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ハルケギニアの電気工事

作者:東風
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第05話:使い魔召還!!何で君?

 
前書き
お待たせしました。第5話をUPします。
とうとう使い魔を召喚することになりました。さて、家族の反応は? 

 
 こんにちは~!アルバートです。

 この前、両親と一緒に皇城まで行き、皇帝に会って親戚関係に係わる非常に不本意な話をされてから、さらに色々有りました。

 結局あの後1週間も皇城に滞在し、現時点で皇城に残っている母上の妹姫様達2人にも会わせて頂きました。
 姉姫様と他の妹姫様達はすでに他国の王族や色々な公爵家等に嫁がれて皇城には居ないそうです。
 それにしても2人共とても美人で優しい人でしたが、すっかりオモチャにされたような気がします。
 皇帝からは少しだけ剣の手ほどきを受けました。まだ短い木剣しか持てないのですが、子供だということを全く気にしないで、足が立たなくなるまでしごかれましたよ。3歳児をしごいてどうしようって言うのでしょうか。
 それでも、皇帝にも妹姫様達にも気に入って貰えたようなので良かったと思います。

 皇城から帰ってからは、魔法関係の訓練も厳しくなって徹底的に鍛えられています。
水系の魔法は書庫の本に載っていたもの以外に、母上の知っている魔法を全て教えられました。色々使える魔法もありましたが、回復系の魔法はDQの方が効き目が強いのではないかと思います。“ベホ○”のような威力のある回復魔法はこの世界にはないようですから。
 父上からは土系統の魔法、特に練金やゴーレムについて教えて貰いました。父上のゴーレムもすごいと思うのですが、原作で出てきたギーシュのワルキューレのようなゴーレムも良いと思います。僕はどっち系に行こうか悩んでいます。

 剣の訓練は、父上が剣は得意ではないと言うので、諸侯軍の隊長に訓練して貰っています。諸侯軍とは、平時は我が家の領地を警護していますが、戦争が起きた時はゲルマニア軍の一画を担う軍隊です。
 この隊長は50歳位の歴戦の猛者といった風貌で、訓練はとても厳しいのですが、普段は人の良い豪快な笑い声のおじさんです。もちろん剣の訓練の他に、毎日の体力作りはそのまま続けていましたよ。

 そんなことをして過ごしましたが、特に記憶に留めなければならないような出来事も無かったのでこの辺で時間を一気に進めたいと思います。

   ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

 そう言った訳でやっと5歳になりました。
 神様との約束による第一段階のチート能力開放の日です。

 魔法のクラスは、土のスクエアと水のトライアングルになりました。
これまでは土はトライアングル、水はライン止まりでしたが、やっと予定のランクになることが出来たわけです。

 魔法を開発する能力ですが、水の秘薬作りはすでにかなりの力を付けています。
例の病気用の秘薬を改良すると共に外傷用の秘薬の改良も行って、より少量で効果が期待できる秘薬にしました。また、精神力や魔力を回復する秘薬など、それまでなかった秘薬の開発にも成功しています。
 そして新しい魔法を開発する力が解禁となったので、これから色々と想像(妄想?)力で開発したいと思います。もっともDQの魔法を使う事ができればあえて新しい魔法を開発する必要もないように思いますが、それはそれとして。

 それから身につけている物なら何でも媒体に出来ること。
 これで杖以外でも指輪でも剣でも魔法の媒体に使えるようになりました。万一杖を取り上げられるような状況になっても、これで大丈夫です。早速指輪を一つ作って契約しておきました。

 あとは魔力無尽蔵ですが、これは既にある程度開放されていたような気がします。
 今までもどんなに魔法を使っても魔力切れになることはなかったですから。多分『ルイズ』の虚無(爆発?)魔法が使えたら連発で全力使用が出来そうです。相手にとってはさぞかし恐ろしい状況でしょうね。
 これだけの能力を持った上に『王の財宝』に納められた武器を使用すれば、この段階でほぼ無双モードになったようなものですね。

 毎日の午後の訓練により、体力的には10歳位になっていると思います。隊長にお願いしている剣の訓練も木剣から短めながらも真剣(所謂ショートソード)に変わり、それなりに使えるようになりました。まだまだ一人前にはなれませんが、少しずつでも自分の身を守れるように頑張っていきたいと思います。

   ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

 せっかく皇城の書庫に入る許可を貰いましたが、あれから皇城に行く機会がありませんでした。
 大体子供だけで行けるような距離じゃないでしょう?誰かと一緒に行くにしても皇城なんてそれなりの身分がないとは入れるわけがないし、そうしたら父上か母上しかいなくなりますよね。
 それでは皇城に行くような用事が出来るのを待たなければならないので、年に1~2回位しか行けなくなります。もう一生懸命考えましたよ。頭から湯気が出そうなくらい考えに考えましたが、少なくとも屋敷にいる人を当てにしても無理だと言うことが解っただけでした。
 そこで、考え方を変えてみました。ようは途中の危険を考慮する必要がなければ子供一人で皇城まで往復する事が出来るわけです。
 某青色猫型ロボットがいて『○○ドア』なんて出してくれればベストなのですが、それは無理。ならば皇城への往復中に考えられる危険を排除できるだけの強力な使い魔を召還すれば良いんです。
 こんな事は誰かに相談しても止められるだけだと解っていますから、サモン・サーヴァントもコントラクト・サーヴァントも母上や父上に気付かれないように黙って一人でやってしまおう。と考えたわけです。

 思いついたら実行あるのみ。
 5歳になってから少ししたある日の早朝、屋敷の森の奥にある人目に付かない広場に来てついにやってしまいました。

「我が名はアルバート・クリス・フォン・ボンバード、・・・以下略」

 目の前に大きな鏡が出現しました。この中から使い魔が召還されるんですね。ワクワクします。

 ・・・・・・なかなか出てきませんね。何か鏡が大きくなってきたような?もしかしてかなり大きな使い魔でしょうか?

 ・・・・・・・まだ出てきません。なにかBGMでも流してやらないと出てきにくいのでしょうか?ドラムロールでも鳴らしてあげましょうか?鏡の大きさも縦10メール、横5メールくらいになりました。

 ・・・・・・・ん?中から光が出て来ましたね。そろそろ出てくるようです。頭が見えました。

「あれ?どこかで見たような?って、もしかして『ヴァルファーレ』?どうして?FFの召還獣を呼べるようになるのは10歳からのはずでしょ?何で今使い魔に召還されるんですか?」

 目の前に現れたのはプレステ2のFFⅩをプレーしていた頃、よく召還した『ヴァルファーレ』です。流石に迫力ありますね。知らない人なら腰を抜かすでしょう。

 『ヴァルファーレ』は目の前でじっと僕を見つめています。目で何か訴えかけてきますが、これはやっぱりコントラクト・サーヴァントをしろというのでしょうね。僕的にはもちろん願ったり叶ったりなのですが、神様も条件設定が適当ですよね。

「我が名はアルバート・クリス・フォン・ボンバード、・・・以下略」

 『ヴァルファーレ』に顔を下げて貰い嘴に口づけしてコントラクト・サーヴァントを済ませました。
 使い魔の紋章は何処に着いているのでしょう?さすがに体中羽毛で覆われているので見つける事が出来ません。まあ、どんな紋章でもこの際関係なさそうだからいいのですが。これで『ヴィンドボナ』までの護衛が出来ました。皇城に行って本が読めるので万々歳です。
 でも、これだけ迫力のある大きな身体では屋敷や町や皇城の人たちも怖がるかもしれませんね。

「何処に居てもらいましょう。まさか厩というわけにもいかないでしょうから、新しく小屋を作りましょうか?それに何を食べるのでしょうね?」

[主よ、何を悩んでおるのじゃ?我の居場所など、主が心配しなくとも普段は異界に暮らしておるから問題はないぞえ。食べ物にしても同様じゃ。我を召還せし主ならばもっと大きく構えておれ。主は我が必要なとき呼び出せば良いだけのことじゃ。]

 今の声はヴァルファーレですか?頭の中に直接声が聞こえましたからテレパシーですね。
FFの中では話しをしているところを見た事がありませんでしたが、ヴァルファーレも話せたんですね。多分『シヴァ』とか『イフリート』も話しができるのでしょう。意思の疎通が出来るのは有り難いです。とても助かります。

「『ヴァルファーレ』、良く着てくれたね。君の声が聞こえたよ。私の名前はアルバート。これからよろしく頼む。ところで、僕はこの屋敷から首都の『ヴィンドボナ』にちょくちょく行く事になるのだけれど、往復の護衛がてら君に乗せていって貰いたいんだ。出来るかな?」

[それ位の事お安いご用じゃ。任せるがよい。それで、それだけで良いのか?もっと我の力を必要とするような幻獣との戦いや大戦のような事はないのかえ?]

