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『黄泉比良坂』

作者:零那
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『溜まり場』


貴女に逢えた。願って願ってやまなかった願い。此の世に居る筈の無い茉莉花先輩、愛花サン、サムライが居た。

みんな、以前と変わらず仲良く楽しそうで嬉しくなった。そして、おなかに手を当て『おめでとう』と、みんなが言ってくれた。まだ誰も知らないのに...。

ふと、蓮に呼ばれた気がした。振り返ると誰も居ない。向き直ると茉莉花先輩達は居なくなっていた...。

辺り一面が真っ暗になる。ほんの少しだけ、光の筋が見えた。不思議と恐怖感は無く、導かれるように歩み進めた。

其の光の先には、蓮が満面の笑みで待っていた。出逢った頃と変わらない蓮。最期に求めていた姿の蓮が...其処に居た。

涙が止まらなくなった。昔のように茶化してくる蓮と、ふざけながら笑い合う。ふと真面目な顔になる蓮。向き合う。

『約束して欲しいことがある。絶対、俺等みたいな子にならんように育ててあげてくれ』

『同じ経験さしたくないし、被害にも遭って欲しくない。出来る限り頑張るつもりやで!!』

『ほな良かった。[そんなん解らんわ]とか言われたらコッチ連れてこぉか思てたんや』

『...やっぱり此処って地獄?』

『ソコなんで天国ちゃうんぞ(笑)』

『え、当たり前やろ(笑)』

『まぁ天国でも地獄でも無いんやけどな(笑)』

『じゃあ何て処?三途の川?てか川無いよね?』

『さぁなぁ...俺等も解らん。さっきの茉莉花とかいうヤンキーもオマエのツレだろ?此処にはオマエのツレしか居らんわ』

『え...何でやろ...辛い?』

『オマエが皆に成仏せんように呪いかけとんちゃうんか(笑)ツラないツラない(笑)むしろ楽しいで(笑)毎日アホな事ばっかしょーるし(笑)オマエもコッチ来いや!』

『皆に逢いたい逢いたいって...ずっとずっと想っとった。できるなら一緒に居たい!!でも...てか、蓮、記憶って全部在るん?』

『あぁ!それな!何で死んだんか知らんねんて皆。でも断片的な記憶は在んねん。俺がオマエに恨まれるような事してしもたんも記憶に在る...すまなんだなぁ』

『やめて今更!!ええやん今楽しいんやったらそれで!!うん!無理に思い出さんで良いよ』

『知らん方がええことも在るっちゅーことか(笑)ほな忘れとくわ(笑)』

『うん』

『あ、俺行かなあかんから、またな♪』

『えっ!...うん、また...』

蓮は霧の中に消えていった。


※参照他作品

茉莉花先輩、愛花サン、サムライ
=『茉莉花-マリカ-』『愛花-アイカ-』


=『殺し、失い、得たもの。』


 
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