星河の覇皇
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第六十三部第五章 会見の申し入れその二
「その次に軍略、軍政だ」
「その二つもですね」
「お知りになられたいのですね」
「八条長官は戦略家だ」
シャイターン自身も戦略家だ、戦略家を知る者は戦略家だというのだ。そのことを知っているからこその言葉なのだ。
「その彼の戦略をな」
「それをですか」
「ご存知になられたいのですね」
「是非な」
「それでなのですね」
「ご自身からですね」
「会談を申し出られたのですね」
弟達も言うのだった、そしてだった。
そうしてだ、シャイターンも言うのだった。
「そういうことだ。戦略を学びたいのだ」
「あの、戦略でしたら」
フラームは長兄の今の言葉に怪訝な顔になった、そうしてこう兄に問うた。
「兄上は」
「学ぶ必要はないまでにというのだな」
「はい、充分備えられていると思いますが」
「いや、違うな」
シャイターンは次弟のその言葉を即座に否定した。
「戦略に充分ということはない」
「そうしたことはですか」
「ない、学べば学ぶ程だ」
「いいものですか」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「私はだ」
「八条長官と会われますか」
「そうする」
絶対に、というのだ。
「そのうえで学ぶのだ」
「あの御仁の軍政と戦略を」
「どちらもな」
「では兄上はあの長官殿を」
「私に比肩する者と考えている」
まさにだ、それ故にだった。
「会いたい、そこから学びたいのだ」
「あの御仁のこと、そして彼から」
「戦略と軍政をな」
その二つをというのだ。
「どちらも政治だ」
「軍事は政治の一環でしたね」
「そうだ」
その中にあるものだとおいうのだ。
「そうしたものだからだ」
そうした認識dからだというのだ。
「私は政治家としてだ」
「八条長官を会われ」
「彼から学びたいのだ」
「そうしたお考えですか」
「そうだ、私は軍人であるがだ」
それと共に、というのだ。
「政治家でもあるのだ」
「そのお立場から」
「私は学ぶのだ」
「学ぶことを止められることは」
今度はアブーが問うた。
「そのことは」
「ない」
断言だった。
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