ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

事前予選を終えたミライたち
惜しくも突破を逃したがショップ予選に向けて準備を進めていた
そんな彼女たちを見守るトコハ
彼女はミライの気持ちを確かめるためファイトを挑む 

ドラエン支部で行われた事前予選から数日
ミライたちはカードキャピタルでファイトを繰り返していた
「クロノジェット・ドラゴンでアタック」
「トレーシーでインターセプト」
そんな彼女をレジから見守るトコハ
「あれっ？そういえばもう一人の彼は………あっ」
気になって店内を見回してみるとクエストボードでクエストを受領するタツマの姿

Turn:8 母なる開花

「クエストか………でも、U-20は参加選手のグレードは問わないはずだけど」
「少しでも経験を積みたいんだって、早く私たちやお姉さんに追いつきたいって話していたわ」
トコハの疑問に丁度ファイトを終えたミライが答えた
「あ、ミライは大丈夫？兄さんに負けたこと気にしてない？」
「母さん心配し過ぎよ、わたしだって伊達に修羅場はくぐってないわ」
「ならいいけど………」

「エキサイトバトルシスター みろわーるでアタック」
「ダメージチェック………だぁっ、くそっ」
自宅でも母親であるクミを相手にファイトを挑むタツマだったがまるで歯が立たず頭を抱えてしまう
「だめだこんなんじゃ」
「ん～、タツマも頑張ってると思うけどなぁ」
そう言ってクミはカードをまとめるとタツマの方を見る
「それにしても、どうして急にやる気になったのかなぁ～」
「別に………なんだっていいだろ」

「なーんて言ってたけど、実際はタツミの事意識してるんだと思うんだ」
喫茶店で親友同士話し合うトコハとクミ
こうして話すのは久しぶりなためかなり話が弾んでいた
「確かにすごいよね、タツミちゃんドラエン支部の事前予選を無敗で勝ち抜くなんて」
ヴァンガード関連のニュースサイトの画像を見ながらつぶやくトコハ
タツマの原動力はこのことがきっかけとみて間違いないだろう
「あの子ね、ずっと背中ばかり見ていたの、ヴァンガードを始めるのが遅くなったのだってそう」
年の離れたタツミに対して幼い頃から劣等感を抱いていたタツマ
デッキ自体はもうずいぶん前から持っていた
だが、タツミより始めるのがどうしても遅くなってしまった
だからこそ、追いつけるわけないと自分に言い訳してずっと拒んできた
「わかってはいるんだけど………何もできないのはもどかしいよね」
ストローをグラスの中でくるくる回しながらため息をこぼすクミ
それを聞いて考える様子のトコハ
「私たちに出来ること………か」

翌日、学校帰りのミライがカードキャピタルを訪れるとトコハが待っていた
それ自体は別に変なことではないが彼女はエプロンをせずファイカを片手にミライに気付くと真っ先に彼女に歩み寄った
「えっと………母さん？」
「ミライ、わたしとファイトしましょう」