「ごめんなさい。僕はまだ5歳だし、今のところ戦争に行くことも幻獣と喧嘩するような事もないと思います。万一そのような事態になりましたら是非力を貸してください。それではあしたにでも『ヴィンドボナ』に行きたいと思いますのでよろしくお願いします。」

[なんじゃ、戦はないのか、つまらぬの。まあ良い。今日の所は異界に戻るとしよう。我に用があるときは空に向かい我の名を呼ぶがよい。別に決め言葉や決めポーズは必要ないからの。それではさらばじゃ。]

「はい、お疲れ様でした。さようなら。」

 もう召還用の鏡は消えていましたから、『ヴァルファーレ』は空に割れ目を広げて飛び込んでいきました。すごいスペクタクルです。

 ちょっとどきどきしましたが、無事に召還も出来ましたし問題はないでしょう。呼び出す時の決め言葉も決めポーズもいらないのは助かりました。人前でやるのはさすがに恥ずかしいですから。
 さあ、これで明日から皇城に行って本を読めます。それにしても『ヴァルファーレ』か。
 護衛には最高でしょうけど、『ヴィンドボナ』ではどこに降りればいいのでしょうか?いきなり町中や皇城に降りたら大騒ぎになりそうですし、町の外ではそこからの移動が大変です。母上達に相談してみましょう。でも、『ヴァルファーレ』のことはなんと説明したらよいのでしょうね?
 一旦屋敷へ帰ることにしました。

「母上、ちょっとご相談があるのですが、今宜しいでしょうか?」

「アルバート。姿が見えなかったので心配したのよ。屋敷の中にも周りにも居なかったし、いったいどこにいたの?」

 ちょっと、予定以上に時間がかかってしまったようですね。外に出たことがバレてしまいました。

「ごめんなさい。ずっと皇城までどうやって行ったらいいか考えていたのですが、やっと良い方法が見つかったので森の奥で試していました。」

「あらあら、ようやく方法が見つかったのね。大分時間がかかっているので諦めたのかと思ったわ。それでどうやっていくの?」

「相談したいのはその方法についてです。実は、皇城まで護衛をかねて載せていってくれる使い魔が居ればいいと思いつき、先ほど使い魔の召還をしました。召還自体はうまく行ったのですが、少々問題もあって解決策が思いつかないものですから母上のお知恵を借りたいと思ったのです。」

「使い魔召還?あなた、そんな危ないなことを一人でやったの?なんと言うことでしょう。万が一のことがあれば命を落としていたかもしれないのよ。」

「勝手なことをしてごめんなさい。事前に相談すれば止められると思ったので内緒でやりました。」

「この事は後でお父様もお話しします。それで、成功したと言うけど、どんな使い魔を召還したの?あなたは土系統のメイジだからやっぱり土系の使い魔かしら?」

「それが、どの系統にも合わないと思います。おそらくハルケギニアにいない幻獣ですから、見たことがある人もいないと思いますよ。とても大きくて空も飛べるし、戦闘力も半端じゃないですから迫力も桁違いですね。人に見られると騒ぎになりますから今は元々の住処に戻って貰っています。」

「それは面白そうね。そんなに大きくて迫力のある使い魔なんて、お母様にも見せてくれない?」

 母上。面白そうって流石ですね。やっぱり見て貰った方が話しをするより早いでしょうから、『ヴァルファーレ』にもう一度来て貰いましょうか。

「わかりました。それでは外の訓練場に召還します。父上や他の皆さんにも来て貰って下さい。一度に紹介してしまいましょう。」

 僕が訓練場に移動して待っていると、母上と父上、それに屋敷内の皆さんもやってきました。

「アルバート。話は聞いた。今回は無事に済んだから良いようなものの、万一の事があったらどうする。おまえは我が家の嫡男なのだぞ。そこをもう少し考えて、もう二度と勝手にこんな無茶はしてはいけないぞ。いいな。で、その使い魔はどこにいるんだ?」

「申し訳ありませんでした父上。以後気をつけます。今使い魔は元々の住処に戻っていますので、ここに呼び出します。」

「呼べば来るのか。それは便利なものだな。」

「はい。ところで僕の使い魔はとても大きな身体をしています。それに皆さんが見たことのない幻獣なので、驚かないで下さいね。絶対に危険はありませんから。」

 一応、みんなに注意しておきました。多分無駄でしょうけど。

「それでは、呼び出しを行います。『ヴァルファーレ』おいで!!」

 僕が空に向かって呼びかけると、空に大きな裂け目が出来て、咆吼とともに『ヴァルファーレ』が飛び出してきました。2回目の召還になりますが迫力ですね。
 僕の側に着地した『ヴァルファーレ』の頭をなでながら周りを見回すと、父上も母上も他のみんなも口を開けたまま腰を抜かしています。

「あはは・・!どうしよう?」 
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