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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:6 雷鳴轟く!波乱の事前予選!

 
前書き
U-20の出場資格をいち早く獲得するため
ミライたちはドラゴンエンパイア支部で行われるイベントに参加する
普及協会の凄腕たちを相手に奮闘するミライたち
タツマの前に立ちはだかったのはなるかみのクランリーダーだった 

 
「事前予選?ってなんだ?」
カードキャピタル2号店に集まったミライたち
タツマの疑問に対してミライが説明する
「えーっと、本来ならU-20の予選はもう少し先、大体1か月ぐらい後になるんだけど、その前に普及協会の各支部でショップ予選よりももう少し規模の大きい予選が開かれるの、それが事前予選、当然突破できればU-20の出場権を一足早く獲得できちゃうってわけ、次の週末にドラゴンエンパイア支部でその事前予選が開かれることになってるわ」
「ふーん、なるほどね」
興味なさげにこたえるタツマ

Turn:6 雷鳴轟く!波乱の事前予選!

ドラゴンエンパイア支部を訪れたトコハはファイトスペースで子供たちの様子を眺めていた
皆楽しそうにファイトしているのを見てうれしくなったトコハは小さく笑うと立ち上がった

スーツを着て眼鏡をかけた男性がファイトスペースに駆け込んでくる
「いやー、ごめん、待たせちゃって………あれ?」
男性が頭を下げながら声をかけるとそこで待っているトコハの姿がなく
「ストライドジェネレーション!」
トコハのストライドと共に子供たちから歓声が上がる
待ってる間子供たちとファイトしていたようだ
「ははっ、まあしょうがないか」

ファイトを終えたトコハは
「ごめんなさい早尾さん」
「いやいや、こっちこそ待たせちゃってごめん、こういう受け渡しだって普段は支部長がやってるんだけど、今日は会議で本部に行ってるし、あ、これ、頼まれていた書類ね」
そう言って大きめの茶封筒をトコハに手渡す
トコハは受け取った封筒を開け中身を確認する
「確かに、受け取りました」
そう言ってトコハは封筒を持参したカバンにしまう
「そう言えば、ミライちゃん今年はU-20に出るんだってね」
「ええ、新しいチームで頑張ろうと………にしても情報が早いですね」
「これでも一応協会の人間だからね、そういった情報は目敏く入ってくるんだ」
「ご謙遜を、なるかみクランリーダーの早尾アンリさん」

ドラゴンエンパイア支部の事前予選
設置された掲示板でエントリーしているチームの名前を確認するミライたち
「そういや、こないだのやつらもこの大会出るのか?」
「ん?お父さんから出るって聞いてるけど、名前どこかな」
タツマの問いかけにリストにもう一度目を通すミライ
「一番左の列、上から三番目よ」
「左の列の………あ、あった」
後ろから聞こえた声に従うと確かにクロニクルハーツのチーム名と共にミキたちの名前が
「って、今のって………」
ミライたちが振り返るとそこにはミキ達の姿が
「ミキ………」
「どう?素敵なチーム名でしょ」
自慢げに胸を張るミキに詰め寄るタツマ
「へっ、丁度いい、こないだの借りを返してやるぜ」
タツマのその言葉にミキたちは目を丸くして噴出した
「なっ、何がおかしい!」
「この大会はエントリーするチーム同士が戦うものじゃないのよ、だから大会中に私たちとファイトすることはないわ」
「なっ!?んだよそれ、じゃあ、なんでお前は出場チームの確認なんかしてたんだ?」
未だに掲示板に目を通すミライに問いかけるタツマだったが
「そんなこともわからないのね」
「んだと!って、今のだれだ」
タツマがあたりを見回していると
「ここに居るのはU-20出場を目指すライバルたち」
「だから予選の前にすこしでも情報収集しようってこと、ここにいる誰もがそう考えてる、掲示板を見てるのは貴方たちだけじゃないしね」
赤い髪の少女と金髪の少女がそう答えた
確かに掲示板をチェックするファイターの姿がたくさん見受けられる
「つか、誰だよお前ら」
「いずれわかるわ」
クスクス笑いながら立ち去っていく二人
「なんだったんだあいつら」
「参加選手なのは間違いないと思うけど………もう一人はどこなのかな?」
顎に人差し指を当てながら首を傾げるミツキ
一方タツマは再び参加者の名前に目を通していた
「(姉貴も出んのか………)」
東海林タツミの名前を見つけ目を細めてそれを見た
「(そのうち………戦うことになるんだよな)」
拳を握り闘志を燃やすタツマ

