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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年

作者:レゾナ
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真・四十二話 賽は投げられた

 
前書き
さあ、これから全君の反撃が始まります……! 

 
全がシンからなのは達が向かう世界が分かった時……なのは達は教室で談笑をしていた。

「それでねってなのは、聞いてるの?」

「えっ?えっと、なんだっけ?」

「大丈夫なのは?今日も任務なんでしょ?あんまり根を詰めない方が……」

「にゃはは、大丈夫だよフェイトちゃん。元気元気!」

「それならいいけど……」

フェイトが心配と言うがなのはは構わず大丈夫と返答する。

なら大丈夫かなとフェイトやアリシア、はやては思い話を戻した。と、そこで気づいた。

こういう時にいの一番に心配するであろう少女が一言も話さないのだ。

「アリサちゃん?」

「………………………」

はやてが名前を呼んでもアリサは反応すら返さず何かを考えこんでいる。同じようにすずかも考え事をしているのか、一言も話さない。

「アリサちゃん!」

「っ!な、何よはやて!?いきなり大声なんか出して!?」

「何もなにも……さっきからずっと呼んどるんやで?」

「そ、そうだったの?全然気づかなかった……」

「すずかもだよ、どうしちゃったの?」

るいもすずかにそう言う。

二人ともどうかしたのかとるいは心配なのだ。

「え、えっとね……あ、あはは……」

しかしすずかは話したくないのかそれとも別の理由があるのかわからないが苦笑いでその場を済ませようとする。

「どうしたんだ、二人とも。熱でもあるのか?」

聖は二人に熱でもあるのかと聞くが

「っ、ごめんね、大丈夫だから。あ、そろそろ授業が始まるわよ」

「う、うん、そろそろ座ろう?」

「「「「「「…………???」」」」」

その慌てた様子にますます訳が分からないといった感じになる五人。

そして、全も戻ってきた事により一時限目の授業の先生がやってくる時間になった為各々の席についた。















時間は流れ放課後。この後なのはは同じ部隊に所属しているはやての守護騎士であるヴィータと共にある世界に向かうため、はやての家を訪れていた。

「それじゃ、はやて。行ってくるな」

「うん、気を付けてな」

そう言ってなのはとヴィータを送り出すはやて。と、その時

―――――――――――――主、主…………!

「ん?誰か、うちの事呼んだぁ?」

「いえ、誰も主の事を呼んでおりませんが……」

「空耳かなぁ?」

あまり気にすることもなくはやては自身の家に戻っていった。

そんな家の中にあるはやての父の書斎。そこにある映写機の中でリインフォースは憤っていた。

『何故だ、なぜ再び主達の記憶が消えている?再び記憶が消えるなど全は言っていなかった……という事は、今回の記憶削除は全の知っている存在の所為ではない?ならば、なぜそのような事が……それに今回は町全体に影響が出ている……』

全は知らないが、リインフォースは自身の記憶や人格、性格など全てを反映させたこの装置を使って町全体の事を把握している。

故に住人達の記憶もまた改変されている事に気づいていた。

『まさか…………何者かが全を陥れようとしている……?しかし、誰が……』

と、リインフォースは過去のこの町のログを辿る事にした。

もちろん目途がなくてやっているわけではない。目途は立っている。主達の期末テストが終わった日、つまり昨日である。

その日から何かが変わっている事をリインフォースは薄々感じていた。

『怪しげな人物は……………ん?』

やっている事は既に犯罪だが、しかしリインフォースは見つけた。

それは期末テストが始まる少し前。ある男の家のある一室。そこで行われている会話。

『こいつだ…………だが、なぜだ。なぜこいつが……くっ、せめてこの事が全に伝えれたら……そうだっ!!』

と、そこで何かを閃いたのかリインフォースは無言で自身の前に無数のキーボードらしきものを一心不乱に叩いていく。

『これが上手くいけば……主や全、それに主の友人も守れるっ!』

主はやてやその友人達、そして全を助けたい思いでリインフォースは休む間もなくその後現れたディスプレイ上に表示されていく文字列を正確に覚えながら何かの作業に没頭し続けた。












