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蛇の血をひく日向の子とやりたい放題の剣客たち

作者:笠福京世
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第05話 谷間の世代との学校生活

 木ノ葉隠れの里での生活にも随分と慣れてきた。ボッチだった昔とは違い今は友人もいる。
 大蛇丸の修行は毎日ではないので、日向家から忍者学校(アカデミー)にもちゃんと通わせてもらっている。
 ぴかぴかの忍者学校生徒だ。小康状態とはいえ戦争に駆り出されずに済むのはありがたい。

 「それでは行ってきます」

 「ああ。しっかりと励んで来い」「いってらっしゃい」「頑張って来いよ!」

 「ヒザシさん、ホヘト兄さん、今日も帰ったら体術の稽古お願いしますね」

 「ああ」「おう!」

 僕は大蛇丸の叔母だったという祖母も日向一族の祖父も亡くなっており、
 日向家では一族で面倒を見るということで分家のヒザシ夫妻にお世話になっている。
 こちらには同じ日向の分家で大戦で両親を亡くしたホヘトも一緒に住んでいる。
 兄貴分のホヘトはアンコと同い年で下忍として働いており、中忍になったら一人暮らしをしたいと言っている。
 たしかにヒザシ夫妻さんも20代半ばを過ぎたばかりの新婚夫婦だ。邪魔したら悪いと僕も思っている。

 やはりというか日向は一族の繋がりが強く白眼という血の証明がある僕が迫害されるようなことはない。
 これは籠の中の鳥の呪印のお陰で宗家が一族による裏切りなどを心配する必要がないからかもしれない。
 また分家は同じ境遇の者同士として助け合っているので仲違いがないのだ。
 ヒザシさんにはホヘトと一緒に日向独自の柔拳を教わっている。

 ただ僕は髪の毛が赤色で、両目は白眼、肌は母親譲りの色白と悪目立ちするのが恥ずかしい。
 頭には鉢金(額当て)の代わりに黒のバンダナを巻いているが微妙に似合ってない気がする。
 僕の父親が岩隠れの蒸気忍者の赤ハンであることを知っているのは日向では宗家のヒアシと
 保護者であるヒザシ、木ノ葉の里では上層部(火影とご意見番)と大蛇丸くらいである。

 「マムシ、おはよー」「おはよ」「マムシくん、おはよっ!」

 「ゴホッ、おはよう」「おはようなのです」「おはようございます」

 日向一族から抜け忍が出たというのが知れ渡るのは不味いという政治的な判断があったのかは知らないが、
 ハクジャは戦場ではぐれて現地の住人に命を助けられ、その後に僕を産んですぐに死んだという話が作られた。
 まあ母が里を裏切った抜け忍として汚名を着せられるよりはマシだろう。
 将来的に戦場で血継限界である沸遁忍術とか使うようになったら父親の出自がバレるような気がするけどね。

 そんなこんなで色々とあった割に平穏といえるアカデミー生活を送ることができている。

 さてアカデミーに通う生徒の中で僕が良く知ってる原作キャラだと、
 二つ上に月光ハヤテ、四つ上にうみのイルカがいる。

 ちなみにイルカ先生(まだ先生じゃないけど、つい呼んでしまう)はアンコと同い年だけど下忍になってない。
 この辺は大蛇丸の部下になれたアンコが優秀なのか、イルカ先生が平凡なのか悩むところだ。

 学校も第三次忍界大戦中ということもあるのか年齢により厳密に学年が分かれているわけではない。
 すでに12歳前後で中忍として前線の戦に駆り出されている優秀な子供もそれなりにいるようだし、
 アンコや同居人のホヘトのような若い下忍も後方支援の忍務にあたっている。
 
 僕なNARUTOマニアというわけじゃないのでナルトが生まれる前の話で年表のような正確な記憶はない。
 とりあえずカカシの世代が12~14歳くらいで、それぞれ中忍や下忍として忍界大戦を戦っているわけだ。

 つまり僕はカカシ世代とナルト世代の狭間の「谷間の世代」ということになる。
 まあカカシとナルト間に10年以上の空きがあるけど、
 どうやら僕がイタチとイルカのちょうど中間の年齢なのだ。
 お陰でアカデミーの知人たちが原作にいたような気がするけど……という微妙なヤツばかりだ。

 名前を並べても「誰だコイツ?」ってなりそうなので、
 僕のアカデミー生活の様子も伝えながら何人か紹介してみよう。

 まずは皆が大好きイルカ先生。アカデミー年長で学校のムードメーカーだ。
 僕の両親が二人とも亡くなっていると知って一楽のラーメンを奢ってくれた良い人だ。
 イルカは同い年の壬生シノブ、判物ランカと一緒にいることが多い。
 三人とも早く下忍になって里の役に立ちたいっていう気持ちも強いが、ぶっちゃけ忍びとしては凡才だ。

 僕の三つ上の長い前髪を垂らしてスカした感じの神月イズモと、
 イズモと仲が良く、ツンツンと尖った髪の毛で背中に鋼の槌を背負っている、はがねコテツは、
 筆記のテストの成績で年下の僕に負けてるのが悔しいのか体術の授業でよく突っ掛かってくる。
 正直うっとおしいが前世と違ってイジメじゃないだけマシだ。相手もガキだし僕も余裕がある。
 薬師の家系である草本一族のクスシが、いつも間に入って二人の宥め役を努めている。

