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星河の覇皇

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第六十三部第五章 会見の申し入れその五十

「進めて」
「そして、ですね」
「行うものですから」
「民主国家では軍を迅速に動かすことも」
「中々難しいものがあります」
 民主政治の難点の一つと言うべきだろうか、軍事行動も極秘に行うことは容易には出来るものではないのだ。
「確かに」
「民主政治は密室を嫌う」
「主権者である市民が嫌うので」
「それで政治家としてもですね」
「例え極秘に政治をしたくとも」
 国家機密上の理由でそうしたくともだ。
「それでもです」
「出来ませんね」
「難しいものです」
「それで、ですね」
「軍の迅速な行動も」
「そして極秘行動も」
 こちらもだった。
「難しいものがありますね」
「どうしてもそうなります」
 こう結論が出た、そのうえでだった。
 ディカプリオは難しい顔でだ、こうも言ったのだった。
「そのことが気になるといえば」
「なりますか」
「実感としてはありませんが」
 ディカプリオは民主国家である連合で生まれ育った、それでなのだ。民主政治の欠点と言われても実感出来ないのだ。
「しかし
「そうしたことが書かれていたのですか」
「軍事の学術書で」
 それを読んでというのだ。
「そうしたことが書かれていまして」
「軍事行動の実行までの動きの遅さですか」
「はい、しかし」
「それでもですね」
「軍の統制にはです」
「民主政治はいいですね」
「文民統制の視点から見れば」
 それで、というのだ。
「そちらの方がいいと」
「やはり軍はコントロール出来なければ」
「大変なことになります」
 実際に軍の暴走、そして政権転覆等は歴史においてよくあったことだ。この時代でもサハラにおいては顕著である。
「ですから」
「文民統制が一番いいです」
「例え判断が遅れても」
「非常時にはです」
 大災害や敵国の突然の侵攻の時はとだ、八条はこのことも話した。
「国防長官である私、さらに重要な事項ですと」
「大統領のですね」
「権限で軍を動かせます」
「あくまで非常時にはですね」
「そうです、各国の国家元首の要請を受ければ」
 その場合もというのだ。 
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