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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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698部分:第五十五話 華陀、徐州に入るのことその七


第五十五話 華陀、徐州に入るのことその七

「これも何かの縁だ」
「悪いな、何かと助けてもらって」
 華陀はそのミスタービッグに礼の言葉を述べた。
「別の世界から来たのにな」
「乗りかかった舟だ」
 ミスタービッグは華陀にこう答えた。
「それを断る程薄情ではないつもりだ」
「貴方って悪いことをしてるけれど」
「そうした筋はあるのよね」
 貂蝉と卑弥呼もそのミスタービッグに話す。
「そうしたところいいわよ」
「私感じるわ」
「その言葉はいいが」
 ミスタービッグはかろうじて表情を消しながら二人に返した。
「しかしだ」
「しかし?」
「何かあるのかしら」
「私はそちらの趣味はないからな」
 それは断るのだった。
「間違ってもな」
「あら、言うわね。こんな美しい乙女達を捕まえて」
「ショック受けちゃうわ」
 二人はここでも身体をくねらせて話す。
「これでも数多くの美男子達を篭絡してきたのよ」
「もう星の数程ね」
「篭絡か」
 ミスタービッグはその顔を青くさせていた。
「それは絶望ではないんだな」
「絶望?違うわ」
「悩殺よ」
 あくまでこう言う二人だった。
「私達のこの美貌でね」
「そうしてきたのよ」
「まだ言うのか」
 ミスタービッグも言葉がなくなってきた。
「ここまで手強いとはな」
「さて、それではな」
 華陀だけが動じてはいなかった。
「早速動くとしよう」
「そうね、それじゃあ」
「はじめましょう」
 貂蝉と卑弥呼もだった。頷いてだった。
 彼等は早速行動をはじめたのだった。だが華陀を見てだ。命は考える顔で刀馬に話した。
「あの」
「わかっている」
「はい、どうして華陀さんは平気なのでしょうか」
 怪物達を見ての言葉である。
「あの人達を見てそれでも」
「わからない。だが」
「だが?」
「あの華陀という男」
 刀馬は彼を見て話すのだった。
「かなりの器だな」
「大器だというのですね」
「無限に大きな器の男だな」
 まさにそれだというのだ。
「凄い男だ」
「そうですか。あの人は」
「見ていきたい」
 そしてだ。刀馬はまた言った。
「あの男をな」
「そうされるのですね」
「最初は何とも思わなかった」
 刀馬は華陀と最初に会った時のことを思い出しながら話していく。
「だが。共にいるうちに」
「変わられたのですね」
「自分でもわからないが」
「では私は」
 命は微笑んでだ。その刀馬に話すのだった。
 
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