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運命の選択

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第一章

           運命の選択
 山下洋祐はこの時暇だった、それでだ。薄い茶色にした短く細い癖のある髪をかきながら少し考えた。見れば黒い眉は太めで白い肌に二重の人懐っこい顔だ。唇の左下に黒子があり
 携帯で友人の浜崎大輝に連絡を入れてこんなことを言った。
「僕今暇なんだけれど」
「そうか」
 携帯の向こうの大輝の返事は素気なかった。
「わかった」
「いや、わかったって」
「ならゲームでもしていろ」
「いや、もう家のゲーム全部してさ」
 実際に持っているゲームは全部クリアーして飽きている。
「やるゲームがなくて」
「それでか」
「暇なんだ」
「大学はどうした」
「今夏休みじゃない」
「そういえばそうか」
「というか大輝だって同じ大学でしょ」
 だから今夏休みだと知っているだろうというのだ。
「そうだよね」
「俺はアルバイトで忙しい」
 これが大輝の今度の返事だった。
「今はオフだが」
「ああ、喫茶店だね」
「そうだ、だからな」
「夏休みってことを忘れる位なんだ」
「忙しい、御前もアルバイトをしているだろう」
「していてもね」 
 それでもというのだ。
「今はね」
「オフか」
「そうだよ、それでゲームをしていても」
 そのゲームも全部クリアーしてというのだ。
「暇なんだよ」
「御前はスーパーでアルバイトだったな」
「それがオフなんだよ」
「なら本屋に行ってだ」
 そしてとだ、大輝は洋祐に何だかんだで友人としてアドバイスをした。
「漫画なりラノベなり買え、そしてだ」
「ゲームもだね」
「新作を買ってだ」
 そうしてというのだ。
「遊んでろ」
「それがいいか」
「御前の部屋の近くにブックオフもあるだろ」
 古本や中古ゲームソフトを扱っているチェーン店である、日本全国に展開してネットでも販売している。
「そこもいいだろ」
「それもそうだな」
「今から行くか?」
「そうするな」 
 洋祐は大輝にこう返した。
「俺もな」
「よし、じゃあ行って来い」
「そうするな」
 こう言ってだ、そのうえでだった。
 洋祐は電話の後で早速部屋を出てそのうえでブックオフに向かった、そこで安い漫画やライトノベル、ゲームソフトや攻略本を買ってだった。 
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