ドラゴンエンパイア支部長、安城マモルの説明と共に始まった事前予選
チームメンバーそれぞれが一人3試合、合計9試合を競って最も勝利数の多いチームの優勝
対戦相手はドラゴンエンパイア支部の職員の中から選ばれた有志たち
支部長や各クランリーダーの姿もある
彼らは事前に割り振られた番号のテーブルで挑戦者を待ち構えている
抽選によって引き当てた番号の相手とファイトすることになる
「カーニバル・ドラゴンでクジキリコンゴウにアタック!」
カーニバル・ドラゴンのブレスがクジキリコンゴウに襲い掛かる
「サロメのリミットブレイク!ヴァンガードにアタック!」
抹消者 サンダーブーム・ドラゴンを斬りつけるサロメ
「クロノジェット・ドラゴンのアタック成功によりスキル発動!交わりし2つの力によって、再び立ち上がれ!クロスオーバー・ドラゴン!」
クロスオーバー・ドラゴンが放った攻撃が相手のヴァンガードを飲み込んでいく
ミライたちだけではなくライバルたちも奮闘していた
「クロノスコマンド・レヴォリューションのスキル!相手のリアガードをすべて山札の下に!」
古代竜 ティラノレジェンドを取り囲んでいたリアガードがすべて時空の穴に飲み込まれる
愛の狙撃手 ノキエルに殴りかかったタマハガネの攻撃を恋の守護者が阻む
そしてネオネクタールのホームである森の中で対峙する2体のユニット
「姫小百合の精華銃士 マイラでヴァンガードにアタック!」
チグサのヴァンガード、マイラが踊るように華麗な剣を振るいマガツストームを切り裂いた
「イェイ!」
ミツキとハイタッチして一戦目の勝利を喜ぶミライ
丁度そこへ戻ってきたタツマにも手をかざす
「ったく………ほら」
「イェイ!」
それを見て小さく笑っていたミライだったが自分も手をかざしてタツマに歩み寄った
「しょうがねえなおめえらは」
などといいつつハイタッチを交わすタツマとミライ
「そういや、俺らのチーム名って………」
ふと気になって掲示板を確認するタツマ
掲示板にはフォーチュンライトと書かれている
「光………いや、この場合照らすって意味の方か?」
「ええ、私たちがこうしてチームを組んでいるのって、経緯からしてなんだか運命じみたものを感じてね」
「ミライさんそういう言い回し好きですよね」
ミツキの言葉に笑いながら頷くミライ
「どうしても癖でね、だから、私たちが出会い、チームを組むことが出来たこの運命を照らせるようにってね」
そう言って抽選のため歩いていくミライにミツキが続く
「っと、俺も抽選いかねえとな」
と、歩きはじめるタツマ
「………っておい!フォーチュンは運命じゃなくて未来って意味じゃねえか!ちゃっかり自分の名前チーム名に使ってんじゃねえよ!」
「(バレタ)」
お茶目のつもりか舌を出しながらタツマを無視するミライだった

