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レーヴァティン

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第十六話 あらためてその九

「それもまた歪んでしまいます」
「そうなんだな」
「実は母が女子高出身なのですが」
「可愛い世界か?」
「全く、とのことです」
 順一は久志の言葉を即座に全否定した。
「はしたなく不潔で匂いがして陰湿な面もある」
「酷い世界か」
「その様です」
「イメージ狂うな」
「人は異性の目がありませんと」
「どうしてもか」
「だらけるそうで」
 それが女性であってもというのだ。
「ですから」
「女の子もか」
「男の子がいないとです」
「酷いことになるか」
「そういえばな」
 ここで智が言うことはというと。
「俺あっちの世界じゃスーパーでバイトしてるんだけどな」
「パートのおばちゃんとかアルバイトの娘多いよな」
「ああ、うちも多いよ」
「女の園か」
「そう思うだよ」
「それが違うんだな」
「女子更衣室に好き好んで近寄る男はいないんだよ」
 それが何故かも話すのだった。
「匂いがきつくてな」
「女の人の匂いか」
「男のよりきついぜ」
「おいおい、そうなのかよ」
「男の匂いってチーズみたいだったり汗臭かったりだけれどな」
「ああチーズみたいなのは肌の匂いだな」
「あと加齢臭があるな、けれどな」
 女の人の匂いはというと。
「もう腐ったみたいなな」
「そんな匂いか」
「そうなんだよ、だからな」
「皆近寄らないか」
「はっきり言って近寄らない方がいいぜ」
 スーパーでアルバイトの時はというのだ。
「相当に匂うからな」
「そうか、現実は怖いな」
「女の人だけだとな」
「その匂いもか」
「えげつない筈だぜ」
「じゃあ女子寮とかも酷いか」
「あんなとこ行ったらな」
 学園の女子寮だ、八条学園では大学だけでなく高等部にもある。この学園が日本各国からも人が集まる学園だからだ。
「もう匂いはきついわ汚いわ」
「汚いか」
「ああ、汚いんだよ」
 それこそというのだ。
「だってよ、女の子特有のな」
「特有?」
「多く言わせるな、月だよ月」
 智は口を尖らせて言った。
「それだよ」
「ああ、それか」
「それに女の子だってトイレするだろ」
「そうだよな」
「女の子はトイレしないとかな」
「嘘だよな」
「さもないとどうなるんだよ」
 そうしたものを出さなければというのだ。 
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