そして、なのは達が赴いた世界。第二十四管理世界「スノーヘッド」。名前の通り、一年中雪に覆われた世界で雪に映える美しい景色がいつでも見られる。

「さ、さむっ!!」

「さ、寒いね、ヴィータちゃん……」

が、やはり寒い物は寒い。二人とも魔力で体を覆って寒さを凌いでいるがそれでもそれでも寒い物は寒いのだろう。

「ちゃ、ちゃっちゃと帰ろうぜなのは。今日はこの遺跡探索が任務なんだろ?」

「うん、ここの遺跡は殆ど管理局が調べたんだけど、奥の方は行ってないんだって」

「つってもなぁ……もう遺跡の原型留めてないから調査する所ないと思うんだけどなぁ……」

「にゃはは、そうかもしれないけどそれでも任務なんだから……あっ!?」

なのはとヴィータが歩きながら話しているとなのはは何かに躓いたのか少しよろけてしまう。

「だ、大丈夫かよなのはっ?」

「にゃはは、ごめん足とられちゃった……」

「お前、本当に無理してないよな?」

「大丈夫だって、ヴィータちゃんもフェイトちゃん達も心配しすぎ」

「そうは言うけどよぉ……っ、なのは何かくるぜ」

「えっ?」

呑気に会話をしているとヴィータが何かを感じ取ったのか自身のデバイス『グラーフアイゼン』を構える。

それを待っていたかのように、複数の機械が出てきた。

「こいつら、何?」

「何かは知らねぇが……友好的じゃねぇのは確かみたいだな!」

ヴィータがそう叫んだ所で、戦闘が開始された。



その戦闘を、高台の上から見ている人物がいた。双眼鏡を手にしヴィータとなのは対機械達の戦闘を見ている。

『マスター。本当にやるので?』

「当たり前じゃないか。これでなのは達を救えるんだから」

『彼女達を…………』

「ああ、手伝ってくれるよな?」

『…………はい』

自身のデバイスに問いかけるとデバイスは渋々といった感じだが了承し、その身を黒い剣へと変える。

「さあ、なのは。君を救うよ」

男はそう言うと、まるで靄が掛かったかのように見えなくなり、完全に消えてなくなった。



「これで、最後!」

「終わり、だよね?」

「ああ、多分な。被害状況は?」

「は。負傷者数名、死傷者などは出ていません」

「よし。何も用意していない状態での奇襲なんだから上出来だろう。周辺警戒怠るな!」

「ヴィータ隊長!ちょっとこちらに!」

「なんだ!?」

ヴィータは退院に呼ばれその場を一時離れる。

ヴィータが離れた事により、なのはは気を抜いたのかその場にへたり込む。

『マスター。あまり無理をなさらないで』

「大丈夫だよ、レイジングハート。頑張らなきゃ……私が、頑張らないと」

気を抜いていたから、気づかなかった。

―――――――――――その背中から、何者かが剣を突き立てようとしているのに。

『っ!マスター、避けて!!』

「えっ」

なのはは振り向くがしかしもう遅い。その刃は無慈悲にもなのはの体を貫く事に……()()()()()()

なぜならその刃を寸前で右手の平をまるで盾のようにしてそれ以上剣がなのはの体に行かないように止めているからだ。

しかし、それでも少しは切り裂いていたのかなのはのバリアジャケットの背面が少しだけ破けていた。

だが、なのははそんなのを気にしていなかった。もっと気になる事があるからだ。

それは自分を助けた人物と自分を刺そうとした人物。この二人の顔がまったく同じなのだ。

「橘、くん…………?」

なのはを守ってる方の全は、貫かれた右手の痛みに顔を歪ませながらも少しずつ刺そうとした全へと体を前進させる。

「貴様、なぜなのはを刺そうとした?なぜなのはを傷つけようとした……?なぜだっ!?」

「っ!!」

刺そうとした方の全は剣を抜こうとするが

ガシッ

「っ!?」

全は剣が引き抜かれる前にその刀身を掴む。痛みが右腕全体に広がって並の人間なら叫び声を上げている所だろう。

だが、全はこんな痛み慣れっこだ。鉛玉を右腕にぶち込まれてそのまま一夜を過ごした事だってある。寝ている間も痛みに耐えながら過ごし続けた全にとってこの程度の痛みは何てことないのだ。