「ったくあいつは………」
2番の札を手に移動しながら毒づくタツマ
ようやく所定のテーブルにたどり着いた彼を待っていたのはアンリだった
「えっと、よろしくね」
「そういや、確か1番から5番はクランリーダーって」
「あ、うん、俺は早尾アンリ、一応なるかみのクランリーダーね」
そう言って握手するため手を差し出すアンリ
戸惑いながらも握手に応じるタツマ
「(腰引けてんじゃねえか、本当に強いのか、こいつ………)」
ファーストヴァンガードを置きファイトの準備をするタツマ
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

惑星クレイ、ドラゴンエンパイアの平原で対峙していた
「秘められし才気 ルート」
「ハーブリンガー・ドラコキッド」
竜を象った獲物を持ちマントを身に着けた小竜のユニットを見据えるルート
「なるかみか………」
竜刻魔導士 ニーズにライドして様子を窺う
「って、なるかみのクランリーダーっつってんだから当たり前か」
「ライド!トレイニーモンク・ドラゴン、もう1枚リアガードにコール、リアガードのトレイニーからアタック」
トレイニーモンク・ドラゴンの回し蹴りがニーズの頬を直撃する
「ダメージチェックだ」
【竜刻魔導士 リア・ファル】トリガーなし
「ハーブリンガーのブースト、ヴァンガードのトレイニーでアタック」
更にヴァンガードのトレイニーが足を振り上げニーズに迫る
「ノーガード」
「ドライブチェック」
【魔竜戦鬼 チャトゥラ】トリガーなし
トレイニーの蹴りが大地を割りニーズは体勢を崩した
【黙殺の騎士 ギーヴァ】トリガーなし
「ライド!竜刻魔導士 リア・ファル!更にアビサル・オウルをコール」
タツマがリアガードを呼んだのを見てアンリは目を光らせた
「アビサル・オウルのスキル、デッキの上から7枚見てその中からルアードの名を持つグレード3を手札に、覚醒を待つ竜 ルアード」
「その効果を使うと手札からグレードの合計が3になるように捨てなければならないはず」
「ああ、だからデススプレイ・ドラゴンを捨てる」
手札を捨てるとすかさず攻撃の態勢に入るタツマ
「アビサル・オウルでヴァンガードのトレイニーにアタック!」
アビサル・オウルが勢いよくトレイニーの懐めがけて突撃する
「ダメージチェック」
【黒風白雨のジン】スタンドトリガー
「スタンドトリガー、リアガードのトレイニーをスタンドしてヴァンガードにパワー+5000」
「それでもまだこっちのパワーが上だ!」
そう叫びながらリア・ファルが攻撃を放つ
【ハウルオウル】ドロートリガー
「っしゃあ!トリガーの効果で1枚ドロー!」
「ダメージチェック」
【ライジング・フェニックス】トリガーなし
「スタンドアンドドロー、君、結構カッとなりやすい性格だろ」
「あ?何でそんなことわかんだよ、確かにお袋や姉貴からよく言われるけどよ」
「だから、ユニットを並べて攻撃を仕掛ければ、対抗してくると踏んでいた、そして、君は僕の誘いに乗ってくれた」
「何を言って………」
「こういうことさ」
不敵な笑みを浮かべ手札の1枚を手に取るアンリ
「ライド!マーシャルアーツ・ドラゴン!スキル発動!アビサル・オウルを退却しバインド!」
マーシャルアーツの拳から放たれた電撃がアビサル・オウルを吹き飛ばした
「なっ、俺のリアガードを」
「ルアード、リア・ファル、アビサル・オウル………君のデッキは儀式の効果を持つユニットが多い、だが、俺のなるかみならそれを封じることが出来る」
アンリの言う通り
退却したアビサル・オウルはドロップゾーンではなくバインドゾーンに置かれた
これを回収する手立てはなくドロップゾーンを参照する儀式の効果への影響もある
「チャトゥラとマーシャルアーツをコール」
「(こいつ………つえぇ)」

「再び立ち上がれ!クロノジェット・ドラゴン・G!」
クロノジェット・Gの攻撃で何とか勝利したミライ
「ミライさーん!」
「ミツキ!どうだった?」
「えへへ、ばっちりです」
そう言って手でブイサインを作るミツキ
「後はタツマか………ね、見に行こうか」

