾロが意気揚々と見下ろす。

「つまり、こういうことだろ?この島は"賞金稼ぎの巣"。偉大なる航路(グランドライン)に入ってきたばかりの海賊達を宴でもてなし、眠ったところをカモろうってわけだ。……相手になるぜ"B・W(バロックワークス)"?」

「き、貴様!?なぜ我が社の名を!?」

「昔、俺も賞金稼ぎをしていたことがあってな。そのときにお前らの会社にスカウトされたことがある。社内ではコードネームでお互いを呼び合い、社長(ボス)も含めたあらゆることが謎に包まれている犯罪集団、それがB・W(バロックワークス)。へへ、秘密だったか?」

「まさか我々のことを知っているものがいようとは……。秘密を知られた以上消すしかあるまい。また1つ、サボテン岩に墓標が増える」

 ウイスキーピークのサボテン岩の刺は全て墓標によって形作られている。
 しかし、海賊達の墓標を作っているとはかなり律儀なものだ。

「まあ、アキトとナミはお前らのことを最初から疑っていたと思うぜ。今ごろなかで起き上がっているころだろ。で、どうする?俺を()るか?」

 彼らの応えは応戦
 銃・刀・ラッパを構え始め、ゾロへと牙を向く。


『殺せっ!!!』


「単純だねェ。……さてと俺も新しく手に入れたこいつらの試し切りをお前らでさせてもらうとするか」

 ゾロは新たな刀である"雪走(ゆばしり)"と"三代鬼徹(さんだいきてつ)"を抜刀する。

 こうしてゾロとこの島の全住民が対峙した。







「まっ、こんなもんだろ。」

 ゾロと賞金稼ぎの間の戦いは瞬く間に終わりを迎える。

 突出した戦闘力を持った手合いはおらず、ゾロの敵ではなかった。
 所詮は数だけを集めた烏合の衆であり、ゾロの足元にも及ばなかった。

「ふー、やっと静かになった。これで安心して酒を飲める」

 ゾロは屋上から眼下のウイスキーピークの街並みを見ながら酒を飲む。
 眼下には賞金稼ぎ達が地に伏している。

「ん?……何だあいつら?」

 地上では新手が登場していた。
 2人組の男女のペアだ。

 女性は帽子を被り、雨が降っていないのもかかわらず傘を差している。
 男性はサングラスをかけ、の数字が描かれた服装に身を包む。

 見たところB・W(バロックワークス)の手の者だが、決して友好的な雰囲気ではない。
 どういう状況なのだろうか。
 仲間割れだろうか。



 どうやら話を聞くに組織の裏切り者を始末する命を受け、この島を訪れたようだ。

 組織の裏切り者はこの島の町長であるイガラッポイとミス・ウェンズデー
 そこから始まる2人の抵抗

「裏切り者の名はアラバスタ王国王女……」
「くたばれ!"イガラッパッパ!!"」

 イガラッポイによる散弾銃(ショットガン)が炸裂する。
 爆発が起き、爆煙が周囲に吹き荒れる。

 しかし、被弾したにも関わらず依然として男は無傷
 時間を稼ぐことも叶わずイガラッポイは倒れ伏す。

「裏切り者の名はアラバスタ王国護衛隊長イガラム、そしてアラバスタ王国王女"ネフェルタリ・ビビ"」
「……!?よくもイガラムを!!」

 Mr.9はミス・ウェンズデーを庇うべくアクロバットな動きで特攻する。
 だが、抵抗虚しく鼻くそでMr.9は爆発を伴い吹き飛ばされていった。

「おいおい何て恐ろしい鼻くそだ……」

 何という鼻くそであろうか。
 世界一汚く、受けたくない攻撃だ。
 とても鼻くそとは思えないほどの威力を誇っている。

「ったく、何なんだよ。それよりもルフィを運ぶか。……ん?」
「剣士殿、お願いがありまする!王女をあの2人組から守ってくださるまいか!?」

 ゾロの足元に縋りつき懇願するイガラッポイ、改めてイガラム
 藁にも縋る必死の形相をしている。

「知るか!?それはてめェらの事情だろ!?それにその王女様ならもう1人で逃げちまったぞ!?」
「あの2人は両者とも能力者ゆえ王女が捕まるのは時間の問題!それに、もし王女を救い出してくださればあなたに莫大な恩賞を約束……ゴホッ!!」
「莫大な恩賞って本当?」
「んァ?」
「その話のった♡恩賞は10億ベリーでいかが?」

 騒ぎ立てるゾロの頭上からナミの声が響いた。







▽▲▽▲







「その話のった♡恩賞は10億ベリーでいかが?」

 屋上ではナミが得意げな顔で足を組み、此方を指差している。
 彼女の背後でため息を吐くアキトの姿も

「お前かなり飲んでいたように見えたが、大丈夫なのか?」
「問題ないわよ。私がこんな海賊を歓迎する町で酔うなんてヘマ犯すわけないでしょ。演技よ、演技」
「そのわりには俺に絡み酒をしてきたし、最後には抱き着いてダウンしていたが……」
「余計なこと言わないでよ、アキト!?」
「へ~」

 ゾロは両者の遣り取りにニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。
 またナミに殴られたいのだろうか。

