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蛇の血をひく日向の子とやりたい放題の剣客たち

作者:笠福京世
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第04話 先輩はみたらしアンコ10歳

「勘違いしないでよね! 私はれっきとした大蛇丸様の部下!
 アンタはただの従甥っ子。血縁で面倒を見て貰ってるだけなんだから」

 目の前にいるのが、まだまだ団子のように真ん丸いちょっと可愛い感じのお年頃。
 忍者学校(アカデミー)を卒業して下忍になったばかりのみたらしアンコ10歳だ。
 ちなみに押しかけ弟子らしい。僕らがスリーマンセル(3人1組)ではないのはそのためだ。

「ちゃんと先輩と呼んで敬うように!」「……はい。アンコ先輩」

 めんどくさそうな人には口答えせず逆らわないのが僕の処世術だ。

「なんか。テンション低いし辛気臭い」「すいません」

 ジト目で見られた。解せぬ。
 僕も従伯父の大蛇丸と同じクール系のキャラなはずだけど扱いが違わない?

「はいはい。アンタたち真面目に修行しなさい」

 意外と言っては失礼かもしれないが大蛇丸は真面目に修行をつけてくれている。
 というか表向きは、次期火影候補の仮面を被ってるからだろう。指導者としてはまともだ。
 トレーニングも理に適っているし、術などの教え方も上手い。
 最初は大蛇丸なんて嫌って思ってたけど、今のところ文句の付け所がない。
 
「マムシは集中した状態でのチャクラコントロールは見事よね」

 六歳児だがチャクラコントロールは中忍に匹敵するらしい。
 ひっそりと隠れて住んでいたので、あまり派手な術の訓練ができなかったから
 基礎であるチャクラの練り上げと調整(コントロール)はしっかりと磨いた。

「コツでもあるのかしら?」「日々の瞑想でしょうか?」

「子供らしくない答えね。でも集中するには理に適っているわね」

 まあ大蛇丸には教えないがコツはある。

 白眼の洞察眼の能力を外ではなく内側に向ける。
 他者のチャクラの流れを視るように、
 自らの経絡系に流れるチャクラを可視化してコントロールする。
 視えないチャクラを感覚でコントロールするのとは精度が違うのは当たり前だ。

 僕はこれを“内観”と勝手に呼んでる。
 なぜなら日向一族の人間もどうやら内観を使ってはいないようなのだ。
 ちなみに内観は、外側に使う白眼の使用に比べて精神(スタミナ)の消耗も少ない。
 これは誰にも教えていない奥の手の一つだ。

 最古の血継限界といわれる白眼には透視、望遠といった探知能力や
 日向流の柔拳の他に更なる使い道や発展性があると個人的に思っている。

「課題があるとしたら絶えず動き回る戦闘でのチャクラの調整と持続かしら」

「まだ身体も十分にできてませんしね」

「そうね。体術は日向家にお任せするとして貴方には秘伝忍法を身につけてもらうわ」

「大蛇丸様! 私は!?」

「ごめんなさいね。蛇一族に伝わる軟の改造は一族以外のアンコに伝えるなら
 赤ん坊の頃から特殊な薬を飲ませて身体を改造する必要があるの」

「無理なんですか。そうですか」

 ガックリと肩を落としてるけど、軟骨丸(なんこつがん)という怪しげな秘薬を毎日呑んでる僕の身になって欲しい。
 お陰で関節が柔らかくなって身体がどんどんと蛇化している。便利といえば便利だけど少し泣きたい。

 軟の改造って原作の中忍試験で出て来た音の忍も使ってた記憶が、
 さすがに蛇一族ではないだろうから、アレは赤ん坊の頃から文字通り改造されてたのか……南無三。

「アンコは教えてる蛇術をしっかりと身につけることね」「はい! 大蛇丸様」

 そう蛇術といえば口寄せの契約も結びました。
 まだチャクラがそれほど多くないから大物は呼び出せないけどね。性格の良い蛇もいるよ?
 転生前に用紙に書いてた望みは叶えられてるけど、空飛ぶ系の生き物が良かったな。

「それに蛇術を身につけた後――さらに“力”が欲しければちゃんと相談に乗るわよ」

 大蛇丸が舌をチロリと出しながら怪しい目をしてアンコを見つめている。
 見つめられたアンコはキラキラと瞳を輝かせてるけど、たぶん“力”って呪印じゃないのかな?

「マムシ、アナタもよ。力を求めるなら、いつでも相談に乗るわよ」

 日向一族の呪印に加えて、大蛇丸の呪印とかノーサンキューすぎるわ。
 ってか同じ一族だから身体のスペア(器)として丁度いいとか?血継限界持ちだしな!
 アンタは白眼じゃなくって写輪眼の方が好きなんだろ?こっちくんな。
 うわっ……気づいてしまったけど、僕って死亡フラグ多過ぎ。
 五尾(こくおう)を狙う暁の他に、大蛇丸にも狙われてるのか……後はダンゾウにも。泣きたい。

「いえ従伯父上には頼らず、まずは自分の力で頑張ってみたいと思います。ハイ」

「……欲がないのね。その辺は優しかった従妹にソックリかしら?」

「はぁ、そうなんですか?」

「あの子も他人を傷つけるのが嫌で医療忍術を習っていたわね。
 精細なチャクラコントロールが得意なのも母親の血を引いたのかしらね」

「そういえば、母は誰から医療忍術を習ったのですか?」

「……綱手よ」「えっ? 大蛇丸と同じ“三忍”の綱手様?」「そうよ」

「てっきり僕は大蛇丸様から習ったのかと」

「たしかに私も医療忍術を扱えるけど、綱手はその道のプロフェッショナルだからね」

「なるほど」

「あら? 医療忍術にも興味があるかしら?」

「お子様のマムシに医療忍術なんて百年早いわよ! 蛇術も私より覚えが悪いし火遁だって下手くそじゃない」

 アンコがライバル心剥き出しで割って入る。蛇術はどうも他の術に比べて覚える気がしない。
 そして火遁はたしかに得意ではない。
 僕は水遁と火遁を組み合わせた沸遁使いの才能を秘めた血継限界の持ち主だが、
 自分のチャクラの性質に合った術は、土遁→水遁→火遁の順で三つの術を使うことができる。

 水遁は火遁より苦手と偽っているし、最も得意とする土遁が使えることは今のところ内緒にしている。
 ダンゾウにも目をつけられてるし、ヘンに才能を示して暗部に入れられたくないからだ。
 僕は見守りポジションでやっていきたいから能ある鷹は爪を隠すを地で行くつもりだ。

 木ノ葉に逃げて来る前に水遁と土遁を混ぜた木遁ができないか試したが無理だった。
 あれはやはり千手の血族だけなのだろうか。ダメ元で用紙に書いとけばよかったかもしれない。

 そんなこんなで子供らしく木ノ葉隠れの里でじっくり修行に励む日々が続いている。 
 

 
後書き
白眼の“内観”など今後は白眼を独自解釈で用いたオリジナル忍術がでる予定です。
オリ主は神様転生だけあって充分にそこそこチートな素質を秘めていますが最強ではないです。 
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