チャトゥラの攻撃をハウルオウルが受け止める
「ふぅ」
「マーシャルアーツでヴァンガードにアタック」
「くそっ、ノーガードだ」
「ドライブチェック」
【愛の神 カーマ】ヒールトリガー
「ダメージ回復、パワーはまだ攻撃していないマーシャルアーツに」
マーシャルアーツの拳がリア・ファルの鳩尾に決まる
【竜刻魔導士 リア・ファル】トリガーなし
「マーシャルアーツでアタック!」
更にマーシャルアーツの追撃を受け倒れ込むリア・ファル
【ハウルオウル】ドロートリガー
「ゲット!トリガーの効果で1枚ドロー」
引いたカードを確認すると眉を顰めるタツマ
「とにかく追いつかねえと、スタンドアンドドロー」
タツマのその言葉に再び笑みを浮かべるアンリ
「覚醒を待つ竜 ルアードにライド!モルフェッサをコール」

「いた!相手は」
「アンリさん………」
駆け付けたミライたちはアンリとファイトするタツマを見た
「ダメージは4対1、リアガードの数も圧倒的、それにもうバインドゾーンが貯まってる」

モルフェッサの攻撃がヴァンガードのマーシャルアーツを直撃する
【マーシャルアーツ・ドラゴン】トリガーなし
「ルートのブースト!ルアードでヴァンガードにアタック!」
「ノーガードだ」
飛び上がったルアードが拳を振り上げる
「ツインドライブ!」
【覚醒を待つ竜 ルアード】トリガーなし
【デスフェザー・イーグル】クリティカルトリガー
「効果はすべてルアードに!」
ルアードがマーシャルアーツ・ドラゴンの頬を思いっきり殴った
更に回し蹴りでマーシャルアーツを吹っ飛ばした
「ダメージチェック」
【魔竜戦鬼 チャトゥラ】トリガーなし
【ジャギーショット・ドラグーン】トリガーなし
「ターンエンド!どうだ!追いついたぜ!」
「まだまだここからだよ、スタンドアンドドロー、ライド!ドラゴニック・ヴァンキッシャー!」
両手の間に雷を奔らせ構えるドラゴン
ヴァンキッシャーがルアードを見据える
「ストライドジェネレーション!征天覇竜 ドラゴニック・ヴァンキッシャー “VOLTAGE”!」
VOLTAGEは登場するなり咆哮を上げ大地を震わせた
「ドラゴニック・ヴァンキッシャーのストライドスキル!モルフェッサを退却しバインド!」
「くそっ!またかよ!」
モルフェッサもドロップゾーンでグレード1として扱うカード
今タツマのドロップゾーンにグレード1はない
「VOLTAGEのスキル発動!このユニットのアタックが成功した時、相手のリアガードを退却し、更に相手のドロップゾーンから2枚バインドするスキルを獲得」
「(くそっ!今あいつを通すわけにはいかねえ)」
チャトゥラが手に持った武器でルアードを斬りつける
【グリム・リーパー】クリティカルトリガー
「チャトゥラのスキル、一枚ドローして、ドロップゾーンのハウルオウルをバインド」
「だが、このトリガーは無駄じゃねえ」

「確かに、VOLTAGEの攻撃を通すわけにはいかないこの局面であのトリガーは大きいわ」
「けど、ハーブリンガー・ドラコキッドはスキルでパワーが11000に上がってる、VOLTAGEのパワーと合わせて合計37000、防ぎ切れるの?」
ミライとミツキが心配する中アンリがVOLTAGEでアタック宣言

「ガードだ!」
タツマはジェネレーションガードで暗黒竜 プロットメイカー・ドラゴンを呼び出す
「けど、そいつは儀式の効果でシールドを上げる、今スキルは使えない」
「んなことは百も承知なんだよ、だからこいつもくれてやらぁ!」
デスフェザー・イーグルが2枚、トータルでシールド35000

