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レーヴァティン

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第十六話 あらためてその四

「見ての通りだよ」
「壁は高くてしっかりしててか」
「塔も多いだろ」
「門もしっかりしててな」
「守りを固くしてるんだよ」
「実用的なんだな」
「ああ、戦に備えてな」 
 まさにそれにというのだ。
「いつも騎士団を鍛えてて領内の政治も気を使ってな」
「豊かにしてか」
「領内を強くしてるんだよ」
「何かと大変なんだな」
「真面目な領主さんはな」
 智はここでこう話を限定した。
「大変だよ、贅沢もしないさ」
「真面目ならか」
「戦に備えてちゃんと内政や外交もしないといけないからな」
「滅びない為にか」
「領民が迷惑しない為にもな」
「成程な、けれど真面目じゃない領主もだな」
「世の中馬鹿もいるだろ」
 智のここでの返答はあっさりしたものだったがシニカルな響きもその言葉の中に入れていた。
「そうだろ」
「ああ、賢い奴もいればな」
「それで馬鹿な領主はな」
「戦や政治のことを考えずにか」
「贅沢三昧でな」
「自滅するんだな」
「そうした奴は大抵そうなるな」
 まさにというのだ。
「それで隙を衝かれてな」
「自業自得の結末か」
「そうなる場合が常だな」
「まあ群雄割拠の中で自分のことしか考えないとな」
 それこそとだ、久志も話を聞いて言った。
「そうなるよな」
「だから馬鹿だって言ったんだよ」
「そうだよな、やっぱり」
「ああ、けれどここの領主さんはな」
「真面目でか」
「そんなことはしないだよ」
 自分だけのことを考えて贅沢に耽る様な愚行はというのだ。
「だからこうした場所に住んでるんだよ」
「そうか」
「大きい砦だけれどな」
 日本の城それもそれなりの規模があるもの位の広さに実に堅固な建物がある。塔も壁も見事だ。
「実用第一でな」
「堅固でか」
「戦にも耐えられるぜ」
「そうだな、この砦だとな」 
 久志は領主がいるその砦をあらためて見て言った。
「ちょっとやそっとだとな」
「陥落しないな」
「そうだよ、いい砦だろ」
「ああ、そこにいる領主さんもな」
「立派な人だぜ、じゃあその領主さんのところにな」
「行くか」
「今からな」
 二人そして順一もだった、三人で砦の正門まで来た。すると門は質のいい鎧兜で武装しハルバートを持った兵士達が守っていてだ。 
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