「俺が、逃がすと、思うか?こんな事して……ただで済むと……思ってんじゃねぇぞ!!」

全は左手を振りかぶり、拳を相手の頬に叩きつけた。

「がっ!!!??」

そのまま、相手は吹っ飛びその拍子に相手が持っていた剣が相手の手から離れてしまう。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

「………………………」

全に守られながらなのはは呆然とする。

と、その時、なのはの脳裏に変な映像が浮かんだ。

――――――――――――そこは、道場だった。子供と青年が向かい合っている。

【あんたは、家族だろ?   の…………】

【そうだ!だから、よそ者であるお前が口出しするな!】

【よそ者である僕になってわかる!あなたは間違っている!】

【何だと!?】

青年はその手に持っていた木刀を振りかぶり、少年に振り下ろす。

少年は避ける素振りすら見せず、その木刀を受ける。

【っ、  くん!】

その勝負を見守っていた少女が少年に駆け寄る。だが、少年は手でそれを制す。

【…………あなたが望むのは家族の平穏でしょ……?だったら…………だったら!   の気持ちを少しは考えてくださいよ!   はただ、笑っていてほしいだけなんですよ!貴方達に!その気持ちを考えてやってくださいよ……!】

額から血を流しながらも、両手を広げて青年に訴える少年の背中を見て、少女は決意する。この背中を……たくましくも、どこか儚くて、脆くて……とても悲しい思いが宿っている背中を守ってあげたいと。

―――――――――――――そこまで見て、意識が現実に帰ってきた。

いつの間にか取り戻していたのか黒い剣を持っていた全は剣を手にし、短刀を左手に持っている全と剣戟を繰り広げている。

だが、負傷している分短刀を持っている全の方が不利なのか徐々に押されている。だがそれでも一歩も引いていない。

それどころか、剣を受け止めるのではなく受け流し、攻撃に転ずるという一種の離れ業をやってのけている。

「貴様が、何者なのか、正体を明かして貰うぞ!」

「っ!!」

黒い剣を持った全は一言も喋らず逃げようとする素振りを見せるも短刀を持った全がそれを許さない。

「なのは、無事か……って、何だあれ!?」

ヴィータが戻ってきて、目の前の出来事に驚く。

それもそうだろう。本来いない筈の人物が二人に増えてしかも斬り合っているのだ。驚くなという方が無理な話だ。

「な、何がどうなってんだ?というか、どっちが本物だ?それともどっちも偽物なのか?」

「っ」

「っ、しまっ!?」

ヴィータの登場に一瞬だけ……本当に一瞬だけ気が緩んだ短刀を持った方の全の短刀が弾かれる。

その隙をついて黒い剣を持った方の全は転移魔法を発動させたのかその場から消え去った。

「くそっ……せめて、正体を確認しておきたかったが……まあいい」

「おい、橘」

シンを納刀する全。そしてそんな全にヴィータは話しかける。

「お前、どうやってあたしたちがこの世界で任務を行うってわかったんだ?」

「簡単だ。地球からどこに向かって転移したか。その跡を辿れば自ずと場所はわかる」

「んなのでわかるかよ!はぐらかしてんじゃねぇぞ!!」

「それよりもいいのか?高町、怪我してるかもしれないぞ?良い機会だから休暇を取らせろ。いいな」

全はそう言うと、歩き出す。

「おい、どこに行くんだよ!」

「帰るんだよ……手の手当てもしないとだしな」

「あっ……ま、待って!!」

すると呆けていたなのはが手の手当てと言った所で慌てた様子で全の後を追いかけ左手を掴む。

「ち、治療する!治療するから、アースラまで!」

「い、いいよ。どうせ俺を嫌ってる奴しかいないし」

「私の気が収まらないの!ほら!!」

「わ、わかった!分かったから引っ張るなって!!」

強引に腕を引っ張っていくなのはとそれに仕方なく応じる全。

はた目から見て何か彼氏彼女に見えなくもない光景だった。

「はぁ、なのははこれと言ったらぜってぇ引かねぇもんなぁ……にしても、さっきの奴……一体誰だったんだ?何で橘になる必要が……?」

ヴィータの頭の中にはそんな疑問が渦巻いていた。 
 

 
後書き
戦闘描写、苦手。というか書けない。皆、俺に戦闘描写の語彙力を分けてくれぇ!!! 
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