| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

0123話『朝に起こしに来る人は』

 
前書き
更新します。 

 






私がまだ朝五時過ぎの時間帯に目を覚ましてまだ寝ていたいという気持ちになり二度寝をしようと思った矢先に事件は起こった。

「朝ー! 朝ですよー! 朝だってば!!」
「………」
《なんでしょうか……?》

夜の川内張りに朝には騒ぎ出す子の存在を忘れていたなぁ……と。
それで私はしぶしぶ起き出して、

「こんな朝早くにどうしたんだ朝風……?」
「司令官! そんな調子じゃダメよ! 今夜には大規模作戦が始まってさらには『旗風』が仲間になるっていう話じゃない!? だからいてもたってもいられなくなったのよ!」

そう言って朝風は寝室で元気に騒ぐ。
わかった、わかったから。

「はぁー……仕方がない。起きてしまったのもなんだからもう朝の食事を食べにでもいくとするか」
《そうですね、提督》
「話が早くて助かるわ! 朝の元気は食事から始まるんだから!」
「そうだな……少し着替えるから外に出ていてもらってもいいか……?」
「わかったわ」

それで提督服に着替えた私は朝風と一緒に食堂へと向かっていた。
食堂に着くともう朝の準備をしているのか間宮さんと伊良湖さんが朝の支度をしていた。

「あら? 提督に朝風ちゃん、おはようございます」
「ああ、おはよう間宮さん」
「おはようございます!」

間宮さんに挨拶をした後に、

「それにしても提督、本日は早いんですね。今日から大規模作戦が始まるから気合が入っているんですか……?」
「いや、それが朝風に起こされてしまってな」
「そうだったんですか。それではすぐに朝の食事の準備をしますので待っていてくださいね」

そう言って間宮さんは厨房の方へと入っていった。
いや、ほんと間宮さんには頭が下がる思いだ。大規模作戦が始まったらちょくちょく訪れることになるだろうからありがたみを感じるな。

「司令官! それじゃ早く席に着きましょう!」
「そうだな」

朝風はいまだにやる気が抜け切れていないのか騒々……ゲフンッ、元気だ。
これが昼頃になっていくと普通の状態に戻っていって夜には低浮上になっているから本当に川内の健康状態みたいだな。
それで朝食が来るのを待っていると朝風と同じく早起きなのか神風、春風、松風の三人もしっかりとした着心地で食堂へと入ってきた。

「あら? 司令官、早いじゃない? おはようございますね」
「司令官様、おはようございます」
「ふふ、察するに朝風の姉貴に叩き起こされた口だね……?」

神風が私に気づいたのか朝の挨拶をしてきて、春風も礼儀正しく挨拶をしてきて、松風だけはなにやら朝風の方を見ながらもそんなことを言っていた。
松風に関しては当たりなので何とも言えない。
そんな松風に対して朝風はというと。

「別にいいじゃない? 大規模作戦が始まる朝はしっかりと栄養を取っておくのも大事なのよ松風?」
「否定はしないさ。ふふ、君も中々大変そうで何よりだよ。ああ、朝風の姉貴に弄ばれる君の姿はなんて面白いのだろうか」
「うるさいわよ松風! あんたの調子に合わせているとこっちも疲れてくるんだから少しは静かにしていなさい!」

どこか演技が入っているんではないかと思うくらいには松風が自分の世界に入っている。これで素なんだからすごいよな。
そして君が言えるセリフかい?という言葉を発している朝風にはどうしたものか。
そんな二人をよそに神風が私に話しかけてきた。

「それより司令官? とうとう旗風も来るらしいっていう話は本当なの?」
「ああ。だから楽しみにしていてくれ」
「そう……それじゃ神風型で旗風の歓迎会を開かないとね!」
「神風姉さま、とてもそれはいい案だと思いますわ」

春風が手を合わせて神風の提案を褒めていた。
そんな事を言われると早く合わせてあげたいじゃないか。
私は先行勢じゃないけどできるだけ早めにイベント海域には突入していく性質だから早めに仲間にしてやりたいよな。
と、そうだな。
まずは旗風より先にE1で仲間になるであろう駆逐艦の子を救出しないといけないから頑張らないとな。
……まさかE1でいきなり連合艦隊を組むとは思いたくないけど前例がないわけじゃないから引き締めてかかっていかないとな。
私がそう思っていると間宮さんが食事を持ってきてくれたのか、

「はい。提督、今日の食事ですよ」
「ありがとう間宮さん」
「いえ、それでは。神風ちゃん達も早く注文して頂戴ね」
「「「はーい」」」

いまだに四人でがやがや騒いでいたので間宮さんの一言で次々と注文をしていく三人。
朝風だけはどうやら息切れを起こしているようだ。
松風に弄りに弄りられたか。

「はぁー、はぁー……ほんとうに松風の相手は疲れるわね」
「お疲れさま。ほら、朝風も食事を摂ったらどうだ? さっき一緒に持ってきてもらってたぞ」
「そうね。朝の補充は大切よね。いただきます!」

そう言って朝の食事にありつく朝風の表情はとても晴れ晴れしているのが印象的だった。
やはり間宮さんお手製の料理は美味しいのだろうね。

「うまい! やっぱり間宮さんの料理は最高ね! ほら、司令官も早く食べましょうよ!」
「そう急かすな。食事はゆっくり食べてこそだろう」
「そうね。悪かったわ」

それで二人でゆったりしながら食事を食べていると次第に食堂にはほかの艦娘達も顔を出し始めたのか色々と注文をしている光景を見て、

「朝に早起きをするのもいいものだな。みんなの色々な顔が見れるから」
「そうでしょう? これもあるから朝は楽しいのよ。今度から司令官も早起きをした方がいいんじゃない?」
「わかった。努力はしてみるよ」
「ん。まぁいい返事だからいいわ」

その後に神風たちも食事を持ってきて神風型のみんなと一緒に食事を摂った後に今夜から始まる大規模作戦に向けて準備を開始するのであった。
きっと、今回も新艦娘全員を仲間にすることを目標に掲げる。
あわよくば全甲でクリアしたいなという気持ちにもなっていた。

「司令官。今度も頑張っていきましょうね!」
「ああ」

そう朝風に答えておいた。


 
 

 
後書き
今回は朝風をメインにして書いてみました。
今夜から大規模作戦が始まります。
備蓄は済ませましたか……? 主力はレベリングは完了しましたか……? お祈りはすみましたか……?
提督の皆様の健闘を祈ります。



それではご意見・ご感想・誤字脱字報告をお待ちしております。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