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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0132話『E‐3攻略と断念する心』

 
前書き
更新します。 

 



私はE-3攻略をするためにE-2とE-3輸送艦隊で活躍した艦娘達を集めていた。
第一艦隊は旗艦を最上、そして霧島、三隈、雲龍、天城、龍驤の六人。
第二艦隊は旗艦を川内、そして高雄、古鷹、初月、叢雲、木曾の六人。
……私としてはお札の縛りさえなければここで阿武隈に北上と大井も追加するところなんだけどあとあとで使うかもしれないので木曾だけにしといた。
甲作戦でやっているためにどうしても縛りがあるのは仕方がない事であった。

「さて、それじゃみんな。このメンバーで重巡夏姫を撃破してもらいたいと思っている。しかし、まだまだ前半戦とはいえ敵は強敵だ。だから十分気を引き締めて頑張ってもらいたい」
「ボク達に任せてよ提督。必ず勝利するからさ」

最上が強くな笑みでそう答えてくれるけど私としては甲でおそらく沼る事を予想している為にかなり苦労を掛けると思う。
だから今のうちに行っておこう。

「……みんな。いざという時は甲作戦から丙作戦に変える時もあるかもしれないから覚悟をしていてくれ」

私の本心からの弱気の言葉にみんなの表情は驚きに染まる。
だけど、

「提督がそう思うんだったら気にせずした方がいいよ。提督は少し短気なところがあるから沼ったら気持ち的に沈んじゃうと思うし……」
「そうですね。別に誰と競っているわけでもないのですから辛いと思ったらその決断も必要かと」

川内と霧島にそう言われて私は少し気持ち的に楽になった。

「すまないな。みんなを信じていないわけではないんだけど倒しきれない時はそう言う方針で行かせてもらう」
「……ま、それも仕方ないか。でもすぐに根を上げないでよね? 苦労もせずにいきなり切り替えたら酸素魚雷を食らわせるわよ!」
「肝に銘じておくよ叢雲」
「わかっているならいいわ」
「ふふ……叢雲もなかなかに手厳しいな。まぁボク達に任せておいてくれよ。なんとか勝てるようにするから」

叢雲に続いて初月がそう言ってくれるので少しは頑張ってみようと思う。
まぁ、実際戦うのは彼女達なのだから信じるしかないのだけどね。

「わかった。それじゃみんな出撃してくれ。いい知らせを待っているよ」
「「「了解」」」

それでみんなは出撃していった。
できれば諦めたくないけどいざという時には丙作戦も辞さない思いでやっておかないと心に余裕が持てないからな。







………まったく司令官もなかなかに小心者やね。
まぁ甲作戦の経験が少ないから仕方がない事やけどうちらの事ももう少し信じてもらいたいものや。
ま、うちも根性みせたろうか!

「そいじゃ雲龍に天城! うちらでなんとしてでも制空権を取って深海棲艦に大打撃を与えるんや。それがうちらの仕事やからな」
「はい。龍驤さん、お任せください!」
「任せて。提督の不安な気持ちを払拭させてみるわ」

うんうん。二人ともいい返事や。
やからうちも頑張らないとな。
だけどE-3なのに道中が結構厳しいからな。
何度も出撃しているけどうちの一番多いスロットに攻撃機をセットしているはずやのに艦載機が全滅して航空戦に参加できないパターンが結構あるからな。
こういう時にうちの艦載機スロットの少なさが仇になっているのが少し悔しいかな……?
羅針盤も結構乱れることがあるからボス前に弾薬が尽きるのもよくあるしな。

「龍驤さん、索敵は大丈夫ですか?」
「あー、大丈夫や高雄。こっちの心配はせんでいいから砲撃戦に集中しとき」
「わかりました」

高雄も少し心配なのだろう。
戦力的には今回の艦隊は二軍のメンバーと言っても過言ではない。
司令官的には木曾とかだけではなく阿武隈に大井に北上とかもっとうちらより強い空母を編成に入れときたいつもりやけどそれも制限がかかるから慎重に出ざるを得ないという事でうちらを使っているからな。
うちらの実力はうちらが一番分かっているんやけど辛い所やね。

「敵深海棲艦のボス艦隊と接触するよ! みんな、注意して!」

最上のそんな言葉が聞こえてくる。
よーし、いっちょかましたろうか!