互いに手札を引いてファーストヴァンガードに手を伸ばす
そんな当たり前の流れの中でもミライは母の意図が分からず戸惑っていた
「「スタンドアップ！ヴァンガード！」」

惑星クレイ、ズーの森の中でミライとトコハが対峙する
「クロノ・ドラン・G」
「萌しの乙女 イーダ」
互いのファーストヴァンガードが姿を現しファイトが始まる
「ライド！純潔の乙女 カトリーナ」
「ライド！クロノエトス・ジャッカル！アタック」
【刻獣 ラッシュ・ボア】クリティカルトリガー
ジャッカルの杖がカトリーナに振り下ろされる
「ダメージチェック」
【開墾の戦乙女 パドミニ】トリガーなし
【モンキーポッド・ドラゴン】ドロートリガー
「ゲット、一枚ドロー」
「ターン終了」
「ライド！理想の乙女 トゥーリア！更にメイデン・オブ・グラジオラスをコール」
トゥーリアの左右にグラジオラスが並び立つ
「右のグラジオラスでアタック」
「ガード！」
クロノチャージ・ユニコーンがグラジオラスに突進を仕掛け攻撃を止めた
「トゥーリアでアタック！ドライブチェック」
【開墾の戦乙女 パドミニ】トリガーなし
トゥーリアの放った衝撃波がジャッカルに襲い掛かる
「更にグラジオラスでアタック」
続けてグラジオラスも攻撃
【ドキドキ・ワーカー】クリティカルトリガー
「ライド！クロノビート・バッファロー、ヒストリーメーカー・ドラゴンをコール、右のグラジオラスにアタック」
「ノーガード、グラジオラスは退却」
右のグラジオラスのカードをドロップゾーンに置くトコハ
「クロノビート・バッファローでアタック、ドライブチェック」
【クロノチャージ・ユニコーン】トリガーなし
トゥーリアに突撃を仕掛けるクロノビート・バッファロー
【花園の乙女 マイリス】クリティカルトリガー
「ライド！胸焦がすラナンキュラス アーシャ！」
トコハのキーユニットであるアーシャが登場したことで身構えるミライ
「イーダのブースト、ヴァンガードにアタック！ドライブチェック」
【純潔の乙女 カトリーナ】トリガーなし
【桂花の乙女 アネルマ】トリガーなし
アーシャが鍬を持った腕を振るうと無数の花弁が舞いそのすべてがクロノビートに襲い掛かった
【クロノクロウ・モンキー】トリガーなし
「グラジオラスでアタック」
「ヒストリーメーカーでインターセプト」
グラジオラスの振り下ろした剣をヒストリーメーカーが同様に剣で受け止める
「駆け抜けろ！共に進む新たな世界！ライド！クロノジェット・ドラゴン・G！」
クロノジェット・Gはマフラーを靡かせアーシャを見据える
トコハは懐かしさを覚えながらクロノジェットを見た
彼女の父であり自身の夫であるクロノがヴァンガードを始めた時からの相棒
今はミライに受け継がれ彼女を支えてくれている
「ストライドジェネレーション！」
光が天へと伸びていき竜を象ってユニットへと変わった
「超刻龍 ファンロン！スキル発動！手札からクロノチャージ・ユニコーンをコールしてタイムリープ！」
蹄を鳴らし駆けていたクロノチャージ・ユニコーンが時空の門へと飛び込むとクロノクロウ・モンキーがそこから姿を現した
「クロノクロウの効果、自身のパワーを+5000、更にクロノ・ドラン・Gの効果」
クロノ・ドラン・Gをソウルに入れるとミライは再び山札を手に取った
「スペリオルコール！クロノビート・バッファロー！」
登場したクロノビートはすぐさまヴァンガードに向かっていく
「インターセプト！」
「ファンロンでヴァンガードにアタック！」
「ノーガード！」
ファンロンが放ったブレスがアーシャにまっすぐ向かう
「トリプルドライブ！」
【クロノファング・タイガー・G】トリガーなし
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー
【刻獣使い ルガル・ウレ】トリガーなし
ファンロンのブレスがアーシャに襲い掛かる
傷つき膝をつくアーシャにさらに突進してくるファンロン
吹っ飛ばされたアーシャはそのまま倒れ込んだ
【胸焦がすラナンキュラス アーシャ】トリガーなし
【理想の乙女 トゥーリア】トリガーなし
「ファンロンのスキル、バインドゾーンのユニコーンをスペリオルコール！ユニコーンのスキルでクロノクロウにパワー+3000！」
自身のスキルとトリガー、更にユニコーンのスキルと合わせてクロノクロウのパワーは28000
そのままアーシャに向かっていくが
「ジェネレーションガード！聖樹竜 レインブレス・ドラゴン」
倒れたアーシャの前に地面から生えた根が竜を象って姿を現した
そのままクロノクロウを受け止める
「スキル発動！手札から桂花の乙女 アネルマをスペリオルコール、シールド+5000」
スキルによってシールドが上昇しクロノクロウの攻撃を受けきったレインブレス
そのままクロノクロウは後ろにジャンプして身を引いた
「ターン終了時、タイムリープの効果で呼ばれたクロノクロウは山札の下に」
「それじゃあ次はこっちの番よ」
そう言ってアーシャが立ち上がる
「ストライドジェネレーション！夢紡ぐラナンキュラス アーシャ！」
夢紡ぐラナンキュラス アーシャ
トコハが愛用しているアーシャの可能性の姿
「ストライドスキル、カウンターブラスト、ソウルブラスト、山札からアネルマをスペリオルコール、更にこの効果でコールされたユニットにブーストを与える」
本来グレード2のアネルマではできないブーストを可能にするアーシャのスキル
「さらにアネルマの開花、2体のアネルマと夢紡ぐアーシャにパワー+2000」
元々いたアネルマが目を閉じて祈るように武器をかざすとそこから光の粒のようなものがアーシャと2体のアネルマに降り注いだ
「夢紡ぐアーシャのスキル、Gゾーンの夢紡ぐアーシャを表に、スキルを獲得、さらにアネルマを山札からパワー+2000してコール」
山札から登場したことで再びアネルマの開花が発動し前列のユニット3体に合計でパワーが+4000される
「さっき獲得したアーシャのスキル！アネルマを選択！選択したユニットと同名のユニットが2体以上で前列のパワーを+5000、イーダのスキル、ソウルに移動してドロップゾーンのカトリーナを山札の下に置く、そのユニットが開花能力を持っているので1枚ドロー」
先程胸焦がすラナンキュラス アーシャのストライドスキルのコストとしてドロップゾーンに送ったカトリーナを山札に戻すトコハ
これによりカードをドローしてなおかつ次につなげることが出来る
「まずはアネルマでアタック」
一体目のアネルマがクロノジェット・Gに得物を振り下ろす
【クロノジェット・ドラゴン】トリガーなし
「夢紡ぐラナンキュラス アーシャでアタック」
アネルマのスキルと自身のスキルで合計パワー37000、更にトリプルドライブまである
