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終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?赤き英雄

作者:ゼロs
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太陽の傾いたこの世界で
  走る黒猫と灰色の少女

見た目の年は、十代前半くらいだろうか。けっこうな高さから落ちていると見えて、既《すで》にかなりの速度になっている。このままいけば、石畳にまっすぐに激闘《げきとう》し、のどかな昼下がりにはあまり似つかわしくない事態になるのは間違《まちが》いない。


何の気もなく斜《なな》め上に視線を向けた瞬間、目に飛び込んできたのがその眺《なが》めである。
身体《からだ》が勝手に動いていた。
落下地点に走り込み、両腕を伸《の》ばし受け止めようとする。が、予想していたよりも圧倒《あっとう》的勢いで落ちてきたその体は、カイトは両腕で支えたがバランス崩し少女落ちた。
なれば、結果は当然、分かり切っている。
「ぐぇあ!?」
一瞬《いっしゅん》の後に驚いて落とした潰《つぶ》れた蛙《かえる》のような声を出していた。
「受け止めるならちゃんと受け止めて」
少女は、立ち上がる。
「ご、ごめんなさいっ!?」
さらに遅《おく》れること数秒、状況《じょうきょう》を把握《はあく》したらしい少女。
「け、怪我《けが》とかない!?ちゃんと生きてる!?あっ」
慌てるその腕《うで》の中から、一匹の黒猫が逃げ出した。反射的に伸ばした少女の手が空気だけをつかむ。あれよあれよという間に、その後ろは雑踏《ざつとう》の中に見えなくなった。
「ひゃ、あああっ!?」
続いて少女は、自分自身の格好に気が付いた。
全力疾走の最中にか、それとも自由落下の時になのか。目深にかぶっていたはずの帽子がいつの間にかなくなっている。
肩《かた》の下にまで流れ落ちる、澄《す》み通った、蒼色の髪《かみ》。
おい見ろよあいつ。
どこかから、そんなつぶやきが聞こえた。
西第七ブリキ露店街を歩く通行人たちが、露店のたちが、足をとめ商談を中断して、少女の髪と顔とに視線を注いでいた。
浮遊大陸群《レグレ・エレ》には、かつて星神《ヴイジトルス》の眷属《けんぞく》であった様々な種族の者が生きている。当然、その姿も様々だ。角を持つ者がいて、牙《きば》を持つ者がいて、顔のパーツのいずれかが獣《けもの》のそれに置き換《か》わったような異相の者がいる。
そんな中で、角も持たず、牙も持たず、鱗も持たず、獣に似た場所を持たない種族も、少数ながら、らはり存在する。そのような種族特有の分かりやすい『徴《しるし》』を持たない種族 
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