「ルアードと合わせて46000、これならトリガー2枚出ない限り防げる」
目を見開くミライ
アンリのドライブチェックの結果を見守るためぎゅっと手を握る
そんな自分の姿に気付き手を見た
「みている私まで熱く………」

「トリプルドライブ」
【マイティボルト・ドラグーン】トリガーなし
【ボルテージホーン・ドラゴン】トリガーなし
【凱旋の雷 レシェフ】クリティカルトリガー
「効果はすべてマーシャルアーツに、マーシャルアーツでアタック!雷撃2の効果、相手のバインドゾーンにカードが2枚以上あるのでパワー+3000」
「うぉお!ガード!」
グリム・リーパーとデスフェザー・イーグルがマーシャルアーツの拳を受け止める

「防ぎ切った!これなら何とか!」
「いや、今のドライブチェック、アンリさんの手札に気を付けなきゃいけないカードが入った、このターンで決めないとまずいことになるわ」
歓喜していたミツキだがミライの言葉を聞いて不安になったのか心配そうにタツマを見た

「スタンドアンドドロー(よしっ!)」
手札に来たのは完全ガードのエスラス
前のターン手札を使いすぎたもののこれならこのターン次第で防ぎ切れる
「行くぜ!ストライドジェネレーション!」
カーニバル・ドラゴンが咆哮を上げた
ヴァンキッシャーはただ黙ってそれを見守る
「ルアードのストライドスキル!ルートを退却してニーズと黒翼のソードブレイカーをコール!」
「(リアガードを退却して発動するスキル………リアガードを並べて確実に決めるにはさっきのVOLTAGEを通すわけにはいかなかった)」
タツマの二枚の手札を見ながら思案するアンリ
「ルートのスキル、ソードブレイカーのパワーを+5000、ソードブレイカーのソウルブラスト、1枚ドロー!ソードブレイカーと覚醒を待つ竜 ルアードをコール!ソードブレイカーを退却してカーニバル・ドラゴンのスキル」
「マーシャルアーツとハーブリンガー・ドラコキッドを退却」
「覚醒を待つ竜 ルアードでヴァンガードにアタック!」
ルアードが飛び上がってヴァンキッシャーに襲い掛かる
【ライジング・フェニックス】トリガーなし