ミライはこの攻撃をノーガードで通すことに
【メイデン・オブ・グラジオラス】トリガーなし
【桂花の乙女 アネルマ】トリガーなし
【フェアリーライト・ドラゴン】ヒールトリガー
「ゲット、パワーをアネルマに与えてダメージ一点回復」
夢紡ぐラナンキュラス アーシャの鍬で切り裂かれるクロノジェット・G
「ダメージチェック」
【クロノセラピー・ハムスター】ヒールトリガー
「こっちもダメージ一枚回復、パワーはヴァンガードに」
「アネルマのブースト、アタック」
アネルマが更に得物を振り上げクロノジェット・Gに襲い掛かる
ミライはダメージ4、この攻撃ノーガードで通すことも可能だが
「ジェネレーションガード！ハイブロースチーム アルリム」
あえてガードすることを選択
トコハのネオネクタールデッキはヴァンガードだけでなくリアガードも含めてパワーアップする
それにトコハはダメージ4
ダメージの数をあえてそろえることにももちろん意味がある
「ストライドジェネレーション！クロノドラゴン・ネクステージ、ストライドスキルでクロノビートをタイムリープ、クロノジェット・Gをスペリオルコール、更にルガル・ウレをコール」
ルガル・ウレはリアガードのアネルマに攻撃を仕掛ける
トコハはこの攻撃をガードせずノーガード、アネルマは退却する
「ネクステージでアタック」
「ジェネレーションガード！レインブレス、更にインターセプト」
【スチームテイマー アルカ】トリガーなし
【ディレイドブレイザー・ドラゴン】トリガーなし
【ドキドキ・ワーカー】クリティカルトリガー
「効果はすべてクロノジェット・Gに、ネクステージのスキル、ルガル・ウレ、ディレイドブレイザー、ドキドキ・ワーカーを手札から捨て、再び立ち上がり、我が世界を導け！クロノジェット・Gを再びヴァンガードに！アタック！」
真っ直ぐアーシャに向かっていくクロノジェット・G
「ジェネレーションブレイク！表のGゾーンのカード2枚ごとにパワー+5000、更にクロノジェット・Gとユニコーンにパワー+1000」
今Gゾーンに表のカードは4枚
ヴァンガードのクロノジェット・Gは21000までパワーを上げている
「パドミニ！ツッケン！グラジオラス！」
二体のパドミニにツッケン・ドーン、そしてグラジオラスがアーシャを守るように飛び出した
シールド合計25000、アーシャのパワーと合わせて36000
トリガーが2枚出ても通らないことになる
「ツインドライブ！」
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー
【クロノセラピー・ハムスター】ヒールトリガー
「ダメージ1枚回復、クロノジェット・Gでアタック！」
パワー34000クリティカル3のクロノジェット・Gがアーシャへと向かっていくが
「完全ガード！フラワーキーパー・ドラゴン」
この攻撃も阻まれてしまう
「フラワーキーパーのスキル、山札の上から5枚確認してヴァンガードかリアガードと同名のカードを手札に、胸焦がすアーシャを手札に」
さらに次のストライドのコストまで確保
ミライの攻撃を完ぺきに対処しただけでなく手札を使い切った自身へのフォローも忘れない
改めてトコハの強さを実感するミライ
「ストライドジェネレーション！冬麗の花乙姫 インベルノ！」
純白とも思える淡い色の花乙姫が姿を現した
「ストライドスキル、カトリーナをスペリオルコール、更にインベルノのスキル、ユニットがリアガードに登場した時、リアガードの開花能力を持つユニット1枚を選び、それと同名のユニットを二枚、山札から手札に加える、カトリーナ、更にカトリーナの開花、パワー+4000」
2体のカトリーナが向き合って手を伸ばす
「さらに空いている前列にカトリーナをコール、開花！すべてのカトリーナにパワー+4000、もう一体のカトリーナも発動しパワー+4000！そしてヴァンガードの後ろに最後のカトリーナをコール！パワー+4000！」
次々現れたカトリーナがパワーアップを繰り返していく
「更にインベルノのもう一つの効果！フラワーキーパー2枚、アネルマ3枚をデッキに戻し、カウンターチャージ、ソウルチャージ、ヴァンガードにアタック！」
杖を振るい大量の花を舞わせるインベルノ
「アルカで完全ガード！」
何とかアルカがその攻撃を受け止めるが
「トリプルドライブ！」
【ツッケン・ドーン】クリティカルトリガー
【胸焦がすラナンキュラス アーシャ】トリガーなし
【フラワーキーパー・ドラゴン】トリガーなし
「トリガーの乗ったカトリーナでアタック」
「遡る時乙女 ウルル！更にインターセプト！」
2体のインターセプトとジェネレーションガードで何とかしのぐミライ
次の攻撃はガードしない選択を選んだ
【クロノボレー・ラビット】クリティカルトリガー
「交差する2つの力！今こそ一つとなれ！ストライドジェネレーション！」
クロスオーバー・ドラゴンがその大きな砲をアーシャに向ける
「アタック！」
「ノーガード」
ダメージ4、1枚でもクリティカルが出れば敗北するこの状況でトコハはノーガードを選択
ミライも必死に手を伸ばす
【スチームテイマー アルカ】トリガーなし
【クロノジェット・ドラゴン・G】トリガーなし
【クロノファング・タイガー・G】トリガーなし
「っ！」
トリガーが出なかったことで苦い表情を浮かべるミライ
「ダメージチェック、ふふっ」
【花園の乙女 マイリス】クリティカルトリガー
トリガーの発動でクロノジェット・ドラゴンはヒットを望めない
「クロノジェット・Gでアタック」
「ツッケンでガード」
これでミライの攻撃は終了
だがまだ手札に十分なシールドが残されている
望みはまだあるはず
「ストライドジェネレーション！常夏の花乙姫 ベラーノ、スキル発動、ソウルブラスト、手札1枚とドロップゾーンのツッケン・ドーンを山札に戻し、アネルマを山札からスペリオルコール、元々いたカトリーナは退却」
アネルマとハイタッチしてその場から離れていくカトリーナ
「アネルマの開花、アネルマ2体とヴァンガードにパワー+2000、さらにアネルマをコール、パワー+2000」
ベラーノがクロノジェット・Gに銃を向ける
「完全ガード！」
アルカが再び攻撃を受け止めるが
「トリプルドライブ」
【桂花の乙女 アネルマ】トリガーなし
【花園の乙女 マイリス】クリティカルトリガー
【ツッケン・ドーン】クリティカルトリガー
左右のリアガードは両方クリティカル2、ミライの手札では両方を防ぐことは出来ない
「アネルマでアタック」
アネルマの攻撃を受けその場に倒れるクロノジェット・G
【スチームブレス・ドラゴン】
【スチームメイデン・メラム】

