| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

最強の暗殺者が斬る!

作者:edjigboj
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

2

ガタゴトガタゴト。

俺は馬車に揺られながら空を眺めている。
よ! イブキだ。原作前に大分帝都でやらかしちまったからな・・・・・・ここ2.3年は帝都から離れて近辺の村で生活していた。
んでもまぁ飽き飽きしたからもう一度帝都に向かってる最中だ。
まだ俺、賞金首になってんのかな?

ドォォォォォォォッ。

ん? 何だ今の爆発は?
荷馬車から顔を出してみると、目の前に巨大な怪物・・・・・・確か一級危険種土竜だよな。こんなところにも出るんだ。

 「土、土竜だぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「こんな街道に出るなんて聞いてないぞ!!」
御者の二人は、一目散に逃げ出しちゃった。おーい。俺は置き去りかこの野郎・・・・・・土竜は、雄たけびを上げながら追いかけ始めた。
仕方ねぇ。ちょっくら討伐、お? 俺の目の前に座っていた少年が背負っていた剣を手に取り飛び出した。

 「人助けと名前売り、同時に出来そうだな」
直後、触覚を切り落とされた。ってかよく見れば、結構若いな。しかし、剣の構えや気迫からしてかなりできるな。

 「一級危険種土竜か・・・・・・相手に不足はないな」
不適に笑う少年に向かって土竜が襲い掛かる。手で叩きつけるも、素早く駆け上り眼前に飛び出し、剣を振るう。
降り立つころには、血まみれの土竜が大きな音を立て倒れこむ。

 「凄いな少年!」

 「まさか危険種を1人で倒してしまうなんて・・」
御者が賞賛しながら少年に近づくと、少年は鼻の下を伸ばしながら自画自賛する。

 「当ったり前だろー! 俺にかかればあんな奴楽勝だって!! あ、俺はタツミって言うんだ!」
自慢する少年・・・・・・タツミだが、倒れたはずの土竜が突然起き上がる。凄まじい剣戟だが、最後の一撃が甘い。

 「やれやれ。青いな」
俺は荷馬車から飛び出し、刀を抜いて首に一閃。土竜の首が落ちて体がゆっくりと傾き・・・・・・。

ドズゥンッ!

土煙を立てて、土竜の体が倒れた。振り返ると三人が呆けていた。

 「タツミ、と言ったかな? 君の剣技は中々のものだが、一撃一撃が軽い。速い攻撃は格下相手にしか通用しないよ」

 「お、おぅ。助けてくれてありがとうな」

 「気にするな。目の前で人が死ぬのは我慢ならんからな。それと御者さんよ、いつまでも呆けていないでさっさと出発してくれない?」

 「あ、ああそうだな。助けてくれて感謝する」
御者さんがすぐに馬車の点検後、すぐに出発した。

 「なぁ、アンタも帝都に向かうのか?」

 「そうだが、タツミもか?」

 「おぉ! 俺は帝都で出世して村を救うんだ!!」
ッ・・・・・・タツミは辺境村の出身か。辺境村の奴らは帝都がいいところだ、自分の村を救うために帝都で出世するって思ってる奴が多いと聞いていたが、タツミもその一人か。
帝都の闇を知ったらどうなるやら・・・・・・。

 「あっ。そういや名前はなんて言うんだ?」

 「あぁ。イブキだ。短い間だがよろしくなタツミ」

 「こっちこそよろしくなイブキ!」




少しタツミと他愛ない話をしていると、帝都入り口に着いたのでそこで御者と分れタツミと帝都に入っていく。

 「はー! すげーっ!! ここが帝都かぁ!!」
まるで子供が新しい玩具を手にしたかのように目を輝かせている。
にしても変わらないな、か。不景気なのも・・・・・・それに、背後の金髪女は血の匂いがするし。この女が噂のナイトレイドの一員かな?

 「こりゃ出世すれば村ごと買えるな。さっそく兵舎に行かねぇと」

 「あー、ならさっさと行ったほうが良いぞ。」
俺が指差す方には大勢の人がいた。

 「ええ!? あそこにいる全員が兵士希望者なのか!!」
 
 「ああ。 見た感じ賑やかそうだけど結構不景気だぜ? 雇える人数に限りがあるしな」
驚くタツミに説明すると、兵舎に向かって勢い良く走り出す。
 
 「こうしちゃいらんねぇ!! イブキ、またな!」

 「あぁ。無事に受かることを祈るよ」
さてと。久々の帝都だ。少し見て回るか。
荷物を背負い直し俺は街道を歩き始める
途中買い食いをしながら店を冷やかしつつ歩いていると、兵舎の前に来ていた。
タツミの奴。受かったかな・・・・・・なんて思っていると。

バン! ポイッ、ドサ!!

いきなり扉が開いて中からタツミが、ゴミのように投げ捨てられた。

 「何だよ、試すぐらい良いじゃねぇか!!」 

 「ふざけんな! この不況で希望者が殺到してんだよ!! いちいち見てられっか! 雇える数にも限界があるんだよ!! どっか行けクソガキ!!」
ハァ。タツミの奴、何か余計なこと言ったな。全く世話の焼ける。

 「おいタツミ」

 「え? あ、イブキ! 聞いてくれよイブキ! あの受付にいた男失礼な奴だぜ!? 一平卒からじゃ遅いから腕を見て体長クラス辺りから仕官させてくれって言ったらたたき出されたんだ! 酷くねぇか!?」

 「当然の反応だ。この不景気でそんな事を言えば、たたき出されるに決まってるだろ。完全にお前が悪い」

 「・・・・・・じゃぁ、騒ぎを起こして名を売るか? でも捕まるかもしんねぇし・・・・・・」
その場で足を組んで腕組みをして何やら考え込む。焦る気持ちは分らんでもないが、少しは帝都で情報収集でもしたらどうだ?
あ。あの金髪女が来やがった。ってか露出激しいな。

