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魔法少女リリカルなのはエトランゼ(異邦人) 再構築

作者:ケン009
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5部 Sweet Songs Forever
3章 コンサート
  帰国

 それから数日後。
ようやく、チャリティー・コンサート参加者一団は、
日本に向けて出発することになった。
なお、安全に考慮して、イリヤさんが言ったように日本までは専用旅客機をチャーター。  
それで日本までの空の旅を楽しむ事になった。
チャーター便なんて初めて
お金持ちしか乗れない贅沢な乗り物の一つ

 なんで俺のの手を繋ぐっ!?
俺は手を握られた人の顔を見る

「だって、飛行機苦手で・・・」

そう言ったのは、美由希さん。
そう、美由希さんは飛行機がダメ。だから、緊張しまくってる。
初めてじゃないよね飛行機
何が怖いのか。よくわからん
絶対に実弾や刃物が向かってくる方が怖いと思うんだけど

「それに、恭ちゃんは繋いでくれないしさ・・・」

「当然だ。というか、いい加減お前は慣れろ。
美沙斗さんの所に何回行き来してるんだ」

「だって~」

 手をつないでいても落ちる時には落ちるのにね

「・・・平和だな」

 俺はもうその感想しかなかった 

 そうして、イギリスを出発して約12時間。
半日かかるんだよな直通でも
俺達は、ようやく日本の地を踏んだ。

「・・・フィアッセさん、足元気をつけてくださいね」

「うん、大丈夫」

「私、なんなら手を引きますよ?」

「エスコートしてくれるの?」

「確かスポーツや歌手が入場するときに子供と一緒にってあるじゃないですかこれなら私が護衛だとわかりませんし」

「うん」

「ね、綾ちゃん」

「はい?」

「日本に帰ってきたけど、今の心境は?」

「やっぱり遠かったなぁと和食が希望かな」

「あ、私もっ!!」

「そうなんですか?あれ、でも?」

「うん。・・・前にも話したけど、私高町家でお世話になってたりしてたから」

 ・・・らしい。つい3、4年くらい前の話。その頃、病気療養でフィアッセさんは日本に暮らしていて、翠屋のウェイトレスのチーフだったとか。
そうか思い出してきた。
フィアッセさんとらハのヒロインの一人だ。
そこまでしか思い出せない

 ここ数日でそんなことも話せるくらいにフィアッセさんと親交を深めていた。
すごくフランクな人で世界の歌姫ってイメージじゃなくて隣のお姉さんって感じ
こんな美人で優しいお姉さんがあの時代にいたのなら速攻惚れてるよね

「だから、家で食べるような和食も大好きだよ。
小さい頃にも、こっちに居たことがあるしね」

「第二の故郷って感じなんですか」

「そういえばそんな感じかな?それで、何を食べたいの?」

「ご飯と納豆と焼き魚
朝ごはんはこれが一番いいと思う」

「あー、いいよねいいよねっ! それで、噛んでいくと口の中で鯖とご飯がいい感じで混ざり合って・・・」

「・・・キョウヤ」

「頼む、聞かないでくれ。というより、聞かれても答えられないんだ」

「まぁ精神的にリラックスしているのはいい傾向だと思うんだけど、フィアッセも悪ノリする事あったよね」

「ああ、ティオレさんの娘だしな」



 その頃緑屋でTV中継を見ていたみなさま

「・・・気のせいかな。綾ちゃん、フィアッセさんと距離近くない?」

「お姉ちゃん、気のせいじゃないよ。仲いいよね」

「というか、フィアッセさんもなんか楽しそうですよっ!? 今、目が合って笑いあったしっ!!」

「綾、何かあったのかな?」


 さて、私達はフェイトちゃんにはやてちゃん、アリサちゃんにすずかちゃん、忍さんは現在翠屋でテレビを見てます。
テレビの内容は、フィアッセ・クリステラさんの来日速報。
当然、フィアッセさんのことは、
私と忍さんにアリサちゃんとすずかちゃんはよく知っています。
私のって言うか高町家の長女的な人で
今は忍さんがやっている翠屋のチーフさんでもあった人
だから、気付いてしまった。・・・テレビに映るフィアッセさん、
その隣に居る綾ちゃんとの距離が近い感じがするのに。
すごいリラックスしている感じがする
うんちょっとジェラシー感じているのかもしれない
フィアッセさんはすごくフレンドリーな人だから、
あれくらいは問題は無いんだけど・・・。

「・・・なぁ、なのはちゃん」

「なに、はやてちゃん」

「綾ちゃんって、イギリスまで行ってなにしてるんやっ!?」

「ゴメン、私にも分からない」

「・・・これ、恭也に要連絡ね」


同じく、私も綾ちゃんに要連絡です。さて、あとは・・・だよね。



「綾大丈夫かな」

 フェイトちゃんがポツリとつぶやいたけれど、でもなんで綾ちゃんの心配なんだろう

「あ~心配する気持ちは分かるわ。私とすずかだって経験あるもの」

「うん、そうだね。・・・なのはちゃん、一人で抱え込むとこあるから」

あれ私の話題になっている・・・



 今現在フィアッセさんの部屋にいます
警護なんですよね。
一緒にお話をしています
海鳴で暮らすようになって数ヶ月。もうすぐ学年も変わる。
って言うか変わっているんだけどね

