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夢幻水滸伝

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第十七話 淡路合戦その五

「それになるな」
「そうか、そうした政もあったね」
「警察もあるしな」
 消防以外にというのだ。
「そういうことも考えてみればどうだ」
「町やら田畑だけが政じゃないかい」
「そうだ」
 その通りだおtいうのだ。
「政は色々ある」
「成程ねえ」
「確かに君は政向けではないがな」
 性格も能力もだ、玲子は確かにそちらには全く向いていない。このことは自他共に認めることだ。
「しかしだ」
「出来ることはあるってことか」
「そうだ、だからだ」
「そうしたこともだね」
「やってみることだ」
「わかったよ、じゃあね」
 玲子も吉川の言葉に頷いて言う。
「この戦の後で姫巫女さんに言ってみるよ」
「そうするといい」
「戦がない時はいつも酒飲んだり観劇見たりばかりだったからね」
「あとは武芸だな」
「遊んでばかりだったからね」
 自分でもそうした認識があったのだ。
「まあそれでも楽しいけれどね」
「出来ることがあればだな」
「言ってみるさ」
 棟梁である綾乃にというのだ。
「そうしたら宰相さんも仕事くれるだろうしね」
「太宰なら必ず用意してくれる」
 その仕事をというのだ。
「だからやってみることだ」
「そうだね、それじゃあ今はね」
「戦だな」
「切り込む時は任せな」
 不敵な笑みでの言葉だった。
「少なくとも並大抵の奴には負けないさ」
「頼りにさせてもらう、私はそうした神具は持っていない」
 武器や防具の系統はだ、吉川はそうした戦は実際に不得意である。運動能力は高いが故人の武芸で戦う者ではないのだ。
「だからそちらは頼む」
「そうさせてもらうよ、じゃあ何かあったらね」
「教えろ、だな」
「すぐに出るさ、それまではね」
 戦になるまではというと。
「船の中で遊んでるよ」
「酒か」
「いや、戦の前には飲まないさ」
 それはしないというのだ。
「戦に差し障りが出るからね」
「だからか」
「飲めば飲む程って柄じゃないんだ」
「如何にもそう見えるがな」
「あたしは違うんだよ」
 そうしたことは出来ないというのだ。
「どうしてもね」
「だからか」
「ああ、戦の前は飲まないんだよ」 
 そうしているというのだ。
「あたしはな」
「わかった、ではな」
「花札でもして遊んでるさ」
「そちらか」
「それでもいいよな」
「別に構わない、しかし花札か」
「面白いぜ、こっちも」
 花札についてもだ、玲子は笑って話した。 
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