 「ハーイ。お困りのようだな少年。お姉さんが力を貸してやろうか? 」
いきなり声をかけられたタツミは驚きながらも、目を見開き女の胸を凝視している。

 「少年はさ、帝都にロマンを求めて地方からやって来た口だろ?」

 「何故分かる!?」
当てられた事に驚く。そりゃ全身から田舎者オーラが出てるからな。

 「帝都に長く住めばよそ者くらい一発で分かるさ。で、私てっとり早く仕官できる方法知ってるんだけど、教えて欲しい?」

 「マジで!? 早く教えてくれ!」
おいおいそんな嘘情報に食いつくなよ。

「そっちの・・・・・・えっと。名前なんて言うの?」

 「普通、自分から名乗るのが筋ってもんだろう。イブキだ」

 「俺はタツミだ!」

 「イブキにタツミか・・・・・・私はレオーネ。よろしくね!」

 「それよりも早く士官になれる方法教えてくれよ!!」
タツミが急かすと、レオーネは笑顔で言ってきた。

 「んじゃ、お姉さんにゴハンおごって♡」
・・・・・・コイツ何なんだよ。




タツミside
兵舎を追い出された俺は、途中まで一緒だったイブキと合流し金髪おっぱ・・・・・・レオーネって人が素早く士官になれる方法を知ってるらしくって、早く教えてもらいたい俺は彼女の要求を呑んだ。呑んだんだけどよ・・・・・・。

 「プハーーッ! いやーー昼まっから飲む酒は最高だね!!」
メシ屋でレオーネは遠慮なしにガンガン酒を飲みまくってやがる。既にテーブルにはカラのジョッキが幾つもおかれてある。
心なしかイブキも冷めた目でレオーネを見ている。

 「遠慮なく呑みすぎだろう」 

 「まぁ呑め少年! 楽しく行こう!
酔ってる顔で言われても説得力ない・・・・・・あーもう!

 「それより早く仕官できる方法を教えてくれよ!」

 「あぁ、それはなつまり・・・・・・人脈と金だな」

 「金?」
俺が聞き返すと、レオーネは酒の入った小さなコップを置いた。

 「私の知り合いに軍のやつがいてな、そいつに小遣い出せばすぐだすぐ!」
・・・・・・この不景気で金だけで本当に士官になれんのか? でも、今は何が何でも金がいるんだ!

 「成程・・・・・・これで足りるか?」
俺が荷物から金の入った袋を机に置くと、レオーネが目を輝かせた。

 「オー! タリルタリル。結構持ってんじゃん!」

 「道すがら危険種狩って褒美もらったりしてたからな」

 「ふーん、強いんだ・・こりゃ即決で体長だな」

 「おう! 頼んだぜ!」
金の入った袋を持ったレオーネは席を立った。

 「私との出会いは色々と勉強になると思うよ少年! んじゃ話をつけてくるからそこで待っててね♡」

 「ハーイ♡ そうかー人脈か。大事かー」
そうだよな。こういう知らないところで一番大事なのは人脈だよなー。あのレオーネって人、親切で助かったな。

 「ハァ。少しは疑えよバカ」

 「ん? 何か言ったかイブキ?」

 「何でもねぇよ。それより俺も行くところがあるから、じゃぁな」

 「おう! またなイブキ!」
手を振るうと、一瞬だけ振り替えしそのまま店を出て行った。
あー。早く報告が待ち遠しいな。




イブキside
全くタツミの奴、どれだけアホなんだよ。あそこまで人を早々信じるか? そう簡単に士官になれるわけじゃないってのに・・・・・・まぁ、良い社会勉強になるか。
それにレオーネはちゃっちゃと消えているし、ロクでもないことに使いそうだな。
さて、前まで帝都に住んでいた家に行ってみれば。扉の横の箱の中に紙が入っていた。簡単に言えば依頼書だな。
本来なら自分から調べに行くんだが、こうやってたまに帝都裏、もしくはスラムに住んでいる情報屋にたまに暗殺依頼を承っているわけだ。
俺は情報料として食料を少なからず回している。

「今日の獲物は、大富豪の家族及び使用人の暗殺か。何々、娘のアリアは甘い言葉で旅人を家に泊まらせ、食事に眠り薬を混入し自分の趣味である拷問で死ぬまで弄ぶ。母親は薬漬けにし日記をつけ、父親はその行為を見逃している・・・・・・一家そろってのクズか。何でこういう奴らばかり長生きするんだろうなまったく」
ずっとこういう輩を斬り殺してきたが、絶えず出てくるんだよな。ホントに面倒だ。今は夜だし視察んはちょうどいい。

 「さぁ。その家族の家はッ」

 「あれ? レキ」

 「タツミ?」
振り返ればタツミが豪華な馬車から顔をだしていた。何があったのかと聞こうとしたが、すぐに分かった。

 「あら、タツミの知り合い?」
標的、アリアの乗る馬車だからだ。
コイツは運がいい。探す手間が省けたってもんだ。

 「あなたも、泊まるアテがないなら私の家に来ない?」

 「よそ者でもいいのか?」

 「アリアお嬢様はお前みたいな奴を放っておけないんだ、お言葉に甘えろ」
ならお言葉に甘えさせてもらうとするか。

 「じゃぁ、頼めるか?」

 「じゃぁ決まりね♡ どうぞ」
笑顔で手招きしてくるアリアだが、目の奥には新しい拷問が出来る玩具を手に入れた感じが見て取れた。
今のうちに楽しんでおけ。お前はもうすぐ終わりだからな。
 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