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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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デザームの実力

 
前書き
イプシロンとの戦いの行方は? 

 
「行くぞみんな!イプシロンを倒して雷藤を助けるんだ!」

私たちは円堂くんの声で自らの定位置に並んだ。

雷門中

FW アツヤ 染岡 黒薔薇
MF 風丸 鬼道 天空橋 塔子
DF 木暮 壁山 吹雪
GK 円堂

イプシロン

FW ゼル マキュア
MF メトロン クリプト スオーム フォドラ
DF タイタン ケイソン モール ケンビル
GK デザーム

私たちは余計にフィールドに立つことで
相手からのプレッシャーを感じる。

知らずに私も手が震えていた。

私たちがやらなきゃ!
その気持ちが強く私は左手で震える手を抑えた。

デザームが腕を組んだまま私たちに向かい話す。

「三分だ。三分で片づけやる」

デザームの言葉にアツヤくんが笑う。

「三分だってよ!笑わせてくれるぜ!」

アツヤくんの笑いもつかの間、すぐに真面目な顔になった。

「さあ、始めようか!」

デザームがそう叫ぶ。

ボールは私たち雷門からだ。

「行くぜ黒薔薇、染岡」

アツヤくんの言葉に二人が頷き、ホイッスルが鳴り響いた。

ピーーーーーーーーー!!

「行くぞ!」

アツヤくんが黒薔薇くんにボールをパスし攻め込む。

黒薔薇くんが攻め込むが相手は動かない。
黒薔薇くんは果敢に攻め込んでいく。

「あいつら舐め切ってやがる⋯!黒薔薇俺にパスだ!俺が決める!」

黒薔薇くんはアツヤくんの言葉に頷き、パスを貰った。
そのままアツヤくんはゴール前まで上がり、シュートの構えをとった。

「ぶっ飛ばしてやる!喰らえ!吹き荒れろ⋯!」

アツヤくんは両足でボールの回転を加えると
氷を纏いながら蹴り込む。

「エターナルブリザードォォォォォォォ!!」

アツヤくんの渾身の一蹴りがデザームに向かい唸りを上げ襲い掛かる。

デザームは襲い掛かるエターナルブリザードに向け
右手を前に出し止めに掛かった。

「あいつ必殺技を使わないのか!あの技に対し、自殺行為だぞ!」

染岡くんがそう叫んでいるが
時すでに遅し。

グオオオオオオオン!!

凄まじい音とともに氷から発せられた
白い煙がデザームを包んだ。

「へっ⋯ざまぁみやがれってんだ!」

アツヤくんがそう言いながら煙を確認する。

しかし、そこに姿を現したのは右手だけで完璧に
シュートを受け切ったデザームの姿だった。

「な、なに!?」

アツヤくんも驚きが隠せていない。

「ふははは!悪くない!」

デザームはそう呟くと、ボールを足元に置いた。

「これで終わらせてやろう!」

デザームはなんとゴールからシュートを放ったのだ。

ドゴオオオオオオオ!

デザームが放ったシュートは唸りを上げながら
円堂くんが守るゴールに向かっていく。

「きゃああああ!」

私たちはあまりのシュートの威力に吹き飛ばされる。

そんな時まだ吹き飛ばされていない木暮くんが逃げ惑う姿が見えた。

「伏せて木暮くん!」

私はとっさに木暮くんに伏せるように叫んだ。

「そんなこと言われても!わわっ!」

木暮くんは吹き飛ばされていた壁山くんの足に引っかかり
ボールを回避した。

しかも、回避しただけではない。
木暮くんが勢い余ってこけたおかげで、木暮くんの足の回転が
ボールを包み、威力を奪った。

キュルルルル⋯ すとん⋯

「「「えっ!?」」」

私たちはその光景に驚きが隠せない。

なんと木暮くんはあの強力なシュートを止めてしまったのだ。

当本人は何が起きたのか理解できている様子はなく
ただ呆然と目の前に落ちているボールを見つめていた。

しかし、安堵はつかの間。
円堂くんの目の前にはデザームが立っていた。

「どうやら私は、お前らを甘く見ていたようだ」

そうデザームは円堂くんに話すと
後ろを向きメンバーに伝える。

「作戦終了だ。イプシロンの戦士たちよ、ただちに撤退せよ」

「デ、デザーム様?なぜ?」

突然の作戦終了の指示にゼルが驚く。

ゼルの驚きを予想していたのかデザームは
また円堂くんにまた振り向いた。

「聞けぃ雷門中!お前たちの力はまだまだ我らの相手には遠く及ばぬ!10日だ…、10日だけお前たちに時間をやる!もっと己を鍛え、私の望む真剣勝負の相手になれ!そして再び我らの勝負に決着をつけようではないか!」

「な、なんだって!?何を考えてるんだ⋯!」

円堂くんは突然のデザームの提案にデザームに問う。

しかし、イプシロンはその問いには答えずに姿を消してしまった。

「え、お、俺が止めたのか⋯?」

少し状況が理解できたのか木暮くんはそう呟く。

円堂くんや春奈ちゃんが木暮くんい駆け寄る。

「そうだよ!木暮くんが止めたんだよ!」

春奈ちゃんが木暮くんにそう声を掛けた。

「凄いぞ木暮!やるじゃないか!」

円堂くんも木暮くんも褒める。

一斉に褒められて調子を良くしたのか話し出す。

「俺凄い!?ねえねえっ俺凄いよね!俺が敵のボールを止めてしまったから、あいつら逃げてしまったんだろ!?やっぱ、この俺の才能に奴らもビビっちまったんだよなあ。うんうん⋯」

木暮くんは有頂天になってしまっているようだ。

「結果的に学校が全部破壊されないくてよかったね!」

私がそう話した時だった。

「よくねえよ!!」

私はその大声にビクリとした。
叫んだのはアツヤくんだった。

そのままアツヤくんは無言のまま立ち去り
代わりに吹雪くんが私に話しかける。

「ごめんね天空橋さん。アツヤはボールが止められたことに苛立ってるんだよ」

吹雪くんから話を聞くと、アツヤくんはシュートを今まで止められたことがなく
初めて止められた上に、片手で止められたのがショックだったのだろうということだった。

「ごめん、軽率な言葉だったね」

「ううん、天空橋さんは悪くないよ」

そう言うと吹雪くんもアツヤくんの後を追っていった。

私が少し落ち込んでいると、監督が話した。

「でも、エイリア学園が言っていることも正論よ。今のあなた達ではイプシロンには絶対に勝てないわ」

私たちは悔しいけれど監督のその言葉に頷いた。

「明日私から次の目的地を話すわ。今日はお疲れ様。残りの時間、自由に過ごすといいわ」

そう言うと監督はキャラバンに戻っていった。

染岡くんは監督に対して愚痴ってはいるものの
アツヤくんのところに行くといい、走っていった。

私もこの自由時間を有効に使おうと
秋ちゃんたちと街へと下って行った。 
 

 
後書き
天空橋「うん、八ツ橋食べに行こ!」
夏未「八ツ橋って何?」
天空橋「夏未ちゃんも食べよ!美味しいから!」
 
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