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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する

作者:笠福京世
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第一部 桐嶋和ENDルート
  第43話 千年の碁 前編(Ai vs sai)

H13年4月 第3週の土曜日

― 和谷の部屋 ―

「噂はホンモノだったんだ。またsaiが対局してる。……しかも相手はAi」

 和谷は目の前のパソコンで繰り広げられる対局に興奮を隠しきれずにいた。
 部屋にはsaiとtoya koyoの棋譜を並べる予定で集まっていた院生の本田と小宮もいる。

「Aiにしては珍しい好戦的なカカリだ」

「対して白のsaiは秀策のコスミで受けたな」「秀策流、ニセモノじゃないホンモノのsaiだ」

「黒は左下へのカカリには受けずに、左辺のヒラキ」「遠すぎてハサミとはいえない手だ」

「白の両ガカリに近い攻めに対して黒は?」「…見たことのない手だけど感覚として悪くない」

― 塔矢行洋邸 ―

 引退した行洋は本日は席を外していたが幾人かの門弟が集まり研究会を行っていた。

「おい芦原、ケータイがさっきから震えてるぞ」「あ、すいません。メールかな?」

「――えっ?またsaiがネット碁で打ってるってメールが!」「saiが!?」

「アキラくん、落ち着いてよ」「まずはパソコンのある部屋に移ろう」

「観戦者の数、すごいですねー」「あの塔矢先生に勝ったsaiだからな」

「相手は……Aiだと!?」「えっ? Aiってsaiと並んでネット無敗で話題になってるあの??」

「状況は?」「左下の黒を囲むことができた白のsaiの思惑が成功したように思るが……」

「いや、その後に白も左辺で囲い込まれてしまっている!」

「これは互角の展開と見るべきか……」

「ちょっ! いやいや塔矢先生クラスのsaiを相手に互角ってオカシクないですか!? どーして二人とも冷静なの?」

― 中国 ―

「韓国の安太善、若手の陸力を破ったAiの力はホンモノ。しかし未だにAiの力は底が知れない」

 楊海はパソコンの画面から目を逸らすことなく呟く。

「toya koyoに勝利したsaiならAiの底にあるものを引き出すことができるのか……」

「にしても持ち時間が3時間の碁にも関わらずAiは持ち時間30分の通常のネット碁と変わらぬ早さだ」

― アメリカ ―

「うんうん。今、起きた。急いで見てるよ。オランダの彼にも連絡入れた?」

「どちらも正体を明かさぬまま直接戦うことがなかった無敗のネット棋士の対局。エクセレントだよ!」

「コレ、君の国ではブックメーカーが賭けの対象にしないのかい?」

「ハハハ。オッズをつけれる予想担当者がいないだって? だろうね! 僕にも分からないよ!」

「オーケー。次に会ったときにIGF(国際囲碁連盟)の友人を紹介するよ。アドバイスを貰えばいい」

― 塔矢行洋邸 ―

 緒方とアキラは碁盤に石を並べ互いに手を検討していた。

「この52手目の時点では白のsaiが有利だと僕には見えます」

「黒69手目ここでの飛び込んできたのは意外でしたね」「ここで白のsaiが猛攻ッ」

「あの沈着冷静なsaiが……Aiの早碁に引っ張られてる?」「たしかに手が早い」

「黒のキリで白4子が風前の灯火っぽいですね」

― 和谷の部屋 ―

「白4子が取られた」

「その代わり、こっちの黒3子を切り離しに成功してる」「さすがsaiだ!」

「ここで黒は1間開きからの2間トビ?」「メチャクチャ固い一手だ」

「こんな手で勝てるの?」

「いや……これって……まさか……」
 
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