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夢幻水滸伝

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第十五話 傭兵の四人その十二

「山ばかりでな」
「吉野とか十津川の辺りは」
「それで田んぼもやな」
「あまり出来ません」
 だからだというのだ。
「ですから大和は北だけです」
「田んぼを築けるか」
「はい、そしてです」 
 弥生はさらに話を続けた。
「町や工場もなんです」
「大和ではやな」
「北だけです」
「山ばかりでそういうのがもうけられんか」
「そうなんです」
 それが大和だというのだ。
「山ばかりで林業やら山を使った産業は出来てますけど」
「他の産業は出来んのやな」
「そうですわ、人も少ないです」
「今の奈良県もやな、北に人口が集中してるか」
「産業も」
「南の林業等も後々さらに整えますが」
 また太宰が言ってきた。
「しかし今は」
「後やな」
「今回は農業です」 
 新田開発だというのだ。
「そして新田開発からです」
「さらにか」
「様々な野菜や果物もです」
 そうしたものまでというのだ。
「増やしていきます」
「各地の特産品としてか」
「はい、大和でしたら」
 その新田開発を行う国はどうかというと。
「色々作ることが出来ますので」
「そうなんか」
「はい、かなり豊かな国なので」
 だからだというのだ。
「蜜柑や梨、お茶に紙とです」
「紙、ああ和紙か」
「この和紙は世界的にも評判がいいので」
「売れるんやな」
「はい、ですからこちらもです」
「作るんか」
「そして墨も」 
 こちらもというのだ。
「作っていきます」
「凝ってるな」
「この和紙からお札も造っていますので」
 貨幣の話もだ、太宰は話した。
「そちらにも使います」
「和紙はええんやな」
「そうです、和紙も生産も増やしていきます」
「それでお札にも使ったり海外にも売って」
「収入にもしていきます」
 国家のそれにというのだ。
「そうしたことも考えています」
「先の先を考えてるな」
「それが政です」
 太宰は中里に簡潔な声で答えた。
「先の先を読み予算も投じ」
「やっていくものか」
「その投じた予算が後で何倍にも返ってきます」
「それで内政をするんか」
「はい、幸いこの度の政の予算は充分にあります」
「その予算使ってやっていきますにゃ」 
 弥生も言ってきた。 
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