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短編集

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その他原作
  ウルトラマンタロウ×比企谷八幡

 総武高校にはある伝説がある。
 『総武高校の地下には何でも願いが叶う石があり、それを手に入れたものは世界を手にすることが出来る』

 一見くだらない伝説かもしれないが、この伝説に憑りつかれ、探し続ける女がいた。

 「結婚!ケッコン!ケッコン!ケッコンンンンンンンン!」

 女の名は平塚静。
 愛を求める一人の獣であった…。
 そして、この純粋な様で穢れた願いが世界を危機に陥れるなどだれも予測していなかったに違いない(ぶっちゃけ作者も平塚先生出す気なかったし)。








 『地球防衛軍各機に告ぐ、敵性生物は千葉市内にある総武高校を狙って進撃している。既に敵性生物の進撃により、甚大な被害が出ている。なんとしても進撃を食い止め、敵性生物を撃破せよ』

 上空を飛行する戦闘機『ジェットビートル』、『ウルトラホーク』に搭乗する隊員たちに情報が入る。
 隊員たちは少々げんなりとした表情を見せつつも、機首を敵性生物がいる方向へと向ける。
 戦いの火ぶたが落とされるまで、あと数分―――



 その頃、地上では敵性生物(怪獣と呼称する)の侵攻ルート付近の住民たちが避難をしていた。
 だが、皆が皆車などを使うため、混雑しており、避難は遅々として進んでいなかった。






 「皆、落ち着いて避難するんだ!」

 場所は変わって、総武高校。
 緊急避難指示が出されたのが授業中だったことが幸いし、皆がまとまって避難をしていた。
 だが、生徒たち全員が全員危機感を抱いて避難をしていた訳ではなかった。

 「怪獣が来るとか、ちょーテンションあがるっしょ!」
 「だな」
 「それな」

 そうそう起こるはずのない非日常、それが彼らを興奮させていた。
 その興奮が悪い意味で伝播し始め、とあるクラスがどさくさに紛れて、避難の列から抜け出していた。



 「皆、マズイって!」
 「地球防衛軍もいるし、大丈夫っしょ。心配性だなぁ、隼人君は」
 「だな」
 「それな」

 一応止めようとした青年『葉山隼人』はクラスメイトの圧力に負け、「まあ戸部たちが言ってたように地球防衛軍が何とかしてくれるだろう」と考え、軽い気持ちで屋上へと上がって行った。
 これが悲劇の始まりだとは知らずに。





 『隊長!助けてください、隊長!!』

 口から放たれた炎がジェットビートルを飲み込み、一瞬で融解する。

 「な、なんという奴だ!」

 気が付けば、ジェットビートルは隊長と呼ばれた男しかおらず、地上に展開していた部隊も8割以上の損害を受けていた。
 怪獣の名は『暴君怪獣タイラント』。
 別世界の宇宙において、ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンAを倒し、ウルトラマンタロウによって倒された怪獣である。
 その恐るべき力は怪獣の中でも最強クラスと言われており、侵略者たちがこぞってタイラントを復活させていた。
 そのタイラントは邪魔をするものを蹴散らしながら、目的地へと向かっていた。



 「見えたぞ!」
 「うおー!すげぇ!」
 「あれ?防衛軍は?」
 「そう言えば…」
 「ってことはマズいんじゃ?」

 タイラントの進撃を屋上から眺めていた二年F組の面々はようやく自分たちが置かれた状況を把握し始め、恐慌に陥り始めていた。

 「だ、誰だよ!屋上に行こうって言ったやつ!」
 「戸部じゃねえ?」
 「だな」
 「それな」
 「ふざけんなよ!手前の所為で!」
 「皆、反対しなかったじゃねぇか!」
 「そもそも隼人君が反対しなかったじゃないか!」
 「だな!」
 「それな!」

 恐慌状態に陥った男子は責任の擦り付け合いを始め、女子は身を寄せ合って泣き始めた。
 誰も屋上から逃げると言う考えを持っていなかった。

 (助けて、ヒッキー)

 その中で一人、由比ヶ浜は自身の想い人に思いをはせた。







 -助けて、ヒッキー―

 「あん?」
 「どうかした?」
 「何か気になる事でもあるの?」

 2年F組が学校に残っていることに気が付かずに避難してきていた比企谷八幡は不意に聞こえてきた由比ヶ浜の声に変な反応をし、近くにいた戸塚彩加、川崎沙希がそれにつられて反応をする。

 「いや、今由比ヶ浜の声が聞こえた気がしてな。……気の所為だろ」
 「そう……だよね」
 「あぶないって言ってるのに避難しないなんてありえないからね」
 「………ねえ、八幡」
 「ん?」
 「ウチのクラスの人、いないような……気が…」
 「「は?」」

 軽く周囲を見回していた戸塚がそう云う。
 それにつられて、二人も周囲を見回すと、見覚えのある顔の人間が誰一人としていないことに気が付いた。

 「まさか…、学校に残ってるってことはないよな…?」
 「ちょっと僕、先生に言ってくる!」
 「……学校に戻ってみる」

 戸塚は前方を歩く先生の元へ走り出し、八幡は踵を返して、走り出した。
 川崎は「待って!」と呼び止めようとするが、あっという間に八幡の姿は見えなくなった。

 「……どうか無事に帰って来て…」

 川崎はただ祈る事しかできなかった。





 総武高校に向けて走る八幡はタイラントの口元に炎の兆候が見え始めていた。

 (ちっ!マズイ!)

