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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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596部分:第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその十


第四十六話 馬岱、乳を羨むのことその十

「何も知らないなんて」
「実際に知る筈がないだろ」
 魏延も言い返す。
「どうしてそんなことを知っているんだ」
「あのね。私なんてね」
「何だというのだ」
「幾ら努力しても大きくならないのよ」
 自分の胸を見て言うのであった。
「何をしてもね」
「そうなのか」
「そうよ」
 また言う馬岱だった。
「何をしてもなのよ」
「自業自得だ」
「何でそうなるのよ」
「日頃の行いが悪いからだ」
「私が?」
「そうだ、御前の日頃の行いがだ」
 また言う魏延だった。
「その顔を見ればわかる」
「顔ってね。あんたの顔こそ」
「何だというのだ」
「碌なものじゃないじゃない」
 いよいよ本格的に喧嘩になりだしていた。
「その胸だってね」
「胸がどうした」
「大きければいいってものじゃないのよ。大事なのは形よ」
「御前の胸は形も悪いだろうが」
「いいわよ」
 力説だった。魏延の顔を見据えてだ。
「それじゃあここで見せてやるわよ」
「ああ、風呂場で見たがな」
 これは確かだった。見ない筈がなかった。一緒に入っていてだ。
「もう一度見てやる、その形の悪い胸をな」
「あんたも見せなさいよ」
 馬岱も言い返す。言い返さない筈がなかった。
「いいわね」
「おう!見せてやる!」
「今ここでよ!」
「ああ、待て待て」
「いい加減にしろっての」
 だがここで、だった。関羽と馬超が二人の間に入ってきた。
「こんな道の真ん中で胸なぞ出すな」
「人が来たらどうするんだ」
「来ないわよ」
「そうだ、多分な」
 二人にも言い返す彼女達だった。
「こんな山の道の中に」
「何で来るんだ」
「いつもの三人なら出て来るのだ」
 張飛は彼等の話をした。
「何処でも出て来る奴等なのだ」
「そういえばそうですよね」
「あの人達って何処にもいますから」
 孔明と鳳統もあの三人のことを話す。
「一体どういう人達なんでしょうか」
「別人なんでしょうか、本当に」
「わからないな。だが」
 趙雲は考えるふりをしていた。
「話しをすれば本当に出て来るぞ」
「出て来るかしら」
「噂をすれば何とやらだ」
 こう黄忠にも返す。
「すぐにでもだ」
「ん?おいら達呼ばれたか?」
「そうじゃねえのか?」
 早速二人出て来た。太いのと小さいのだ。
「何か旅してるだけだけれど」
「何だってんだよ」
「噂をすれば」
「本当に出て来たなんて」
 魏延も馬岱もこれには少し驚いた。
 
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