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ギャル巫女

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第二章

「礼儀正しいし真面目な娘だね」
「そうですか?」
「うん、あたし毎日この時間に参拝してるからね」 
 この神社にというのだ。
「だからね」
「これからもですね」
「宜しくね」
「こちらこそお願いします」
 友美はおばさんと笑顔で挨拶を交えさせた、そして境内に遊びに来た子供達、女の子達とも仲良くなってだった。
 何かと話した、子供達は友美にこう言うのだった。
「友美さんっていい巫女さんですね」
「明るくて真面目で」
「私達に色々教えてくれて」
「外見は派手なんですけれど」
「うん、ファッションはね」
 それはとだ、友美はその派手な外見で話した。
「好きだからしてるの」
「ガングロ、パツキンにメッシュ入れて」
「メイクも派手にしてるんですか」
「派手な風にしたくて」 
 それでというのだ。
「こうしたの」
「そうなんですね」
「お好きだからその格好ですか」
「けれど外見に似合わず真面目ですよね」
「礼儀正しくて」
「そこはね、お母さんは外見は派手でも」
 それでもとだ、友美の母は実際に彼女に言ったのだ。
「中身はしっかりしなさいってね」
「そう言われたんですか、友美さんに」
「そうだったんですか」
「それで友美さんはですか」
「真面目なんですか」
「それで礼儀正しいんですね」
「そこはお母さん厳しかったから」
 だからだというのだ。
「私もそうなの」
「ううん、凄いギャップですね」
「ガングロキンパツですし」
「アクセサリーも一杯ですし」
 見ればネックレスにイヤリングにブレスレットと実に派手だ、指には指輪があるがピアスはしていない。
「それでもなんですね」
「内面は真面目に」
「お母さんに言われてるんですか」
「お母さん厳しくて怖いから」
 このことは少し苦笑いで言う友美だった。
「お祖母ちゃんもそうだしお姉ちゃんもね」
「だからなんですね」
「友美さん外見はそうでも中身はですか」
「真面目なんですね」
「そう躾けられたの」
 こう話すのだった、とにかく友美は外見は派手であったが内面は真面目で礼儀正しくまさに巫女に相応しかった、それでだった。
 神主もだ、友美に笑顔でこう言った。
「いや、友美ちゃんの性格を見てね」
「採用してくれたんですね」
「人は外見で判断するなっていうし」
 この言葉もあってというのだ。
「そうしたんだ」
「そうでしたか」
「そして採用してね」
「よかったですか」
「そう思うよ、ただね」
「ただ?」
「ここによく来る子供達が言ってたけれど」
 友美と仲のいい彼女達からだ。
「友美ちゃんお母さんとお祖母さんに躾けられたんだよね」
「はい、そういうのには厳しくて」
「それでなんだ」
「こうした性格になったと思います」
「その外見はファッションだね」
「それは好きにしていいって言われて」
 それでというのだ。
「中身はです」
「あくまでなんだ」
「真面目にしろって言われてまして」
 そうして躾けられてというのだ。 
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