星河の覇皇
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第六十三部第五章 会見の申し入れその九
「大臣は」
「そうだな、それは日本といえどもだな」
「はい、文民でなければです」
「国防大臣にはなれないしな」
「無論政治家にもです」
「連合は政治家と官僚が分けられている」
それもはっきりと、というのだ。
「議員は政治家だ」
「そして閣僚も」
「閣僚は官僚から選ばれない」
「官僚は官僚ですね」
「それ以外のものではない」
つまりプロフェッショナルが官僚というのだ。軍人も官僚であるのでとどのつまりは官僚を政治家にそのまましないということだ。
「若し政治家になりたいのならだ」
「その役所を辞めることですね」
「軍人もまた然りだ」
彼等もまた官僚であるからだ。
「官僚なのだからな」
「閣僚になるのならですね」
「軍を辞めて選挙に出るか」
「閣僚に選ばれるかですね」
「そのどちらかですね」
「そうだ、少なくとも官僚ではだ」
その立場からというのだ。
「議員に、閣僚になれないのだ」
「そこが連合ですね」
「そしてマウリアなのですね」
「連合の政治システムの特徴だ」
そう言ってもだ、差し支えのないことであるのだ。
「マウリアのな」
「議会制民主主義ですね」
「まさに」
「議員は閣僚になってはならない国もある」
議院内閣制でない国もあるのだ、連合には。
「しかしどちらにしても文民は文民だ」
「しかしサハラでは」
「我々の中では」
「官僚でも閣僚に任命されます」
「軍人にしても」
「文官も武官もです」
そのどちらもなのだ、官僚でもだ。
「政治家にもなれます」
「言うならば政治家と官僚の区分が曖昧なのですね」
「連合やマウリアと違い」
「そうなのですね」
「そうなる、だからだ」
そのサハラの政治的特徴故にというのだ。
「私は優秀な者ならばな」
「官僚でもですね」
「閣僚にされますね」
「文武共にな」
そのどちらでもだというのだ。
「取り立てる。それでその軍人から政治家になったな」
「八条長官と、ですか」
「合われるのですね」
「楽しみにしている」
シャイターンにしてもだ、実際にその口元が綻んでいる。
「どれ程の人物かな」
「若いながら大器とか」
「政治力も知力もかなりのもので」
「事務処理能力にも優れていて」
「統率力もありますね」
「政治家としては私より上だろう」
シャイターンは八条をこうまで高く評した。
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