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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する

作者:笠福京世
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第一部 桐嶋和ENDルート
  第33話 混乱 (vs zelda)

 ネット碁の界隈でsaiに匹敵すると噂されるAiに対して、いい加減な碁を打つつもりはない。
 それこそ自分がAiを倒して化けの皮を剥すという気持ちさえあった。

 Aiの黒番の一手が攻めの急所なのは分かる。
 けどオレの白石による左下の星からの出切りはどうするんだ?
 まず自分の弱点を守る。それから攻める。
 守ってあるからこそ攻めが厳しくなるというのが囲碁の基本的な考え方。

 ほら。攻めてる場合じゃないだろ?どう対応するんだよ!

 え?切られた2子を捨てる?

 それにしても何だ。この1間トビは。相手の意図が読めない。

 なるほど。見合いなのか。
 左の2子を取られたら、右下の白を攻めようってことか。
 右下を白が受ければ2子を逃げ出して逆に下辺の白を攻める。

 ゾッとするほどヨミが深い。saiに匹敵するレベルなら当然なのか。

 下辺に白が下がった所で、こっちをピンツギ?

 強情な一手に対して頭に血が上る。

 じゃあ下辺左の黒は大丈夫なのかよ!
 ここにアテられたら、2眼ができないだろ!?

 あ!よく見たら下辺の白全体も眼が無い。
 下辺の黒はコウ分含みだし、これで十分だと?舐めるなよ!

 下辺が命がけのコウ争いが始まり黒のコウ材を見て手が止まる。
 いつの間にか白がコウに勝っても中央から上辺まで黒の大優勢。

 黒の73手目、もうここで勝負ついてるのかよ……。

 負けを認めることができなかった。

 何とか白がコウを取ったが中央連打を許し活路を見出す勝負手を放つ。

 ここでコウ取り?黒はさらにコウに取ってやっと本コウだろう?

 遊ばれてるのか!?

 下辺の白は渡って下辺黒はコウのまま戦いは上半分へ

 白がカタツキで消しに来たところ。黒はカタツキを受けずに流す。

 やはり遊ばれてるかと思い反応したが、
 打たれてみれば当然の攻めで白のカタツキが踏み込み過ぎていることに気づく。

 白が必死でシノギを目指す。
 1子アテて上辺と連絡して一息ついたところ……。

 くそっ!1子抜かせるのか。余裕のつもりかよ!

 しかし抜かせても眼にならず上辺の白が傷になることに気づき愕然とする。

 こいつ一度もふざけてなんかいない……全部が厳しい手だ。

 151手で投了。終局図を見つめながら和谷は絶望の溜息を漏らす。

 上辺の白は取られてるし、中央は巨大化してる。
 上辺左側の白はまだ生きてないし、下辺左の黒はコウでまだしぶとく死なない。
 白石に左下をわざと切らせて黒が全局をコントロールしてる。

 saiの高みから放たれた筋のよい指導碁のような敗北とは全く違う。
 Aiに圧倒的なまでの力の差を見せつけられた。

 棋譜を一瞥したくらいでは測ることのできない存在……それがAiの強さ。

 Aiは棋士の発想にない手を、常識外の手を打ち大差で勝った。
 悪そうに見えた手も、局面が進むと悪い手ではなくなっていた。

 自分が信じていた碁の常識が破壊されたような一局が、頭から離れることはなかった。 
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