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レーヴァティン

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第二十一話 風呂屋での情報収集その六

「ラテン系の顔にな」
「ゲルマン系の顔立ちの方もですね」
「いるな、背が高い人も低い人も」
 ゲルマン系が高い、ラテン系が低いという認識での言葉だ。
「それにどっちでもない感じの」
「スラブ系ですね」
「そうだよな、その人達もいるな」
「この島はどうもです」
「民族が混在しているんだ」
「そしてそれもです」
 その民族の混在もというのだ。
「この島で血生臭い戦争に至っていない理由かと」
「混在しているとお互い知り合っててか」
「血縁も出来ますし」
「殺しにくくなるか」
「そのこともある様です」
 例え戦争が絶えない島でもというのだ。
「領民は戦になればすぐに逃げて戦見物をしています」
「そこ戦国時代の日本だな」
「城内の民達も戦の前は安全な場所に逃げますし街の方もそうさせるならわしもあります」
「だから余計にか」
「民は巻き込まれません」
「城塞都市でもそうなんだな」
「残る方は残りますが」
 それでもというのだ。
「多くの方はです」
「逃げるか」
「そうなっています」
「それで攻める方芋か」
「逃げた者達はです」
 そうした市民達はというのだ。
「手を出しません」
「後で自分のところの領民になるしな」
「そのこともあってです」
「手を出さないか」
「そうです」
「そうしたところはいいな、やっぱりな」
 久志は湯舟の中で腕を組んで言った、言いつつ身体がかなり熱くなってきているのをか案じていた。
「戦はあってもな」
「虐殺はですね」
「ないに越したことはないな」
「全くですね」
「というか当時の欧州がな」 
 智が言うには。
「異常過ぎるだろ」
「まあ戦争ではそうしたことも付きものだけれどね」
「それはな」
「それでも欧州はだね」
「宗教戦争はな」
 十字軍や三十年戦争はというのだ。
「酷過ぎるだろ」
「宗教の毒だな」
「全くだな」
「いや、薬にもなれば毒にもなる」
 源三も言った、その湯舟の中で。
「世の中は何でもそうだね」
「錬金術で生み出すものだけじゃないな」
「そうだよね」
「そういえば金を生み出すのが錬金術だな」 
 その究極の目的についてだ、久志は源三に問うた。
「これも諸刃の剣だよな」
「そう、毒にも薬にもなるね」
「まさにそうだよな」
「そう、無限に富を得られればね」
「使い方によっては世の中の役にも立ってな」
「悪く使うとね」
 その場合はというと。
「とんでもないことになるよ」
「悪事の資金やら経済を崩壊させたりな」
「色々使えるよ」
「そうだよな」
「だから錬金術は危険でもあるんだ」
 錬金術師としての言葉だ、その錬金術を行う。 
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