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星河の覇皇

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第六十三部第五章 会見の申し入れその三十六

「常勝軍団の弱体化も」
「実に多いな」
「はい、そうしたチームは多く」
「政府もだ」
「政府がしっかりしていなければ」
「そして下手に介入をすれば」
 そうしたことをしてはとだ、アッチャラーンも言う。そして金にしてもその辺りを政治家としtげ理解しているのだ。
「いいことは何もない」
「過去文民政治においてそうした失敗は多いですね」
「そうだな、歴史的にな」
「ベトナム戦争の時もそうでしたね」
「アメリカだな」
「はい、政治家が軍に何かと介入し」
 ベトナム戦争の時はそれが顕著だった、それが現場である戦場の混乱を招きアメリカが敗れた一因にもなったのだ。
「アメリカは圧倒的な国力を持ちながらも」
「ベトナムにかなりのダメージを与えてもな」
「勝てませんでした」
「そして最後は政治で敗れた」 
 そうなったのだ、全てにおいて優勢であったベトナムに対して。
「そうなったな」
「ベトナム戦争はそもそもベトナムの恐ろしいまでの政治力がありましたが」
「あの時のベトナムの外交は天才的だった」
「アメリカを悪と規定しました」
 そして加害者に仕立てあげたのだ、無論ベトナムが善であり被害者となっていたことは言うまでもないことだ。
「そのうえで世界に訴え」
「アメリカに勝ったな」
「あの戦争は政治的な意味合いが特に強い戦争でしたが」
「アメリカはそれに敗れたがな」
「戦場で早期に決着をつけられれば」
 例えそれが困難な戦争でもだ。
「その為に下手に現場に介入しなければ」
「よかったのだがな」
「アメリカも」
「そもそも文民は軍事に疎い」
 プロフェッショナルである職業軍人よりもだ、このことは当然のことだ。プロとそれ以外で差があることは。
「それ故にな」
「下手に口出しをしていいことがある筈がありません」
「その顕著な例は」
「ベトナム戦争の時のアメリカ以上に」
「ナチスとソ連だろうな」
「二次大戦の時のですね」
「あの時の両国はどちらも酷かった」
 その『文民統制』が、というのだ。
「ヒトラーとスターリンのな」
「二人共文民でした」
「ヒトラーは伍長だったが」
「総統の時は現役の武官ではありませんでした」 
 即ち文民だった、スターリンは軍の階級を持ってはいたがソ連軍最高司令官のものでありやはり基本は文民である。
「その文民が、ですね」
「軍に常に介入してだ」
「両国は甚大な損害を出しました」
 それも歴史に残るまでのだ、両国の二次大戦で受けた被害は想像を絶するものだったがその原因は独裁者達にあったのだ。 
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