 明らかにタイラントは炎を校舎に向けて放つつもりであった。
 そうすれば校舎に残っているであろう由比ヶ浜は死ぬ。
 一瞬で街を炎の海に沈めるほどの威力の炎だ。
 ちっぽけな人間なんて痕跡も残さず消滅するだろう。

 (八幡君!今こそ変身だ!)
 (……分かった!)

 頭の中に声が聞こえる。
 その声の指示に従い、胸ポケットの中からバッチを取り出し、構えを取り、叫んだ。

 「タローーーー!!」

 バッチが光り、八幡の身体を包み込む。
 そして、その場から八幡の姿が消える。

 「たぁぁぁぁぁぁ!」

 光の中から現れたのは二本角の巨人『ウルトラマンタロウ』だった。
 ウルトラマンタロウは空高く舞い上がると、タイラントの頭部に蹴りを繰り出す。

 「■■■■■!」

 蹴りを食らったタイラントは仰向けに倒れ、口に溜まった炎は上空に吐き出された。
 対するタロウは油断せず、タイラントをにらみつける。

 (俺がここで退けば、由比ヶ浜達は死ぬ。それだけは絶対に避ける!)

 タロウに変身した八幡の脳裏には奉仕部にいる雪ノ下と由比ヶ浜の姿が浮かんでいた。
 彼自身があの二人との時間を好んでいる証拠だった(本人は認めないが)。

 「■■■■■■■!!!!!!!」

 怒りの咆哮をあげ、タイラントが立ち上がる。
 もう既にタイラントの眼にはタロウしか映っておらず、完全に攻撃目標をタロウに移していた。

 (こいつは暴君怪獣タイラント。かつて、ここではない宇宙において、ウルトラ兄弟五人を撃破した怪獣だ。パワー、防御力の両方とも俺よりも上だ。あの時は兄さんたちと戦って疲弊していたから勝てたが、今回は勝てるかどうか分からない。気を付けて戦うんだ!)
 (分かった!)

 左手の鉄球の先端から鞭を伸ばし、タロウを捕まえようとする。
 だが、タイラントの挙動からその攻撃を予測していた彼は鞭を捕まえると、こちらに引き寄せようとする。
 対するタイラントは引きずられないように踏ん張り、一瞬の均衡が生じた。
 だが、パワーはタイラントの方が上なのか、タロウが引きずられ始める。

 (ちっ!)

 このままではじり貧と考えたタロウは鞭を離し、後方に飛びずさると手先をタイラントに向け、光弾を放つ。
 だが、その光弾はタイラントの高い防御力の前に無力化され、動きを一瞬止めるだけに留まった。

 (一体どうすれば倒せる…?)

 タイラントの攻撃をそらし、受け流し、弾きながらタロウは考える。
 だが、無情にも時間は過ぎていく。
 ウルトラ戦士は地球上においては3分しか行動できない。
 すでに戦い始めてから二分ほどが経過し、胸のカラータイマーの色が青から赤へと変わり、点滅を始めていた。

 (一か八か!)

 タイラントを大きく弾き飛ばしたタロウはタイラントの首を絞め、地面に投げ落とす。
 倒れたタイラントに対し、タロウは何度も投げ技を使用し、弱らせていく。

 「タロウスパウト!」

 そして、フラフラになったタイラントにタロウは自身の身体をスピンさせて起こした竜巻をぶつけ、上空高くへと舞い上がらせる。
 開いた右手を高く上げ、左手を腰に添える。

「ストリウム光線!」

 左手をあげ、右手に重ねると両手を腰に添え、大気中に存在する宇宙エネルギーを集める。
 エネルギーが十分に溜まったのを感じたタロウは右手を水平に出し、左手で握りこぶしを作る。
 その後、右手と左手を重ね、ストリウム光線を発射し、上空のタイラントへ直撃させる。
 ストリウム光線の直撃を受けたタイラントは一瞬の後、大爆発を起こし、消滅した。

 (ふぅ……。なんとか…なったか)

 爆発の様子を見上げていたタロウはそのまま飛び上がり、空の彼方へ飛んで行った。






 「ちぃ!忌々しいウルトラマンタロウめ!………だが、まあ良い。貴様が戦っている内にこの国の大臣や政治家は我らの手の内だ。フフフフフ!貴様に味方はいない!さあ、どう戦うか、楽しませてもらうぞ」

 黒い影がタロウ(八幡)を狙い、大きく動き出した。
 
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