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レーヴァティン

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第十六話 あらためてその一

          第十六話  あらためて
 三人は一週間かけて沼地から智の小屋までを踏破した、そのようやく戻ってきた時にだった。
 久志は大きく息を吐きだしてだ、こう言った。
「やっとな」
「出られましたね」
「ああ、本当にな」 
 こう順一にも応える。
「やっとだよ」
「長い道のりでしたね」
「行きも帰りもな、それにな」
「モンスターもいました」
「何度戦ったよ」
 その戦闘回数のことも言う。
「一体な」
「二十、いえ三十は」
「もっと多くないか?」
「そうかも知れませんね」
 順一も否定しなかった。
「考えてみますと」
「そうだよな」
「とかくモンスターが多かったです」
「とんでもない森だったな」
「奥はそうだった」
 智も言う。
「この辺りは違うのにな」
「然程だよな」
「ああ、多くないんだよ」
 モンスターの数はというのだ。
「この辺りはな」
「けれど奥はな」
「違ったな」
「ああ、本当にな」
 実にという言葉だった。
「死にそうになったぜ」
「三人でしかもレーヴァティンとかないとな」
「死んでたな」
「絶対な」
 確実にという返事だった。
「そうなってたよな」
「そうだよな」
「全くです、三人いなければ」
 順一も言う。
「そしてそれぞれが優れた武器やアイテムを持っていないと」
「死んでたな」
「そうなっていました」
 こう久志に返した。
「私もそう思います」
「ドラゴンだってな」
「レーヴァティンやアポロンの弓矢がありましたので」
 久志と智の持っている、だ。
「ですから」
「勝ててな」
「ここまで帰ってこられました」
「あの沼まで行くまでもな」
「普通の冒険者なら」
「無理だったな」
「途中で倒れていました」
 文字通りそうなっていたというのだ。 
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