「これでダメージ5!」
「でも………」
「カーニバル・ドラゴンでアタック!」
「完全ガード!」
カーニバル・ドラゴンのブレスをドラゴンダンサー アナスタシアが受け止める
「トリプルドライブ!」
【竜刻魔導士 ニーズ】トリガーなし
【グリム・リーパー】クリティカルトリガー
「効果はすべてソードブレイカーに!」
【ハウルオウル】ドロートリガー
「1枚ドローして、パワーはソードブレイカーに!ソードブレイカーでアタック」
「ジェネレーションガード」
雷を纏った竜がソードブレイカーの行く手を阻んだ
「護天覇竜 ブルワーク・ドラゴン」
「くそっ、だがニーズのスキルでソードブレイカーを退却、1枚ドローさせてもらうぜ」
ドローしたカードを確認すればアビス・ヒーラーのカード
「(よしっ、これなら防ぎ切れる!)次のターンで決めてやるぜ!」
「次のターンはないよ」
「なんだと!?」
カードをドローしたアンリの言葉に目を見開くタツマ
「雷よ奔れ!立ちはだかるものを薙ぎ払え!竜王の咆哮!ストライドジェネレーション!」
特大の雷がフィールドに落ちたかと思うとその中から現れた竜が力強い咆哮を上げていた
「征天覇竜 ドラゴニック・ヴァンキッシャー “VMAX”!」
「VMAX………このユニットが何だってんだ」
その迫力に気圧されそうになるタツマだが何とか持ち直す
手札には完全ガードもヒールトリガーもある、防ぎ切れるはずだと
「ストライドスキル!覚醒を待つ竜 ルアードを退却しバインド!ボルテージホーン・ドラゴンをコール!トレイニーのブーストでアタック!ボルテージホーンの効果、アタックした時相手のリアガード一体を退却しバインド」
ニーズもバインドされリアガードがいなくなってしまう
「それがどうした!グリム・リーパーでガードだ!」
既にドロップゾーンのグレード1は3枚、チャトゥラの攻撃だけ注意していれば次のターン天空を舞う竜 ルアードにストライドしてそこから展開できる
今リアガードを薙ぎ払われても問題ではない
「VMAXでアタック、本来ならそっちのリアガード2体と同時バトルできるんだけど、既にリアガードはがら空き、その必要もないか」
「へっ、残念だったな、こっちはリアガードを空にしたところで痛くもかゆくもねえんだ!エスラスで完全ガード!」
「トリプルドライブ」
【ドラゴニック・ヴァンキッシャー】トリガーなし
【ボルテージホーン・ドラゴン】トリガーなし
【プラズマダンス・ドラゴン】クリティカルトリガー
「(よし!防ぎ切れる!)」
「残念ながらこれで終わりだ」
「んだと!あんたの攻撃は防いで………」
「君のダメージは既に5枚、バインドゾーンが5枚溜まった時点で、勝負は決まっていた、VMAXの雷撃5の効果!」
「雷撃………5だと!?」
雷撃はバインドゾーンの枚数に応じて効果を発揮するなるかみの特殊能力
だが、5という条件は厳しい
それによって得られる効果の正体とは
「アタックの終了時、相手のリアガードにユニットがいなければ………」
そう言ってアンリはリアガードサークルを指さした後ダメージゾーンへとその指を動かした
「相手のヴァンガードに1ダメージ!」
「なっ!」
ルアードの上空で雷雲が鳴り響く
次の瞬間には雷がルアードめがけて落ちてきた
アタックではなく効果によるダメージ、ガードする術はなくルアードは抵抗できないまま雷を浴びた
【黙殺の騎士 ギーヴァ】

ダメージ6、手も足も出ず破れてしまったことにショックを受けるタツマ
だが次の瞬間
「ああっ!またやっちゃった!」
アンリが大声を出すので驚いてしまう
「ごめんよ、俺が勝っちゃったらしょうがないよね」
などといって謝ってくるアンリに戸惑うタツマだったが
「そう言うイベントだろ、これ」
といって手を差し伸べる
彼の言葉に安心したアンリも握手に応じた
「とてもいいファイトだったよ、ここで負けてもまだチャンスはある、次のファイトも頑張ってくれ」
「ああ」
振り返ったタツマはミライとミツキがいることに気付いた
「すまねぇ、負けちまった」
「気にしないで、私たち二人とも勝ったの、だからまだチャンスはあるよ」
「次の試合、プレッシャーになるかもしれないけど、信じてるから」
二人の言葉に小さく笑うタツマ
「っしゃあ!次の3戦目で汚名挽回だ!」
そう言ってガッツポーズをとるタツマに肩を落とす二人
「汚名を挽回してどうするのよ」
ミライが呟いていると拍手の音が聞こえた
「その意気よタツマ、お互い頑張りましょう」
「姉貴」
「東海林さん」
そこにいたのはタツマの姉、東海林タツミだった 
 

 
後書き
次回予告
「なよっちぃくせに強いんだな、あんた」
「あ、あはは、まあ、よく驚かれるよ、面と向かってなよっちぃなんて言われたのは初めてだけど」
「なんか強さの秘訣みたいなのあんのか?」
「え?あ、まあ、俺の場合憧れとか守りたいものとか、そういったものが原動力かな」

turn:7 立ちはだかる竜炎

「ふーん、しっかりしてるんだな、以外と」
「俺、なんだか散々な言われようだなぁ、褒めてるつもりなんだろうけど」 
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