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夢幻水滸伝

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第十五話 傭兵の四人その十四

「そうした地域の田を二倍にします」
「倍か」
「平地において、それと開拓した場所にも」
 そこにもというのだ。
「新田をもうけます」
「どんどんいくな」
「農民には新しい農具及び牛や馬を供与し」
「貸すんやなくてか」
「そのまま使ってもらいます」
「ずっとやな」
「田は一年や二年のものではありません」
 そうした期間だけのものではないというのだ。
「長きに渡って米を植えて収穫を得るものです」
「そやからか」
「はい、そうしたものは供与します」
 貸すのではなく、というのだ。
「そうします」
「渡した時に税金とかも取らんか」
「あえて」
 それはしないとだ、太宰は中里に明瞭な声で答えた。
「そうします」
「それで民の負担とかも減らすか」
「そして支持も手に入れます」
「人気取りでもあるか」
「そう言うと下世話ですがやはり」
「人気は必要か」
「この世界についても」
 政をするならというのだ。
「選挙等はなくとも人気があるに越したことはありません」
「政治家ならか」
「結局政治家は人気あってこそです」
 この真実もだ、太宰は指摘した。
「人気がない政治家程惨めなものはありません」
「人気のないタレントと一緒か」
「はい」
 まさにその通りという返事だった。
「その通りです」
「政治家も大変やな」
「そうです、ですから」
「僕等もやな」
「人気が必要です」
「シビアな話やな」
「人気、実力なくしてはです」
 その双方がというのだ。
「星の者達といえどもこの世界でも何でもありません」
「治められんか」
「はい、ひいては戦もです」
 こちらもというのだ。
「勝つことも出来ません」
「ああ、兵隊がついてこんか」
「人気、つまり人望がありませんと」
 そうなるというのだ。
「それはこの世界でも同じです」
「そういうとこはどの世界でも同じか」
「そうです、少なくとも我々は神具やそれぞれの才能があり努力することも可能です」
 そうした要素が重なっていてというのだ。
「ですから資質は最初からある程度備わっていて」
「その資質を伸ばすことも出来るか」
「そうです」
 まさにというのだ。 
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