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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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45部分:第四話 張飛、馬超と会うのことその九


第四話 張飛、馬超と会うのことその九

「本気でな!」
「こっちもそのつもりなのだ」
 そしてそれは張飛も同じだった。
「鈴々もこれで」
「決めるんだな」
「馬超といったな」
 彼女の名前を呼んでみせる。
「では行くのだ」
「ああ、決めるか」
 お互いに構えに入る。そのうえでまた激突しようとする。しかしだった。
 急に張飛の腹が鳴った。それがそのまま水を差してしまった。
「あっ、これは仕方ないのだ」
「おい、御前」
 馬超も呆れてその張飛に抗議する。
「闘いの中でだな・・・・・・あっ」
 しかしであった。その馬超の腹も鳴った。これで緊張の糸は完全に切れてしまった。
「あはは、まああたしもだな」
「そうなのだ。仕方ないのだ」
 二人共顔を赤くさせて手を頭の後ろにやって言う。
「これはまあ」
「そうなのだ。どうしようもないのだ」
「袁紹様」
「宜しいかと」
 そして田豊と沮授がここで袁紹に言ってきた。彼女は主賓席でそのまま闘いを見続けていたのだ。
「そうですわね。それでは」
「はい、これで」
「終わらせましょう」
「両者これまで」
 ここで袁紹は立ち上がって言う。
「双方優勝とします」
「おおっ、両者優勝!?」
「何と」
 観客達も袁紹のその言葉を聞いて声をあげる。
「では賞金も?」
「二人に」
「二人に優勝の金額を」
「はい、それでは」
「その様に」
 田豊と沮授が応える。こうして二人は優勝となりそのうえで袁紹に宴に招かれる。そのうえでその腹を満たすのであった。
 そのテーブルの上に置かれている饅頭や豚の丸焼き、それにラーメンや餃子、炒飯といったものを食べていく。腹は急激に満たされていく。
「美味いのだ」
「ああ、最高だな」
 二人は食べながら同席している袁紹に対して言う。
「袁紹殿のところじゃいつもこんなのが食えるのか?」
「いつもなのだ?」
「はい、何時でも好きなだけ食べられましてよ」
 袁紹は微笑みながら二人に返す。
「もうどれだけでも」
「いや、そりゃ凄いな」
「そういえば街も凄かったのだ」
「袁紹様は政治と軍事は凄いんだぞ」
 袁紹の左脇に立って控えている文醜が胸を張って言う。顔良は右脇である。その後ろには田豊と沮授が控えている。審配は少し離れた場所から見ている。
「そのかわり自分の興味のないことは全然しようとしないし駄目駄目だけれどな」
「余計はことは言わなくていいですの」
 袁紹はむっとした顔になりすぐに文醜に返した。
「全く。いつもいつも」
「あっ、すいません」
「わかればいいですの。とにかく」
 文醜を叱った後であらためて二人に声をかける。
「どうですの?御二人を我が袁家の客将に」
「そうしたらこんな美味いものが何時でも食えるのだ?」
「いや、涼州じゃこんなのないからな」
「そうですわよ。何時でもですわよ」
 袁紹はここぞとばかりに二人に言う。
 
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