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夢幻水滸伝

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第十三話 星と兵とその六

「そうするで」
「騎馬隊自体を吹き飛ばすんですか」
「そうや」
 しかも正面の動く先にというのだ。
「これで完全に止めるで」
「囲まれる前に封じる」
「そうしたやり方がありますか」
「それをやるわ」
 まさにというのだ。
「守り方にも色々あるけどな」
「積極的に撃って守る」
「敵の動きを封じて」
「そうや」
「そして、ですか?」
 翼人の足軽がここで言ってきた。
「わし等も」
「そや、相手もおるけれどな」
 見れば空の兵達も動いている、陸の者達と連動してだ。
「空からも攻めるんや」
「鉄砲とかで」
「あと炮烙も使う」
 投げるそれもというのだ。
「勿論空船もな」
「全部使いますか」
「使えるもんは全部使って勝つ、やろ」
「それが戦ですな」
「そういうものや、ほなやるで」
「わかりました」
 翼人の足軽は中原の話に頷いた、そしてだった。空の兵種この世界でも空軍と呼ばれる彼等もだった。
 動きはじめた、その動きは中原の采配のままで。
 敵のまさに動く先頭に攻撃が集中された、鉄砲に大砲そして空からの攻撃がだ。
 山陽の軍勢を襲った、騎馬隊も空軍も足軽達もだ。
 その集中攻撃、弾幕の様なそれに動きを止めた。彼等は眉を顰めさせて言った。
「くそっ、こっちの動き読んどるわ」
「中々やるのう」
「これはどうする?」
「囲むのは無理みたいやぞ」
 山陽の部将達は忌々し気に口々に言った。
「どないしたもんじゃ」
「攻め方変えるか」
「敵の対応が素早いからのう」
「どうすればええ、今度は」
「こっちは鉄砲も大砲も少ないぞ」
「空軍もじゃ」
 そうしたものは関西の方が倍以上多かった、中原もそのことを認識していてそれで使っているのだ。
「これはどうするんじゃ」
「このままじゃ何もならんぞ」
「囲むことは出来んのう」
「ほなどうするかじゃがのう」
「囲めなんかったら突撃じゃ」
 部将の一人がここで言った。
「あらためてな」
「そうするか」
「あらためてな」
「よし、それじゃったらな」
「やったるか」
「あらためて攻めたるわ」
 兵を率いる部将達は口々に言ってだ、そしてだった。
 彼等はあらためてだ、軍勢の動きを鶴翼から矢印の形にしていった。そうしてあらためて攻めようとするが。
 その動きを見てだ、中原は冷静に言った。 
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