| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

町鼠ジョニーのお話

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

「そうしようね」
「お弁当はもう食べちゃったしね」
「うん、車の中でね」
 ついつい食べ過ぎてそうしてしまったのです、ついでに言いますと水筒の中の紅茶やジュースも飲んでしまいました。
「それじゃあね」
「一緒にね」
 こうお話してでした、畑では見ているだけで。
 そしてそのうえで、です。二匹はジョニーの案内のうえで村の市場に行きました。森の中のそこ行きますと色々なお店が並んでいてです。
 沢山の生きもの達がお店を見て回って買いものをしています、ヘンリーは市場の品物達を見て言いました。
「うん、都会とはね」
「また違うものが売ってるね」
 こうジョニーに言うのでした。
「食べものも服もね」
「何でもだね」
「うん、街にないものも多いね」
「何かここだけにしかない」
 それこそというのです。
「そうしたものもあるね」
「食べものでもだね」
「あるね、新鮮なものが多いね」
「森や湖で採れたばかりのね」
「僕達の街だとね」
「色々なものがあっても」
「こうしたものはないよ」
 ヘンリーは今はです、採れたてのお豆を見ています。まさに畑で採れたばかりのそれをです。
「とてもね」
「そうなんだよね」
「こうしたものを見てもね」
 それこそというのです。
「いいね」
「そうなんだね」
「買ってみるね」
 実際にでした、ヘンリーはそのお豆を買ってです。齧ってみました。そうしてジョニーに対して言うのでした。
「新鮮で美味しいよ」
「そうだね、確かに」
 ジョニーも買って食べてみました、そうしてヘンリーに言いました。
「美味しいね」
「そうだね」
「新鮮でね」
「他の食べものも新鮮だし。木造のお店が並んでいるのも」
 出店達自体も見て言うのでした。
「風情があっていいよ」
「都会だとコンクリートだからね」
「コンクリートは頑丈であれはあれでいいけれど」
「木造には木造のよさがある」
「だからね」 
 それでというのです。
「いいと思うよ」
「言われてみればそうだね」
 ジョニーはヘンリーのその言葉に頷いて応えました。
「確かにね」
「そうだよね」
「うん、コンクリートもいいけれど」
「木は木でね」
「そのよさがあるね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「道も土の道でね」
「石やコンクリートでもない」
「それもいいね」
「自然な感じでだね」
「確かに靴も汚れて雨が降ったら泥になりそうだけれど」
 それでもというのです。
「土は土でね」
「いいんだね」
「歩きやすくてね」
 石やコンクリートの道もというのです。
「僕は気に入ったよ」
「そうだね、自然だね」
「そう、自然がいいからね」 
 だからとです、ヘンリーはジョニーに笑顔でお話しました。
「この大自然な感じが」
「ヘンリーは自然が気に入ったみたいだね」
「かなりね、じゃあ次は」
「うん、湖の方に行こう」
 ジョニーはヘンリーに今度はこちらに案内することにして言いました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