 ナミは既に頬を少し赤く染めながら拳を握りしめているのだが

「こ、こほん。それよりもその王女様を無事助けることが出来れば10億ベリーを約束してくれるの?」

 ナミは先程の発言を無かったことにし、交渉を開始する。

「じゅ…10億ベリー!?」

 イガラムさんは余りの巨額の大金の要求に狼狽え、口籠ざるを得ない。

「まさか一国の王女の救出にお金を出し渋るなんてことないわよね?」

 ナミは畳み掛ける。
 この迷いの無さには尊敬の念を抱くほどだ。

「い、いえ、そんなことは……」

 王女を助けるためとはいえ己の一存で巨額の大金を工面すべきか迷っているのだろう。

「おたくの王女死んじゃうわよ。い・い・か・ら・出・せ」
「恐喝じゃねェか」

 だが、ナミは恐喝まがいのことを平然と行う。
 当然のゾロの突っ込みだ。

 アキトはお金のことになるとどこまでもぶれないナミに少し引いていた。 

「な、ならば無事、王女を救出し、国へ送り届けてくださればこの話は確約いたしましょう!」
「なるほど。まずは王女を助けろってことね」

 取引は無事成立する。
 しかし、お金のことになると途端、人が変わるナミには毎度驚かされるものである。



『さァ!行きなさい、ゾロ!!』

 ゾロが行くんかーい、心のなかで突っ込むアキト

「行くか!?手前ェが行けや!!」
「ナミが行くんじゃないのか?」
「行かないわよ。そういう力仕事は私の仕事じゃないもん」

 いや"もん"って
 少し他力本願すぎではないだろうか。

「ちょっと待てや、手前ェ!何で俺が行かなきゃならないんだよ!?」
「あんた忘れてない?私にローグタウンでお金を借りたこと」
「……!?あのお金ならお前にそのまま返したんだからいいだろうが!」

 どうやらゾロはローグタウンにてナミからお金を借りていたようだ。
 思えばそんなことを言っていたような気もする。

「駄目よ。私はあんたに前もって利子3倍(・・)って言ったはずよ。まだあんたから20万ベリー返してもらってないわ」
「そりゃ屁理屈だろうが!?」

 屁理屈にもほどがある。
 ただナミが言うと不思議と屁理屈と感じられない。

「屁理屈と言ってもらっても結構……」
「認めてんじゃねェか!?」
「それよりもあんた、男のくせに"約束"の1つも守れないの?」

 ゾロの心にナミの言葉が深く突き刺さる。
 アキトはナミの詐欺まがいのゾロへの要求に引いていた。
 否、ドン引きしていた。

 無意識にナミから少し距離を取る。

「分かったよ!行きゃいいんだろ、行きゃ!?手前ェろくな死に方しねェぞ!!」
「そうね、私はろくな死に方しないわ。それよりもさっさと行きなさい」

 遂に折れるゾロ

 憤慨しながらも王女ビビの救出のためにこの場から離れていく。
 アキトはナミにドン引きだ。

「よし、これで何とかなるでしょ。……ってアキトどうして私から距離を取るの?」
「いや、ナミに少し引いた」
「……!?勿論、アキトにはあんなことしないわよ!?」

 ナミはとても狼狽えた様子でアキトに詰め寄った。
 とても必死な様子である。

「いや、分かってるけど。ちょっと引いた」
「アキトに本気でそんなこと言われると結構傷つくから止めてくれない!?」

 本気で傷ついた顔を浮かべるナミ
 先程、ゾロと話していた彼女とはえらい違いだ。

「いや、まあ、うん」

 困ったようにアキトはそっぽを向き、頬を掻く。
 ナミに今なお視線を合わさない。

「何その曖昧な返事!?」
「いや、冗談だから、冗談。だからそんなに必死にならなくても……」

 ナミの予想外の必死な反応に今度は此方が狼狽えてしまう。

「冗談じゃ済まないわよ!?」

 ナミは余程ショックだったのかえらく取り乱していた。
 今もアキトの服の袖を繊維が伸びるほど強く引っ張っている。

「ナミ、お、俺が悪かった。俺が悪かったから服の袖を引っ張るのは止めてくれ」
「そう思っているなら早く、私の傍に寄りなさいよ!」

 まるで痴話喧嘩を繰り広げる2人(アキトとナミ)
 眼前の光景にイガラムは言葉が出なかった。
 先程までの緊迫した雰囲気は何だったのだろうか。


 
「お心遣い感謝する。私にもっとあの方を守る力があれば……。あの方にもしものことがあれば我らの王国は終わりだ……!」
「「……?」」

 彼は自身の力の無さを懺悔するが如く、唇を嚙み締める。
 余程王女のことが心配なのだろう。

「……ナミ。俺も最悪のケースに対処するために王女のもとへ向かおうと思うが、構わないか?」
「……そうね。アキトも王女のもとに向かってくれる?」
「分かった」

 アキトは大気を踏みしめることで跳躍(・・)し、飛翔(・・)し、王女のもとへ向かう。

 ウイスキーピークの騒動はこれで終わりではない。
 此処よりB・W(バロックワークス)という秘密結社とルフィ達の壮絶な戦いは幕を開けるのだ。 
 

 
後書き
ナミは可愛い(正義)
異論は認めない(´・∀・)

ゾロとウイスキーピークの賞金稼ぎとの戦いはカット 
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