和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する

　飯島良の観戦手記より一部を抜粋し時系列に並べた。
　彼による『アキラの青春』は後に映画化される。

H26年〇月〇日

　国際棋戦で“魔王”高夏永との世界最強の棋士を懸けた戦いが期待されていたが、
　塔矢アキラ七冠は今年は七冠防衛に注力したいとして国際棋戦の不参加を表明する。

H26年〇月△日

　棋聖戦　塔矢アキラ　vs　緒方精次　　→塔矢が兄弟子を寄せ付けずタイトル防衛

H26年△月△日

　十段戦　塔矢アキラ　vs　東堂シオン
　→二人のプロの舞台での初手合となるが塔矢が会心の打ち回しで防衛に成功
　対局に負けた東堂シオンが大粒の涙を流す。記者が質問するがノーコメント。
　次のタイトル挑戦に棋士人生を懸けるとだけ言って会見から去る。

H26年△月▽日

　本因坊　塔矢アキラ　vs　進藤ヒカル
　→本因坊奪取に強い意欲を燃やす進藤から塔矢が鬼気迫る打ち回しでタイトル防衛

H26年◇月×日
　
　碁聖戦　塔矢アキラ　vs　東堂シオン
　→今年二度目の同一カードでのタイトル争いだが塔矢が神懸かり的な打ち回しで防衛
　後に東堂シオンが「盤の下に毒薬を置いて、負けた方が飲むというような勝負だった」と語る。

H26年◇月▽日

　名人戦　塔矢アキラ　vs　進藤ヒカル　
　→挑戦手合七番勝負、対局中に塔矢名人が倒れて緊急入院。

H26年▽月〇日

　塔矢アキラ。享年26歳。
　七冠棋士の突然の訃報に囲碁界が騒然となる。

H26年12月×日

　王座戦　越智康介　vs　社清治　→越智王座
　天元戦　倉田厚　vs　和谷義高　→倉田天元

　塔矢棋聖・十段・本因坊・碁聖(空位)、進藤名人、越智王座、倉田天元
　女流棋界は「三すくみ」を破った香川いろはが女流四冠を再び独占

H26年12月◇日

　『ほんいんぼうのおしごと』がアニメ化(1クール12話)してしまう。印税生活が羨ましい。

　にやにや動画の番組内で、ほんいんぼうのおしごとのイラストを描いた津田久美子女流が、
　あまりのヘタさに画伯と呼ばれるようになり、ネットを通じて呼称が広がった。

H27年〇月×日

　棋聖戦　奈瀬明日美　vs　進藤ヒカル　→奈瀬棋聖が誕生(*史上初の女流棋士による三大タイトル保持者)

H27年03月×日

　第10回KGS杯コンピュータ囲碁大会で優勝した和-Ai-は2子置で津田久美子女流と対局し勝利。
　すでにトッププロに勝てる実力があるとし、来年の春に一柳名誉棋聖との三番勝負を行うと発表する。

H27年△月△日

　十段戦　進藤ヒカル　vs　東堂シオン　→東堂シオンが十段

H27年△月◇日

　本因坊　進藤ヒカル　vs　倉田厚　　　→進藤ヒカルが本因坊に復位　新旧本因坊対決

H27年◇月×日

　碁聖戦　緒方精次　　vs　畑中新　　　→緒方精次が碁聖に

H27年◇月▽日

　名人戦　進藤ヒカル　vs　東堂シオン　→東堂シオンが名人位を奪取(*史上初の女性名人の誕生)

H27年▽月△日

　王座戦　越智康介　　vs　伊角慎一郎　→伊角王座が誕生

H27年▽月〇日

　天元戦　倉田厚　　　vs　香川いろは　→倉田天元が防衛　同門の兄妹弟子対決

　倉田天元は天元戦で『ほんいんぼうのおしごと』の萌えイラストが描かれた扇子を持って対局

H27年12月×日

　七大タイトル保持者
　奈瀬棋聖、進藤本因坊、東堂名人・十段、伊角王座、倉田天元、緒方碁聖　女流棋士が大躍進
　立花みほしが女流本因坊に、香川いろはが女流三冠、女流棋戦が一つ増えて女流タイトルが五つになる。

H28年01月×日

　世界最大級のインターネット企業が秋に世界最強の棋士“魔王”高夏永と囲碁AIの五番勝負を行うと発表

H28年△月×日

　棋聖戦　奈瀬明日美　vs　東堂シオン　→二大女流棋士の初タイトル戦、奈瀬女流が防衛

H28年03月×日

　一柳名誉棋聖と和-Ai-の対局は人間の2勝1敗となり、
　和-Ai-は初めてトッププロを互先で破った囲碁AIとして歴史に刻まれる。

　一柳名誉棋聖はネット碁の和-Ai-には及ばないが、いずれは追いつき超えるだろうと発言。

H28年〇月×日

　十段戦　東堂シオン　vs　緒方精次　　→東堂シオンが防衛

H28年05月05日

　進藤ヒカル(28)が藤崎あかりと婚姻届けを提出
　津田久美子女流から婚期を逃しつつあること気づき婚活について相談される。
　ちなみに立花みほし女流は既に結婚している

H28年〇月◇日

　本因坊　進藤ヒカル　vs　東堂シオン　→進藤ヒカルが防衛

H28年◇月×日

　碁聖戦　緒方精次　　vs　社清治　　　→社清治が碁聖を奪取

H28年10月×日

　BetaGo（アルファベットの2番目の文字）が韓国の“魔王”高永夏を相手に五番勝負で3勝2敗。
　高永夏は14年前の和-Ai-との対局がなければ自分は一勝もできなかっただろうと発言。
　BetaGoを破った一手は“神の一手”と呼ばれることになる。
　
　また1年後にバージョンアップした和-Ai-とBetaGoの囲碁Ai同士の最強を決める対局が行われることが決定。
　そしてプロとアマ、そして人工知能が対戦する国際棋戦「桐嶋杯」が来年に開催されると発表される。

H28年◇月▽日

　名人戦　東堂シオン　vs　畑中新　　→東堂シオンが防衛

H28年▽月×日

　王座戦　伊角慎一郎　vs　門脇龍彦　→門脇龍彦が王座を奪取し初タイトル

H28年▽月〇日

　天元戦　倉田厚　　 vs　奈瀬明日美　→奈瀬明日美が天元を奪取

H28年12月×日

　奈瀬棋聖・天元、進藤本因坊、東堂名人・十段、門脇王座、社碁聖　囲碁界は再び戦国時代に突入

The story of youth ends, a new history begins. 

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

番外編は第三部春蘭杯編(永遠の一手ENDルート)とは“完全に別物”です。

あくまで第二部北斗杯編後のIFストーリーとしてお楽しみください。

あと日記形式をプロットにして運命の一手編とか書こうと思ったけど需要もないだろうし力量もない。