「ブスイナ……ヤツラ……メ……ッ! カエレ!!」

重巡夏姫が舐め腐った格好をしているのでどつきたい気持ちで一杯やけど今はこの思いを艦載機に込めて放つんや!

「それじゃ艦載機のみんな、お仕事お仕事!!」

それでうちを含めて天城と雲龍も艦載機を発艦させていく。
だけどやっぱりうちの艦載機隊が全滅しとるんのはどうにかならへんかなぁ……?
敵深海棲艦の対空能力が鬼怒じゃないけどマジでパナイ!
それに新型の駆逐艦が不気味さを放ってきておるからな。
本当に攻撃が当たらない……。
なんや、あいつ?
まぁ、愚痴っても仕方がない。
後は第二艦隊のみんなに任せるしかないなぁ……。
だけどあと一歩のところで重巡夏姫を撃破できない事が何度も続いている。
おそらく後一回倒せば破壊できると思うんやけどそれがなかなか達成できないのがイライラを貯めていく。




……そしてもう何回出撃したのか分からないくらいの時に司令官から通信が入ってくる。

『みんな……撃破できたかい?』
「ごめん。また撃破できなかったよ……」
『そうか』

司令官の声はどこか沈んでいた。
重巡夏姫が水着というふざけた格好をしていながらも耐久と装甲が高いために夜戦に入っても削り切れないのだ。
時には新型の駆逐艦に邪魔されることもしばしばあるからなぁ。
もう、ホンマなんやあいつ!?
うちはつい誰かに愚痴りそうになるけど我慢や我慢。
みんなもうちと同じ気持ちになっているのは分かっとるからな。

『それじゃみんな。もし、後一回出撃して倒せなかったら甲作戦から丙作戦に落とそうと考えているんだけど、いいか……?』

司令官の言葉は少し弱弱しかった。
司令官も悔しいのだろう。
ここまで来て今までの苦労をリセットしてしまうという事が。
うちらやって悔しい。
でも無駄に資材を消費するのもなるべく避けたい。
すでに燃料弾薬は三万から四万は消費したしな……。
ここらが諦めどころやろうな。
後段作戦でのことも考えるともう決断しないとアカン。
だからうちは言ってやった。

「司令官の気持ちに従った方がええと思うよ。うちらは誰も司令官の事を責めたりはせぇへん。だから決めるなら決めてええで」
『すまない…龍驤』
「ええて」

それで司令官は決断をしたのだろう。
後一回出撃してダメだったら丙作戦でやり直すという事を。
それからは早いモノやった。
今までの苦労が嘘のように輸送作戦も速攻で終わらして重巡夏姫を軽く捻ってやることが出来たので少し気持ち的には消化不足やけどこれも仕方がない事やとうちは鬱憤は心に隠しておこうと決めた。
そしてなんとかE-3も攻略が完了した。
執務室に入ると司令官が少し表情がやつれていたのが印象的だったからなぁ。
また次を頑張ればええんや!と励ましてやった。
こうでもしないと司令官は引きずるからな。


 
 

 
後書き
装備さらし

第一艦隊
最上  20.3㎝(3号砲)連装砲×2、零観、艦隊司令部施設
霧島  アイオワ砲×2、零観(MAX)、一式徹甲弾
三隈  20.3㎝(2号砲)連装砲×2、零観、強風改
雲龍  村田隊、岩本隊(☆6)、52型熟練(MAX)、彩雲
天城  村田隊、52型熟練(MAX)×2、烈風
龍驤  友永隊、Fw190T改、52型熟練×2

第二艦隊
川内  15.2連装砲改(MAX)、20.3㎝(3号砲)連装砲、零観
高雄  SKC34 20.3㎝連装砲×2、紫雲、FuMO25レーダー
古鷹  SKC34 20.3㎝連装砲×2、夜偵、FuMO25レーダー
初月  10㎝連装高角砲+高射装置(MAX)×2、13号対空電探改
叢雲  五連装(酸素)魚雷×2、熟練見張員
木曾  甲標的、20.3㎝(3号砲)連装砲、15.2連装砲改(☆5)



……というわけでE-3は断念して丙作戦にしてやりました。
本当に重巡夏姫が固かったです……。



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