 まあ僕は分家のみなしごとはいえ日向の一族だし、従伯父さんは“あの”大蛇丸だ。
 堅気なら下手に喧嘩は売りたくない相手だろう。
 もし自分が逆の立場でイジメて「大蛇丸にチクる」とか言われたら怖いわ。言わないけど。
 っていうか言っても取り合ってくれるか分からないし、取り合って禁術の実験台とかにされても困る。

 二つ上には穏やかな性格で個人主義なところで気が合う月光ハヤテがいる。
 コイツは子供のときから病弱っぽく授業中にもコホコホと咳をしてるが、
 忍術も得意だし、スピードも同世代では、うちはシスイに次ぐと言われている。
 シスイはすでに下忍として活躍しているが、ハヤテも病弱でなければ下忍になれただろうと言われている。
 この年代は奈良マエン、山中サンタ、日向イロハといった有力な一族の子供たちもいて意外に層が厚い。
 ちなみにシスイ以外はアカデミーに通ってる。

 大戦中とはいえ、火の国と風の国が休戦し、砂隠れの里と同盟の話し合いが行われており、
 少しずつ戦争の終わりも見えてきているという状況で、
 10歳未満の子供を下忍として徴兵するのを三代目は望んでいない様子だ。

 まあ大蛇丸なんかは「猿飛先生は甘いわね」って言ってるし、
 たぶんダンゾウが火影だったら「そんなの関係ねぇ!」って裸で踊って少年兵とか薬漬けにして使いそうだ。

 いつも顔色が悪いハヤテを心配そうに見つめているのが僕の一つ上の卯月夕顔。
 彼女は同世代のくノ一の中で実力No1と言われているクール系の正統派美人で男子の人気も高い。

 そんな卯月夕顔を密かに狙っている男子たちが、
 両親が木ノ葉病院に勤める体新クマドリ、目つきの悪い観月ダンゴ、
 忍具の扱いが得意な棘糸テッセン、将来は医療忍者になりたいと言ってる木目ミガキの四人だ。
 なんで密かに狙っているのがわかるかって?それこそ360度クラス全体を見渡せる白眼の力だ。
 え?瞳術の無駄遣いだって?これも修行の一つだよ!
 コミュ障なりに会話以外の方法でクラスの情報収集に努めているのだ。

 さて僕の同い年で仲が良いのは「忍に向いてないんじゃあ……」と心配になるくらい心の優しい奈良一族のカスガ。
 同じ日向一族で白眼を使った悪巧みを一緒に考えるトクマ、
 鳥を使って諸国の伝令を務める鳥風一族のナトリ、判物一族のくノ一ユリカ、
 さらにシスイの妹で、うちは一族のくノ一モミジがいる。ちなみにモミジは兄と違って忍びの才能はない。

 判物は調べたらパズルや謎解きのことで、暗号班には欠かせない一族らしい。ユリカも数独パズルが趣味だ。
 ユリカの兄である判物ランカはアンコに惚れてるそうだ。……他人の趣味には文句をつけないのが僕の処世術だ。

 生まれたときから五尾のこくおうと(心の中で)会話してたお陰か、
 前世でひきこもってたときほど人とのコミュニケーションも苦手じゃなくなった。

 ただ会話よりも文章の方が理解できるし、本を読んでいると落ち着く。
 図書室にいることも多くて、図書室の仲間が月光ハヤテと卯月夕顔に、奈良カスガと判物ユリカだ。
 ちなみにこくおうも本が好きで、やはり僕の中に隠れているだけでは退屈なのだろう。読書をせがんでくる。
 意外に低俗な本が好き(今まで読んだことが無かったので興味深いらしい)で僕の読書の趣味と合わないのが難点だ。
 お陰で体新クマドリと木目ミガキから低俗な本が好きな同好の士だというあらぬ誤解を受けている。

 体術も少しずつ身に着けており、前世と違って身体を動かすのが楽しい。
 というか上忍になれるくらいの才能はあるのだろう。
 運動神経も悪くはないので成長が楽しくって仕方ない。
 忍者スゲーってなるし、読書よりも運動してるときの方がNARUTOの世界に転生したんだという実感がある
 
 少しずつ自信もついてきてコミュ障を克服し、憧れだったリア充になれてる気がしてきた。 
 

 
後書き
谷間の世代ですが、この話で登場した純粋なオリキャラはくノ一のうちはモミジ“だけ”です。
判物、草本、体新、鳥風は名前だけキャラの特徴に合わせて捏造した一族です。

鳥風ナトリ→原作では我愛羅が暁に襲われた際に砂隠れ最速のタカ丸から密書を受け取った伝令の忍び
判物ユリカ→その密書を急いで解読した暗号班の忍び
体新クマドリ→医療忍者でシズネと一緒にペインの検死に当たる。体新は解体新書から
草本クスシ→サスケ奪回チームの救出に向かった医療班の一人でナルトの生存を確認した忍び

秘伝シリーズ(キャラクターオフィシャルデータBOOK)は、
こんなキャラまで名前決まってるの!?という驚きがあって面白いです。 
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