「負けちゃった………」
肩を落としてデッキを片付け始めるミライ
そんな彼女をトコハは黙って抱き寄せた
「母さん………」
「私もね、今のミライと同じように悩んだこともあった、辛くて、どうしたらいいのかわからなくて、でも………傍にいてくれる人がいたから、支えてくれる仲間がいるから立ち直れたの、だからミライもきっと大丈夫」
トコハの言葉を聞いたミライはその場で涙を流した
「私………自分から言い出したことなのに………しっかりしなきゃいけないのに………負けちゃって………」
「うん、辛かったよね、でも大丈夫、チームの子たちだけじゃない、私もついてるから」
震えるミライの背中を優しくなでるトコハ
「もしよければなんだけど、私にミライたちのチームのコーチ、させてくれないかな」

「コーチ？トコハが？」
「そう」
風呂上がりにリビングでトコハと話していたクロノは彼女の話に目を丸くした
「応援したくなっちゃってさ、頑張ってるミライたちのこと」
「なるほどな、それでミライは？」
「そのこと言ったら喜んでくれたわ、チームメイトの二人からもOKもらえたわ」
タオルで頭を拭きながらトコハと話すクロノ
「それじゃあさっそく前哨戦と行くか？」
そう言ってデッキを取り出すクロノ
「いいわね、クロノとやるのも久しぶり」
トコハもデッキを取り出した
「「スタンドアップ！ヴァンガード！」」 

次回予告
「さあ、これからビシバシ鍛えていくからそのつもりでね」
「あはは、お手柔らかにね、お母さん」
「懐かしいな、俺も昔はいろんな特訓したっけ」

turn:9 VF交流会

「まさか、ミキちゃんたちに同じようなことやらせてないわよね」
「やらせねえって、大体あれはカムイさんが………」
「あんたもだいぶ感化されてたでしょ」