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夢幻水滸伝

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第十九話 四国上陸その十六

 それでだ、ここでもこう言った。
「二人を迎え入れてな」
「そして、ですね」
「お話ですね」
「そうするわ、先陣の玲子ちゃん達も本陣に呼んでな」
 そうしてというのだ。
「お話しよな、お茶でも飲みながら」
「わかりました」
「ではこれより」
 大蛇も頷きそしてだった。
 綾乃は玲子達と共に本陣において正岡、織田と会うことにした。両者は向かい合って話をしたが。
 すぐにだ、正岡は綾乃に言った。
「わし等は降ります、それで」
「民とか田畑とか町にはやな」
「うれぐれも」
「わかったわ」
 綾乃は笑って快諾で返した。
「一切手をつけへん、四国の何処にもな」
「そうしてくれるとまっこと有り難いぜよ」
「それであんた達は今からうち等の一員や」
 このことは綾乃から言った。
「よろしゅう頼むで」
「そうしてくれるんですか」
「我々を」
「そや、一緒に天下を統一してな」
 そしてというのだ。
「太平洋に出てええ国造ってな」
「わかったぜよ、わしは大海原に出るぜよ」
 正岡は綾乃のその言葉に目を輝かせて応えて言った。
「海を渡る馬になるぜよ」
「あっ、そういえば正岡さん馬ですわ」
「馬人で駿馬ですし」
「服装も坂本龍馬さんで」
「同じ高知生まれで」
「そうぜよ、親が実際龍馬さんみたいになれってことで名付けてくれたぜよ」
 正岡は四人に自分のことを話した。
「それでわしも龍馬さん尊敬しているぜよ」
「そうなんですね、やっぱり」
「だからそのお姿で、ですね」
「神具も龍馬さんのもので」
「貿易を考えておられるんですね」
「そうぜよ、ただわしはわしぜよ」
 こうもだ、正岡は言った。
「やっぱり龍馬さんとは違うぜよ」
「そりゃね、丸写しの筈がないからね」
 玲子は正岡のその言葉を聞いて頷いて言った。
「完全に龍馬さんになる筈がないさ」
「そういうことぜよ」
「それでだね、あんたも」
「龍馬さんみたいになりたいがわしもわし自身を見付けるぜよ」
 意気込みの言葉だった。
「そして大きな人間になるぜよ」
「そういうことだね」
「ああ、でっかい宇宙みたいな人間になるぜよ」
 そこまでの器の持ち主にというのだ。
「勿論この日本もそこまででっかい国にするぜよ」
「宇宙みたいにだね」
「そこに羽ばたく国にするぜよ」
「成程ね、頼もしいね」
「ああ、武芸は頼りにならんがのう」
「おや、免許皆伝ちゃうかった?」
 綾乃は正岡の今の言葉に笑って返した。
「剣道の」
「むっ、それ言うか姫巫女さん」
「北辰一刀流やったな」
「それも龍馬さんの影響じゃ」
 坂本龍馬は北辰一刀流の免許皆伝だった、使っている武器は拳銃であったが剣術も優れていたのだ。
「向こうの世界でもやってるがのう」
「こっちの世界ではやな」
「免許皆伝にまでなったぜよ」
「けどその剣技はか」
「わしが持ってる神具はピストルぜよ」
 刀ではなくだ。 
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