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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。

作者:炎の剣製
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0111話『ドイツ艦達の水着試着』

 
前書き
更新します。 

 



ビスマルクは去年からある思いを抱いていた。
それは……、

「マックス、レーベ……あなた達、さすがにその水着はアウトではないかしら?」

ドイツ艦の集合場所としてよく使われるビスマルクの部屋で水着に着替えている二人に対しての率直な疑問をビスマルクは言ってみた。

「そうかしら……?」
「ボクは、少し恥ずかしいかな……」

もう去年も着てしまって慣れきってしまっているマックスはともかくレーベの方はまだ恥じらいがあるので間に合うけどマックスはもう手遅れのようだ。

「っていうかマックス。あなた去年は設定とはいえ深海忌雷に襲われたばかりじゃない? そんなに呑気にしていて大丈夫なの?」
「平気よ……。深海忌雷ごとき私の艤装で撃ちぬいてみせるわ」

なにやら物騒な物言いでマックスは艤装の銃を出してその身体から瘴気を放っている。
去年に実装されたマックスの水着グラで港の方で遊んでいたら深海忌雷に襲われて水着を剥されるという事態に陥ったのをマックスは忘れていない。
それからというもの、マックスは深海忌雷の標的になりやすくなってしまっているので今度は殺す覚悟で挑むという。

「……まぁ、頑張りなさい」
「ビスマルク姉さま! 私の水着はどうですか? マックス達に似ているみたいですけど」
「オイゲン……あなたはもう完全にアウトだから違うのに着替えてきなさい」
「えー? いいと思うんですけど……」

プリンツオイゲンが着ている水着はマックスの水着とそんなに大差はなかった。
ただ胸部面積に関しては多少は増えているという程度だ。
よってもしプリンツがこの水着を着ようものなら今度はプリンツオイゲンが深海忌雷の標的になるかもしれない。
そうなったらさすがにビスマルクでも庇いきれない事態になってしまう。
プリンツオイゲンは発育がいいために脱がされでもしたら結構やばい事態なのだ。

「ふふ……ビスマルクは心配性だな」
「グラーフ……そうは言うけどドイツ艦で支給されている水着がどうにも破廉恥なのはあまりいただけないだけよ」
「そうか。まぁそれは仕方がないだろう。祖国からも『お前たちはもっと日焼けしろ』というお達しが全鎮守府に在籍する我らに通達されているらしいからな。この世界では……」
「つまり、この世界のドイツが思考がおかしいという事になるけど、どうにもね……」

それでビスマルクはこの世界のドイツに対して不信感を顕わにしていた。
グラーフはそれで苦笑をせざるを得ないでいた。
確かにドイツは少しネジがぶっ飛んでいるのかもしれないなとグラーフも少しは思い始めている事だし。
そこに、

「ビスマルク姉さんは心配性ですって。ね、ゆーちゃん」
「うん……ゆー、今の水着ウェアは着心地はとてもいい、よ……?」

日本に染まってしまっているろーちゃんはもういいとしてまだゆーちゃんはドイツ式の水着を着ているのでまだ助かる見込みはあると考えていた。

「ろーもだけど……この日本はつくづく変態なのかしら? スクール水着って言ったかしら? それが潜水艦の標準装備なんだから」
「慣れればどうということはないですって。ビスマルク姉さんは気にしすぎだよ」
「そうなのかしらねぇ……?」

ビスマルクだけはどうにもまだ自身に支給されていた水着を着る勇気が持てないでいた。
ただでさえマックスでこれなのだ。
プリンツオイゲンですら似た水着なのだから私もどうせ同じようなものなのだろう……?と、着る前から拒絶感を前面に出していた。

「まぁ、ビスマルク。貴君の気持ちも分かるが一度は気持ちを解放してみて着てみるのもありではないか?」
「そういうグラーフだってまだ着替えてないじゃない?」
「そ、それはだな……」
「どうせあなたもオイゲンと一緒のようなタイプの水着なんでしょう? あなたはただでさえ肌が白いんだから一番肌が焼けやすい水着を贈られていると思うし」
「…………」
「無言は肯定ととらえるわよ?」

無言のグラーフにビスマルクはさらに不信感を増していた。
それでどうするか考えていたビスマルクだったが結局はいい考えが浮かばずに仕方なく、そう……仕方なく支給された水着を着ることにしたのであった。
それからしばらくしてビスマルクは水着に着替えてみて、

「と、どうかしら……?」

六人に自身の水着姿を披露する。

「いいんじゃないかしら……?」
「ボクはいいと思うよ」
「ビスマルク姉さまは相変わらず素敵です!」
「いいと思うぞ」
「ビスマルク姉さん、素敵ですって!」
「ゆーも……とても、いいと思う……」

上から順番にマックス、レーべ、プリンツオイゲン、グラーフ、ろーちゃん、ゆーちゃんにそれぞれ誉められてビスマルクは少しはいい気分になったのか、

「ダンケ。もっと誉めてもいいのよ」

そう気分よく言葉を発していた。
ビスマルクもビキニタイプだったのだがしっかりサイズは合っていたので大人の色気も相まってとても様になっていたのだ。

「さて、これであと水着になっていないのはグラーフだけね。早く降参して着なさいな」
「そ、そうだな……」

だが尚も渋るグラーフの姿を見てさすがにビスマルクも頭に血が昇ったのか、

「ああ、もうじれったいわね。みんな、グラーフを剥いでやりなさい」
「「「了解」」」
「ま、待ってくれ!」
「待たないわ。私が先に折れてあげたのに諦めが悪いあなたが悪いのよグラーフ。丁重にお縄につきなさい」

それでビスマルクの命令を受けて全員は速やかにグラーフを捕らえて身ぐるみを剥いで水着を着せるのであった。
そして、

「うぅ……ひどい辱しめにあった……」
「往生際が悪いのがいけないのよ。それより、似合っているじゃない?」
「よしてくれ。似合っているとは思っていないのだから」
「グラーフさんも中々に自虐的ですねー。私から見ましても似合っていると思いますよ?」
「そうですって。白い肌に黒い水着がとても似合っていますって!」

オイゲンとろーちゃんにそう誉められたので、

「気休めでもありがとう」
「やれやれ……素直に言葉は受け取りなさいな」

ビスマルクは相変わらずのグラーフに呆れの表情をしていたのであった。

「ま、いいわ。せっかく着替えたんだからこの際泳ぎにでもいきましょうか」

ビスマルクの提案に渋るものもいたが反対意見はなかったのでそのままプールへと繰り出していった。
ただ道中で提督とばったり会ってしまって、

「似合っているぞ、みんな」

素直な言葉に顔を赤くさせたとかなんとかだったらしい。


 
 

 
後書き
今回はドイツ艦達の水着回でした。
最後に提督と遭遇するのはお約束というものです。



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