「・・・ね、綾ちゃん」

「はい」

「どうして、ここまでしてくれるの? 
恭也達と一緒に戦ったり、私の側に居てくれたり」

「自分にもできることがあるのにやらないのはどうも、
親しい人の家族が困っているのに手を貸さないのはね」

「でも、君は子どもだよ?今さらだけど、本当に危ないことになるかも知れない。
気持ちは嬉しいけど・・・これ以上は巻き込めないよ」

 そりゃそうだどこの世界に力はあるからって子供に力を求める人達が・・・・いたね
時空管理局こう考えるとやっぱり異常な場所だよね

「エリスさんにも言いましたけれど、私も恭也さん達と同じです。フィアッセさんの事、守りたいんです
それにスクールのみんなとも友達にもなりましたし、護りたいです
みんなうれしそうに私のハープを聞いてくれたのもうれしかったし・・・」

「まぁ確かに、恭也さん達が居るから、私が居ても邪魔なだけかも知れないですけれど」
 
 やっぱり俺自身子供だと、恭也さん達だけじゃなくてエリスさん達を見ていても思った。
前世でもこんな立派な人たちって見たことないけど
でも・・・それでも・・・守りたい
今はフィアッセさんを護りたいと思ってしまった。

「あぁ~・・・またフィアッセさんの歌、聴きたいんです。
今度は関係者だけの特等席で、そしていつかジョイントもしたいかなっと」

 フィアッセさんが、一瞬ポカーンとした表情をした。
その次の瞬間・・・クスクス笑い出した。
うぅ、絶対こうなると思った。だからエリスさんにも言わなかったのに。

「そう言えば、私の事もスクールの事も、知らなかったんだよね」

 親たちはしっかり知っていました。
私が知らないって言ったらびっくりされちゃいました
だって洋楽って普段聞かないし

「うぅ、すみません・・・」

一応謝っときましたよ

「謝らなくてもいいよ。・・・なら、今歌おうか?」

「・・・は?」

「時間も時間だし、子守唄とか」

 あぁ、そりゃいいアイディア・・・って、ダメでしょうが、それはっ!!

「それで私が寝ちゃったら、どうするんですかっ!?」

「大丈夫だよ。私と一緒に寝て、一緒に護衛してもらえば・・・」

「どこが大丈夫っ!? そんなことしたら、今度こそエリスさん達に怒られますよっ! つーか、私だっていちおう護衛なんですよっ!!」

「あ、それもそうだね」

 そう言って、さらにクスクスとフィアッセさんが笑う。うぅ、素敵な笑顔だけど、ちょっと複雑・・・。
でも、フィアッセさんの子守唄か。・・・すごい豪華じゃない? それは
一緒に寝たらってやばいやばい想像しちゃった

「・・・綾ちゃん」

「はい」

「一つだけ約束」

 ・・・なんだろ。フィアッセさん、急に目が真剣なものになったし。

「護ってもらえるのはうれしいよ、でも自分も護ってね」

「はい、約束します。なのはと同じこと言うんですね」

「ならいいよ。・・・綾ちゃん」

「はい」


 そして、フィアッセさんは僕を見ながら、微笑みを浮かべて・・・こう言った。

「私、歌うから。私自身のためにも。守ってくれる恭也にエリス達のためにも。そして綾ちゃんのために。だから、ちゃんと聴いてね。そしてジョイントもしようよ」

「楽しみにしてます」

「・・・ありがと」

 ・・・それから少し経って、フィアッセさんは寝付いた。


それから1時間経つか経たないかで、交代の護衛・・・美由希さんが来たので、後をお願いして、その場を後にした。
俺の夜の護衛時間が一番短いんですけどね

 「・・・いよいよ明日ですね」

「そうだな」

 時刻は午前0時少し前。夜の戸張はとうに落ち、空は真っ暗。俺は恭也さんと警備任務の最中。
ここ数日、フィアッセさんは色々なVIPな方々とコンサート関連でお話をしたり、会場でリハをしたりと忙しい日々を繰り返していた。
でも、それも明日で一応の終わりを迎える。
・・・そう、明日はコンサート本番である。

「しかし、綾ちゃんはすっかりフィアッセの付き人になってるな。
フィアッセの横に居るのが、様になってきている」

「ははは」

 どこへ行くのも一緒だしね。
おかげで、あらかたの雑用は覚えてしまいましたよ。
もう恭也さんが言うようにフィアッセさんの付き人って感じ

「だが、俺もエリスも感謝してる」

「・・・はい?」

 なぜ?
邪魔ではなくて

「フィアッセは、綾ちゃんとの会話で精神的にも大分落ち着けるようだ。
エリスが感心していたくらいだぞ?」

「なら買って出たかいがありました」

「・・・綾ちゃん」

「ん?何です。愛の告白なんて忍さんに悪いですよ」

 二人で辺りを警戒しながら、会場の周りを歩く。
歩きながら、恭也さんが僕を見ずに言葉を続ける。
さっきまでの会話とは違う、どこか真剣な色を音に含めながら。

「そうじゃない今ならまだ、引き返せるぞ」

「いまさら言うのは卑怯ですって」

「下手をすれば、命の危険性も」

「それでもです。危ない目には去年沢山味わいましたから、
あのお姉さん守りたいんですよ」

「・・・そうか」

 それだけ言うと、恭也さんは黙った。
俺が気付くぐらいだ恭也さんはとっくに気づいているはずだ
ここから離れたところに忍さんが来ていること


「・・・忍お嬢様、このままでいいのですか?」

「うん・・・」


私とノエルは、コソッと車の中から覗き見中。対象は・・・恭也。。
本当は声でもかけようかとか考えてたんだけど、やめにした。
頑張ってるみたいだし、お仕事邪魔するのもアレだしね。


「・・・忍お嬢様」

「なに?」

「恭也様なら、大丈夫ですよ」

 我がメイドは、やっぱりすごい。色々見抜かれているらしい。

「それはノエルの・・・勘?」

「いえ。・・・経験から来る、確証です」

「そっか。なら、安心だ」

 さて、私の方は大丈夫。
明日を楽しみにしましょう。
 
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