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『塗り潰した7日間』

作者:零那
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『思考』



考えることさえ無意味だと解った。
何故こんな地下に居るのか。
本当に父さんならこんなことするのか。
記憶が無けりゃ、そんなことさえ解らない。

思い出そうとしても何も出てこない。
此処に来る前は何をしてたのか。
自分の生い立ちさえ忘れてしまう。
急にそんなことが起こるなんてあるのか。

とにかく何か記憶を取り戻さないと...。
あの男を父さんだと鵜呑みするほど馬鹿じゃ無い。
いや、仮に父さんだったら?
特別な理由が在るんだろう。

いや...直感的に父さんでは無いと思ってる。
絶対的では無いけど、父さんだとは感じない。
むしろ他人としか思えない。

一旦落ち着こう。
手がかりは無いのか。
はじめて自分の服に目がいく。

素足なのは何故?
靴が何処にも無い。
最初から無いのか脱がされたのか。
いや、其れは多分重要じゃ無い。

服は...血が付いてたり破れてたりする。
暗くて解らなかったけど、良く見ると相当汚い。
ケガもしてた。
誰かと喧嘩した後なら納得できる。

今日、此処に着て多分3日目。
1日2食、昼頃と夜にコンビニの袋を渡される。
その時のペットボトルが5本並んである。

今解る事実から考えてくしかない。


 
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